インドネシアでの会社設立は、かつては地方政府・法務・中央機関をまたぐ多段手続だった。2018年7月以降は投資調整庁BKPMのOSS(Online Single Submission)に一元化され、事業基本番号NIB(Nomor Induk Berusaha)の取得が中核になった。
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インドネシアの会社設立と就労ビザ取得|NIB・OSS登録・eVISA制度まで
インドネシアの会社設立手続きはOSSシステムにより簡素化されている。2024年からeVISAシステムによりインドネシアの就労ビザ取得がオンラインで可能になった。インドネシアでの就労ビザ取得手続きは以前よりも大幅に簡略化されている。
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この記事でわかること
- 2018年以降、会社設立の許認可はBKPMのOSSに一元化され、NIB取得が中核になった。
- NIBはTDP・API・NIKの代替となり、大手取引先から提出を求められることがある。
- 古いKBLIとOSSの新コードが一致しないと、AKTA・SK更新なしにNIB取得が進まない。
- OSSはリスクベースのOSS RBAへ移行し、既存事業者もマイグレーションが必要になる。
- オムニバス法の投資促進・規制緩和の文脈で、OSS/NIBは起業と取引の前提条件になっている。
NIBはTDP・API・NIKの代替として機能する
従来のPMDN設立は、賃貸契約→Domisili→社名承認→NotarisでAKTA→SK/TDP→SIUP→NPWP、という長い流れだった。PMAはさらにBKPMのネガティブリスト審査などが乗った。OSS化後はPMDN/PMAとも、AKTA作成と同時にまずNIBを取る流れへ変わった。
NIBは、会社登録証TDP、輸入業者識別番号API、通関基本番号NIKの代わりになる位置づけで、これらを別途取る必要がなくなる。
事例:IT業者として新規取引ではAKTAやSK、TDP、SIUPのコピー提出は珍しくないが、ある大手家電メーカーとの取引開始時に初めてNIB提出を求められた。輸入をしない会社だとNIB取得の期限動機は弱かったが、取引先要件がトリガーになった。
要点:NIBは「あればよい」ではなく、大手取引先の与信・コンプラ要件として突然必要になる。
KBLI改定でOSS上の業種コードが合わずNIB取得が止まる
KBLI(標準産業分類)はBPSが改定し、2015年・2017年と更新されてきた。2018年10月以前設立の会社は2017年版準拠が多い一方、OSS側は新しい桁・体系のため、登録済みKBLIと画面生成コードが一致しないことがある。
事例:弊社の設立時KBLIは6202(コンピュータ関連コンサル等)だったが、OSSでMaksud/Tujuanを選ぶと62029の5桁が生成されマッチしない。BKPMからは「AKTAとSKを再発行して新しいKBLIに更新してから」と指導され、Notarisでの作り直しと費用が発生した。
要点:古いKBLIのままではNIB取得が止まり、定款・SKの更新コストが先に発生する。
OSS内の業種と目的の選択画面OSSはRBA(リスクベース)へ移行した
2021年頃からOSSは、雇用創出法を背景にリスクベース評価を組み込んだOSS RBA(Risk Based Approach)へ更新された。事業リスク(低/中/高)と資本規模帯で手続が分かれ、既存事業者もマイグレーションが必要になる。
事例:弊社もOSSからマイグレーションし、RBAベースの新しいNIBは出力できた。一方Sertifikat Standarは従来のものがそのまま適用され、変わらないケースがあった。
要点:OSS RBAは小規模・低リスクの申請簡素化が狙いで、スタートアップ環境整備とセットで読むと理解しやすい。
弊社のOSS-RBAへの更新後の登録情報オムニバス法は許認可簡素化と投資促進の文脈にある
企業側が感じる労働法上の負担(最低賃金上昇、解雇コスト、退職金)への緩和と、許認可・税制の投資促進が、オムニバス法議論の軸だった。法人税の段階的引下げも、事業継続とハイテク投資呼び込みの手段として語られる。
労働者側の権利擁護との緊張は続くが、OSS/NIB/RBAは「許認可のデジタル一元化」という実務レイヤで、起業・取引の前提条件になっている。