ハウツー本や動画で勉強した知識は頭で記憶するので忘れやすいものですが、ドラマにはストーリー性があり心を揺さぶられ涙するほど心の中に刻み込まれるので、現実世界での自分の振る舞いに何らかの影響を与えやすいと言えます。
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インドネシア生活における思考と感情
人間は弱い生き物ですから感情に支配されて勘定の赴くままに意思決定したり行動したりするものですが、結果は得てして非合理的なものになりがちなので、相手の感情を汲み取りながらも自分は感情に流されない合理的な思考訓練が重要だと考えます。
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田口公平と大門未知子のすごさの違い
WAKUWAKU JAPANは、日本のテレビ番組を海外のテレビ局向けに供給する、スカパーJSATグループの番組供給専門会社であり、それを支援するのが株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)という官民ファンドです。
(2022年4月追記)
WAKUWAKU JAPANは2022年3月31日をもって放送を終了しました。
この官民ファンドは、日本経済の持続的な成長の推進を目的として、日本の衣・食・住に関わる生活文化の特徴・特色を生かした魅力ある商品・サービスを海外展開することを支援するのが目的であり、おかげでWAKUWAKU JAPANは結構いいコンテンツを日本の1~2週間遅れで放送することができ、我々のようなインドネシア在住者もたまたまその恩恵を被ることができるわけです。
最近WAKUWAKU JAPANで放送された伊藤淳史と仲村トオル主演の「チームバチスタ4 螺鈿迷宮」と、米倉涼子主演の「ドクターX ~外科医・大門未知子~」という2つの医療ドラマには、技量も性格も対照的な医師である主人公が登場します。
東城医大病院の心療内科医である田口公平が僻地の終末医療施設である碧翠院に左遷され、次々と運ばれてくる救急外来の患者に対して、外科的処方が何もできず役に立てないと悩んでいるとき、末期癌の患者の一人が以下のように田口を諭すシーンがあります。
このシーンの正確な描写は上記と若干異なるかもしれませんが、ストーリーを演出家の意図する内容どおりに正確に解釈したかどうかは問題にはなりません。
ということに自分自身が気づかされたということに大きな意味があります。
一方でフリーランスの外科医である大門未知子は、シリーズを通してスーパードクターぶりを如何なく発揮していくわけですが、このドラマの主題は一言で言えば「外科医の心得」であり、すべては大門未知子の師匠である神原晶の以下の教えに集約されます。
外科医の手術力は最初のトレーニングで決まる。
どれほどの熱意を持って手術を学ぶか。
どれほどうまい外科医の手術を見るか。
川の水が流れるように基本手技を反復し、美しい最終術野を作る。
それが理想の手術。
そして 一番大事なのは、どんなに厳しいオペでも決して患者を見捨てないこと。
私の大事な師匠が教えてくれた。
これは技術を必要とする仕事をする上で、基本の反復練習によって自分のパターンを作ることがいかに重要かを示唆した言葉です。
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心の余裕は日頃の反復練習で培われる
謙虚であるためには心の余裕が必要であり、心に余裕を持つには自分に対する自信が必要であり、自分に自信があるということは、日頃からの反復練習で培われた技術や知識で武装されているという状態です。
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そして最後に神原晶によって、大門未知子が絶対オペを失敗しない理由が明かされます。それは、どんな患者のオペの前でも、考えられる全てのケースを想定して、入念な準備を行うからです。
小説やドラマが実用書よりも現実世界で役に立つ理由
小説もドラマもフィクションであり、表現方法が文字か映像かの違いだけで、読者や視聴者に解釈の仕方を委ねることで、いろんな形の共感を引き起こすという効果は同じです。
ビジネス書などの実用書は特定分野の情報収集のために読むものですから「事実から外れると誤情報になる」という制約に縛られることで、間違った理解をしないよう細心の注意を払いながら読まざるを得ないため、頭も眼も疲労します。
また共感したことと情報収集したことでは人間の記憶の仕方が異なります。
実用書で読んだ内容は頭で記憶するため、時間の経過とともに忘れてしまいますが、小説やドラマで共感したことは心で記憶するため、現実世界で同じような状況に遭遇した時に、心の記憶の引き出しがピンポイントで開き、自分の行動に影響を及ぼします。
昨日2017年のクリスマスイブに、2016年のフジテレビ系列のクリスマスドラマスペシャル、多部未華子と高橋一生主演のドラマを放映していました。
「ルックス、キャリア、すべてにおいてハイスペックながら、女心が致命的に理解できないアプリ会社社長・黒川壮一郎」という現実ではあり得ない設定に批判があったようですが、ドラマのストーリーが現実世界に限りなく自然に投影できることが重要であると考えるのであれば、このドラマを観て共感することは難しい。
ただ自分のようにドラマの設定よりも、シーンごとに主人公が発する言葉の中に、自分が共感できる部分が見つかれば、それだけで満足する人間にとっては、株主総会での社長解任発議にて自分が育て上げてきた会社を追い出された黒川社長が、かつて起業したときの信念であるこの言葉を思い出すシーンに大いに共感しました。
現実世界で役に立つということは、情報自体の価値がもたらす一過性の効果よりも、主人公の発言や行動に共感することで、現実世界での自分の振る舞いに何らかの影響を与えるという、もっと汎用的な効果を指しています。