有償支給は、外注先に材料を販売し、加工後の仕掛品を購入する方法です。無償支給の場合は、仕掛品の外注購買発注書を発行し、材料を引当て出庫指図に基づいて出庫実績を計上します。そして、外注先での支給品使用実績を計上し、仕掛品の入荷実績を上げることになります。
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この記事でわかること
- 有償支給は外注先に材料を販売し、加工後の仕掛品を購入する方法です。
- 無償支給では仕掛品の外注購買発注書を発行し、材料の出庫実績を計上します。
- ドロップシッピングは仕入先直送機能に該当し、得意先への入荷実績が自動的に上がります。
- インドネシアでは無償支給が収益管理を曖昧にするため、有償支給が求められます。
- 有償支給では支給時に売上計上し、加工後の製品販売で二重計上を避ける必要があります。
ドロップシッピングと仕入先直送
私は2001年から2007年まで、バリ島で家具の輸出業を営んでいた際、日本で新たにネットビジネスを立ち上げようとする方々から、何度もお問い合わせをいただきました。
当時は在庫を持たずにリスクゼロでネットショップを開きたいという考えに嫌悪感を覚えましたが、現在ではドロップシッピングはアフィリエイトというビジネスに成長しています。
このドロップシッピングは業務システム上では仕入先直送機能に該当し、得意先A社からの受注登録を行うことで自動的に仕入先B社への発注情報が生成され、入荷実績は自社倉庫ではなく得意先A社に上がります。
日本本社がアメリカ支社から商品を受注し、日本本社がインドネシア工場に発注し、インドネシア工場がアメリカ支社への直送を行うという三国間取引をイメージすると理解しやすいです。
ERPシステムで受発注機能と会計機能が連動している場合、受注登録に基づく発注登録を行った後に仕入先直送登録を行うことで、以下の4つの処理がまとめて実行されます。
- 入荷
- 仕入(材料/債務)
- 出荷
- 売上(債権/材料)
得意先からの返品が発生した場合には、売上返品と仕入返品の2つを実行する必要があります。売上返品のみ行った場合、本来在庫残がないはずの直送用仮想倉庫に在庫が残ることになります。
自社倉庫から支給する場合
有償支給と無償支給の処理の流れは同じですが、外注先に発行するP/O価格には、有償支給の場合は材料費+加工費、無償支給の場合は加工費のみが含まれます。

有償支給を収益認識する際には、外注先からの材料の注文を受け、仕入先への材料の発注登録を行います。材料は自社倉庫に入る場合と外注先へ直送される場合があります。
- 外注先から材料の注文(有償支給の場合)
- 仕入先への材料の発注
材料が自社倉庫に入荷する場合、外注先への賃加工の発注、在庫の引当と外注先への出庫、外注先での加工完了後の入荷処理を行います。この流れは有償支給も無償支給も同じです。
- 自社が外注先へ外注購買発注書(P/O)を発行
- 自社倉庫での材料の引当
- 外注先への材料の出庫指図を発行
- 外注先への材料の出庫実績を計上
- 外注先での支給品使用(投入)実績を計上
- 外注先から外注入荷実績を計上
受払の観点から見ると、内作と外作の違いは以下の通りです。
- 内作の場合:投入実績⇒生産実績
- 外作の場合:支給実績⇒(投入実績⇒)購入実績
有償支給
インドネシアでは、無償支給が収益管理を曖昧にするため、税務署から利益を乗せた有償支給が求められます。有償支給の場合、支給時に売上計上(収益認識)し、加工後の製品を得意先に販売する際に売上が二重計上されないよう注意が必要です。
事例:外注先に材料を120で販売し、加工後の製品を顧客に200で販売する場合、Salesが二重計上される可能性があります。
- 外注先への材料販売
(借) A/R 120 (貸) Sales 120 - 顧客への製品販売
(借) A/R 200 (貸) Sales 200
そのため、支給時(材料販売)には未収金(債権)に計上し、Sales(収益プラス)ではなく材料をマイナス計上し、加工後に買い戻す際に未収金を外注加工費に振替えます。
- 材料購買
(借) 材料 100 Cr A/P 100 - 外注先への材料販売(自社の利益20)
(借) 未収金 120 (貸) 材料 100
(貸) 交付材料差益 20 - 外注作業完了(外注先の利益50)
(借) 外注加工費 170 (貸) A/P 50
(貸) 未収金 120 - 顧客への製品販売(自社の利益30)
(借) A/R 200 (貸) Sales 200
無償支給
メッキ加工やプレス加工などの外注は、サービスの購入(賃加工)に該当します。このため、外注先に対しては、サービスに対する外注購買発注書(P/O)を発行します。外注先への材料引渡しに関しては、仕訳が発生しませんが、外注作業が完了した際には、外注加工費として仕訳を行います。具体的な仕訳例は以下の通りです。
- 材料購買
(借) 材料 100 (貸) A/P 100
- 外注先への材料引渡し
仕訳なし
- 外注作業完了(外注先の利益50)
(借) 外注加工費 50 (貸) A/P 50
- 顧客への製品販売(自社の利益50)
(借) A/R 200 (貸) Sales 200
よくある質問|有償支給と無償支給の違い
本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。
有償支給と無償支給の違いは何ですか?
有償支給は、外注先に材料を販売し、加工後の仕掛品を購入する方法です。無償支給は、材料を外注先に無償で提供し、加工費のみを支払う方法です。両者の会計処理には異なる仕訳が必要です。
有償支給の会計処理で注意すべき点は何ですか?
有償支給の場合、支給時に売上計上(収益認識)し、加工後の製品を販売する際に売上が二重計上されないよう注意が必要です。材料販売時には未収金に計上し、加工後に未収金を外注加工費に振替えます。
無償支給の会計処理はどのように行いますか?
無償支給では、外注先への材料引渡しに関しては仕訳が発生しません。外注作業が完了した際に、外注加工費として仕訳を行います。具体的には、外注加工費を借方に、買掛金を貸方に計上します。

