インドネシアにおける前受金と預かり金の会計処理

2015/10/24

インドネシアにおける前受金と預かり金の会計処理を構造化した図解

顧客からの前金は、インボイス発行時にDown Payment勘定で処理します。そして、顧客からのSurah Terima Berita Acara(受領証明書)をもってSalesに振替えるため、該当月のインボイス発行額(A/R計上額)と会計上のSalesの不一致が発生します。

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この記事でわかること

  • 顧客からの前金はインボイス発行時にDown Payment勘定で処理します。
  • 工事進行基準では受領証明書に基づきSalesに振替えますが、工事完成基準では異なる仕訳を行います。
  • 取引先へのAdvanced Paymentはインボイスなしで支払い、G/Lで管理します。
  • 前払金とA/Pを相殺する際にはオフセット処理を行います。
  • インボイス発行額と会計上のSalesの不一致が発生することがあります。

Deposit(預かり金)とDown Payment(前受金)

インドネシアでアパートの契約や車の購入時には、契約金(Tanda Jadi)が要求されます。これはホテルにチェックインする前にクレジットカードや現金で求められる預かり金(Deposit)を意味し、DP(デーペー)と短縮されます。

インドネシアでサービスを購入する際の預かり金であるDPは、会計上Advanced Paymentに該当し、サービス提供者側から見るとDown Paymentに該当します。Downは「負債を減らす」という意味で、購入者側の視点からの表現ですが、サービス提供者側の会計処理上は顧客に対する負債であり、サービス提供者側への前金の支払いは債権に該当します。

顧客からのDown Payment受領

顧客からの前金は、インボイス発行時にDown Payment勘定で処理し、顧客からの受領証明書(Surah Terima Berita Acara)をもって売上(Sales)に振替えます。工事完成基準(Completion Basis)と工事進行基準(Percentage of Completion Basis)では、仕訳方法が異なります。

  1. 受注価格の50%にあたる前金100のインボイスを発行します。顧客に対しては債権(A/R)が発生し、前金という取引種別をキーに貸方勘定にDown Paymentが記帳されるようにします。
    • (借) A/R 100    (貸) Down Payment 100
  2. 顧客から25%完了の受領証明書を受領します。工事進行基準の場合、以下の仕訳を行います。
    • (借) Down Payment 50    (貸) Sales 50

    工事完成基準の場合は仕訳なしです。

    • 仕訳なし
  3. 顧客から50%完了の受領証明書を受領します。工事進行基準の場合、以下の仕訳を行います。
    • (借) Down Payment 50    (貸) Sales 50

    工事完成基準の場合は以下の仕訳を行います。

    • (借) Down Payment 100    (貸) Sales 100
  4. 顧客から100%完了の受領証明書を受領します。工事進行基準も工事完成基準も同じ仕訳を行います。
    • (借) A/R 100    (貸) Sales 100

前金のためのインボイス発行時にDown Paymentとして計上し、作業が完了した時点でSalesに振替えるため、該当月のインボイス発行額(A/R計上額)と会計上のSalesのアンマッチが発生します。

取引先へのAdvanced Paymentの支払い

取引先へのAdvanced Paymentの支払いは、基本的にDown Paymentの逆パターンの仕訳が発生します。インボイスなしに先にお金を振り込み、サービス受領完了時にまとめて請求を受ける場合、A/Pが発生しないため、会計システムでは一般会計(G/L)で管理します。

  1. 取引先に対して100の前払金を支払います。インボイスの受領がなく債務が発生しないため、G/L上からAdvanced Paymentを記帳します。
    • (借) Advanced Payment 100    (貸) Bank 100
  2. インボイス到着時にA/Pを計上します。前金込みの全額の請求書の受領を持ってA/P計上します。
    • (借) Service expense 500    (貸) A/P 500
  3. オフセット処理を行います。前払金とA/Pを相殺します。
    • (借) A/P 100    (貸) Advanced Payment 100

よくある質問|インドネシアの会計処理

本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。

インドネシアでの前受金の会計処理はどうなっていますか?

インドネシアでは、顧客からの前金はインボイス発行時にDown Payment勘定で処理します。顧客からの受領証明書を受け取った際に、売上(Sales)に振替えます。これにより、該当月のインボイス発行額と会計上のSalesに不一致が生じることがあります。

工事進行基準と工事完成基準での仕訳の違いは何ですか?

工事進行基準では、受領証明書を受け取るたびにDown PaymentをSalesに振替える仕訳を行います。工事完成基準では、100%完了時にのみ仕訳を行い、それまでは仕訳を行いません。

取引先へのAdvanced Paymentの処理方法は?

取引先へのAdvanced Paymentは、インボイスなしで先に支払いを行い、サービス受領完了時に請求を受ける場合、一般会計(G/L)で管理します。インボイス到着時にA/Pを計上し、前払金とA/Pを相殺するオフセット処理を行います。