インドネシアの労働争議と格差社会の背景を探る

2015/10/18

ジャカルタ

会社の利益は資本家のものであり、資本家に還元されない分は再投資または労働者の賃上げにより世の中に還元されていきます。しかし、インドネシアの労働争議では、階級闘争色が強いのが特徴です。これは、同族経営が多いため「会社の利益=収奪」のイメージが強く、シンプルに二元論化されるからです。

インドネシアの労働法と最低賃金、退職金、外国人就労の関係を示す図解

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インドネシアの労働法は2003年に制定され、労働者を手厚く保護しています。オムニバス法は外資参入を促進し、雇用条件を柔軟化しました。sweepingはデモ集団が工場に押しかける行動で、拘束されることもあります。

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この記事でわかること

  • インドネシアでは労働争議が階級闘争として捉えられがちです。
  • 同族経営が多く、会社の利益が収奪と見なされる傾向があります。
  • 高級モールと暴動がインドネシアの階級格差を象徴しています。
  • 労働者の賃上げ要求は景気により変動し、資本主義の課題を示します。
  • 日本とインドネシアでは格差の捉え方や影響が異なります。

インドネシアの格差社会と労働争議の背景|高級モールと暴動が映す階級構造のリアル

私は中央ジャカルタのThamrin City Apartmentに住んでおり、徒歩圏のPlaza Indonesiaのカフェでブログを書くのが日曜の定例行事になっていました。ショッピングモールの難点はビールが飲みづらいことです。酒の強い人は平気でしょうが、私はコップ一杯で赤くなるので、酔っぱらいと思われるのがカッコ悪いですし、エアコンの効いた屋内でのビールは至福度が半減します。

モール建設ブームが一巡した頃には、ジャカルタには多くのモールが立ち並び、週末の人の流れも分散していました。それでもPlaza Indonesia、Plaza Senayan、Pacific Placeの三つは、ジャカルタの3大高級モールとしての地位を確保しています。

Plaza Indonesia
プラザインドネシアのブルジョア感溢れる中央吹き抜けのカフェ

サッカーのサポーターによる車破壊騒ぎの影響か、大統領杯決勝での大騒ぎを予測してか、モール内はいつもより閑散としていました。スナヤンでのサッカー試合で暴徒化したサポーターの映像がテレビで流れていましたが、高級モール内のBakerzinで家族連れで食事している富裕層にとっては、モニター越しの騒ぎは下界の喧騒程度のものでした。

インドネシアは格差社会であると感じます。日本での格差社会は年収格差や年金の世代間格差など暗いイメージがありますが、インドネシアの格差社会は労働階級とブルジョアジー間の階級闘争色が強いです。経済成長で中間層が厚くなっていますが、経済が停滞すると過激な事件が起こります。

景気が悪くなると過激な破壊活動が増えるのは歴史が証明しています。インドネシアでは労働者の権利が手厚く保護されていると言われますが、会社法や労働法に則して考えると、退職金の規定が法外であるものの、他国に比べて特別に労働者が過保護というわけではありません。発展途上国にはありがちですが、インドネシアの場合も企業はオーナー同族経営が多いため「会社の利益=収奪」のイメージが強く、シンプルに二元論化しがちなのかもしれません。

事例:ジャカルタでは、サッカーの試合後にサポーターが暴徒化し、モール内が閑散とする事態が発生しました。

要点:経済が停滞すると、社会の不満が暴力的な形で表れることがあります。

企業利益と労働者の賃上げ要求の現実|資本主義社会における階級格差の本質とは

世の中には労働者、経営者、資本家が存在します。一般的に庶民は労働者に該当します。会社の利益は基本的に資本家(投資家)のものですが、状況に応じて以下の選択が行われます。

  1. 投資家に還元
  2. 再投資にまわす
  3. 労働者の待遇アップ
  4. 何もしない

景気が良いときは「溜め込んだ金を分配しろ」という理屈が通りますが、景気が悪化し会社の資金繰りが苦しくなると、賃上げ要求が続き、資本金を取り崩して賃上げしろという要求が出ることもあります。ここでは複式簿記の理論は通用しません。

一方、教育水準が高い労働者はビジネスを持ったりアパートを賃貸して副収入を得ていることが多く、専業労働者が主流の日本人よりもファイナンシャルプランに関する意識が高いようです。

日本では世代間、勤務先企業間、地域間、母子家庭かどうかでの格差が問題になっています。国が経済成長し先進国に近づくほど、資本家と労働者の階級間の絶対的貧困よりも、中間所得層内での相対的貧困が拡大し、社会問題となる傾向があります。

事例:大統領杯決勝Persib(バンドゥン)vs Sriwijaya FC(パレンバン)はPersibが勝利しましたが、スナヤン近辺では暴徒が暴れ、逮捕者が数百人出ました。表彰式に当時のジョコウィ大統領が出席していたことから、日頃の鬱憤を大統領へ直訴する形になったのでしょう。

要点:資本主義下では企業利益と賃上げ要求が衝突しやすく、不満は労働争議や暴動として表面化することがあります。