集客のためのサービスサイト構築(またはリメイク)では、まず最初にコンセプトを確定してからサイト設計を行いますが、これは起業時に企業理念を確定し、ビジネスモデルを文章化していく作業に似ています。コンセプトを決めるということはサイトのタイトルを決めるということ、すなわち会社名の決定に該当する重要な作業です。 インドネシアのSEO集客サイト インドネシアでもブログやサイト構築に利用されるWordPressは世界の全WEBサイトの38%、CMS(コンテンツマネージメントシステム)市場では63%を占める圧倒的なシェアを誇っており、HTMLやCSSなどの知識のない人でも簡単に集客WEBサイトの構築が可能です。 続きを見る
コロナ禍後の非対面取引時代を見据えて始めた集客サイト構築サービス
2020年4月頃から、インドネシアでも新型コロナウィルス感染拡大が広がり、弊社の顧客である製造業様からのIT案件が激減し、対面営業もままならなくなったことで、来るべき非対面取引時代を生き残るための新サービスとして、企業の集客装置となりうるサービスサイト構築の営業を始めたのが7月半ばだったと記憶しています。
対面型のフィールドセールスが難しくなるという環境の変化はすべての企業にとって同じであり、そうだとすればオンラインベースのインサイドセールスの重要性が益々高まり、当然ながらオンラインでの集客によるリード(見込み顧客)獲得が不可避になり、そのための集客装置としてのWEBサイトのニーズが高まると考えたわけです。
WEB集客のためのサービスサイト構築は、経験に基づくSEOに関する知識が重要になるとはいえ、企業での実務経験がなくとも、WEBや書籍で勉強した知識や、趣味のブログ運営の経験などがあれば、とりえあず「新サービスはじめました」と宣言できるという点で、ある意味「言ったもの勝ち」のサービスなので、比較的参入する敷居は低いと言えます。
趣味として長年やってきたWEBサイト構築やブログ運営の知識をフル活用していくわけですが、SEO専門会社ほどの経験と実績がない今、当面は低価格を謳って実績を積み上げていく戦略を取る予定であり、ありがたいことに既存取引企業2社様から案件をいただき、無事納品させていただきました。
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インドネシアで感じた検索エンジンとアルゴリズムの変遷
WEBサイトの爆発的増加により検索エンジンはディレクトリ型からロボット型が主流となり、度重なるアルゴリズムのアップデートによりSEO対策は難しくなっていますが、Googleが目指すところは読者満足度の高いサイトを上位表示させることで検索エンジン自体の満足度を高めることです。
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具体的には既存サイトの再構築作業と言えるものでしたが、実際に他人が構築したサイトの再設計、他人が書いた記事のリライト作業などをやってみると、WEB上で検索できるSEO集客サイト構築に関する情報とは若干異なる苦労がありました。
ゼロからの案件ではなく既存サイトの再構築のためのサイト設計
業務システム開発において、データベースのテーブル設計がシステムの出来不出来に大きく影響するのと同じように、集客WEBサイトの構築ではサイト設計が非常に重要であると言われます。
サイト設計とはWordPressを使う場合には、狙った検索キーワードをもとにカテゴリ分けを行い、記事タイトルを考えていく作業だと理解していましたが、実際には既に未整理状態の既存記事が100個以上存在するため、サイト設計の中にうまく入れられない「あぶれ記事」が全体の20~30%ほども出てきてしまいました。
本来であればサイト全体を支える柱としてのまとめ記事を先に書いてから、個別記事に内部リンクを貼るべきなのかもしれませんが、リメイクの場合は記事ありきの状態からはじめますので、「あぶれ記事」が発生するのは仕方のないことかもしれません。
このような内容的には専門性が高くすばらしい記事なのに、狙った検索キーワードに合わない記事は、主要記事との間で内部リンクも貼れないため、考えた末にPDF化してホワイトペーパーとしてダウンロードしてもらうようにしました。
Google検索で上位表示されるのが、大企業や政府関連組織などの権威性の高いサイトが優先される中で、関連記事間に内部リンクを貼り、トピック(キーワードの上位概念)単位にクラスターを形成し、その中心にまとめ記事(ピラーページ)を置く施策が、この数年のSEOのトレンドと言われていますので、無理やり内部リンクを貼ることは極力避けるべしと判断したからです。
ここで悩んだのが、上述のトピッククラスター化はカテゴリを細分化することで形成されるべき(カテゴリが増えすぎないように)なのに、WordPressのテーマには回遊率を上げるため「関連記事の表示」という便利な機能があり、これは同一カテゴリに属する記事を無作為に表示してしまうため、トピッククラスターの外に内部リンクが漏れてしまうことでした。
これを回避する方法としては「関連記事の表示」機能を使わないか、カテゴリ単位にトピッククラスターを形成するかになりますが、今回の案件では比較的ニッチな分野のサービスサイトであったため、カテゴリをトピック単位に分けてもカテゴリ数は7つ程度に収まりました。
サイト設計として具体的に行った順番は以下のとおりです。
- 既にあるコンテンツの中から使えるものと整理するものを仕分け
- 全体構成の決定(サービス紹介・事例紹介・資料ダウンロード・ブログというサービスサイトの鉄板構成)
- Ubersuggestとラッコキーワード(関連キーワード取得ツール)を使って検索キーワードの選定とカテゴリ化
- 関連しないキーワード記事のホワイトペーパー化(PDF化)
- 既存記事URLから新記事URLへのリダイレクト設計
戦艦としてのまとめ記事(ピラーページ)と護衛艦であるクラスター記事を内部リンクで繋ぐことで、関連トピックという標的に攻め込んでいくイメージなんですが、ネット上で参考にしたほとんどの記事には理論体系はあっても定量的な実証結果が記載されていないので、具体的なSEO効果については、現在弊社サイトで実験中です。
コンセプトの確定が非常に重要
お客様が既存サイトのリメイクを検討する場合、当然ながら現状のサイトに問題があるため、それを変えたいという目的があるわけで、その目的を達成するために、どのようなサイトにしたいかというコンセプトを確定する必要があります。
サイト構築という場合、どうしてもSEO上の技術的な話に注目しがちですが、それ以前にコンセプトが重要であるということ。コンセプトが決まるまではサイト設計の作業は始めてはいけないということです。
コンセプトとは会社でいう企業理念、不変の基本的価値観であり、サイト設計は企業理念をどのように実現し利益を上げていくかを表すビジネスモデルに該当するものです。
そして重要なこととしてコンセプトが決まるとは、具体的にはサイトのタイトルが決まるということであり、これは会社名が決まることに該当します。
そして企業イメージを醸成するためのブランド戦略にあたるのがサイトのUI/UX設計であり、WordPress利用する場合、サイトのレイアウトは既存テーマの良さを最大限に生かしながら、記事の写真や文字のフォントをデザインの重要な要素として生かしていくことになるので、コンセプトに合ったテーマを選ぶことが出来れば、既存記事のリライト、アイキャッチとして使用する写真の選定を迷いなく進めることができます。
いくらSEO上の技術的な話が的を得ていたとしても、発注企業の担当者が上長に説明をする上で、最もインパクトが強いのが「見た目」であり、全体的に笑顔が欲しい、アジアの躍動感が感じられるようにしたいなど、上層部から出てくる直感的なイメージは、当然ながら最大限尊重する必要があります。
コンセプトが決まればそれに合ったテーマをいくつか提案できますが、お客様から要求されない限り凝ったデザイン、凝った機能は不要であり、最大の目的である集客を達成できるテーマ、訪問者が快適に回遊できるUI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)を備えているテーマを提案することになります。
集客WEBサイトでは、訪問者が自社プロダクト(サービス)に興味を持ち、お問い合わせしてもらう(コンバージョンする)ことが最終目標となるため、そのためには現時点ではWordPressの利用がベストプラクティスであることは疑いのない事実であり、大幅なデザイン変更や機能追加のために開発工数がかかるのは別の類の案件になります。