インドネシアでの多地域・多言語WEBサイトの作成方法

2021/01/12

インドネシア

多言語サイトのページを言語別に特定の地域にターゲニングするにはドメインとしてジェネリックトップドメインを選び、言語コードのサブディレクトリでURLを分け、hreflang属性に言語コードを指定し、GoogleサーチコンソールのインターナショナルターゲティングでURLと国をマッピングします。

ジャカルタのファタヒラ広場

インドネシアのSEO集客サイト

インドネシアでもブログやサイト構築に利用されるWordPressは世界の全WEBサイトの38%、CMS(コンテンツマネージメントシステム)市場では63%を占める圧倒的なシェアを誇っており、HTMLやCSSなどの知識のない人でも簡単に集客WEBサイトの構築が可能です。

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WEBサイトの多言語化

WordPressで制作したWEBサイトを多言語化するプラグインには、有料または無料のものがいくつかありますが、記事の管理方法として主に2種類に分けられます。

  1. 日本語記事とインドネシア語翻訳記事を1つの投稿で管理するもの
    ⇒WPML・Bogoなど
  2. 日本語記事とインドネシア語翻訳記事を別の投稿で管理するもの
    qTranslate Xなど

当初弊社サイトは2番目のタイプのqTranslate Xを使いましたが、途中から1のタイプのWPML(WordPress Multilingual Plugin)に乗り換えた経緯があり、両方のタイプを使ってみた感覚としては、言語別に別投稿に分かれているWPMLのほうが管理が楽だと感じます。

ページを言語別に特定の地域をターゲットにする方法

WEBサイトは言語別にどの国へ表示させたいかをGoogleに明示する必要がありますが、基本的には上記の多言語化プラグインを導入することで実装できます。

言語の判別

Google検索セントラルのディベロッパー用ガイドの中で異なる地域をターゲニングする方法が4種類提示されていますが、運用コストの安さや導入のしやすさから「https://bahtera.jp/id/」のように言語コード(ISO639-1)別のサブディレクトリで分ける方法をお勧めしています。

Googleの検索エンジンに対して言語別URLの明示

ページのlinkタグ内のhreflang属性の値として言語コードを指定し、href属性の値としてURLを指定することで、Googleに対してページの言語別のURLを宣言する必要があります。

<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://bahtera.jp" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://bahtera.jp/en/" />
<link rel="alternate" hreflang="id" href="https://bahtera.jp/id/" />

プラグインの機能で上記2つを実装し、Googleサーチコンソールの「インターナショナル ターゲティング」で、地域と言語設定に基づいたターゲット ユーザーの設定をすることにより、Googleは自動的に該当言語を使用する国に対してターゲニングするようになります。

ただしここで指定できるのはドメインが「.com」などのジェネリックトップレベルドメインの場合のみであり、弊社サイトのように「.jp」といった国別コードトップレベルドメインの場合は、プロパティ(URL)別のターゲニング国の指定が出来ません。

(2021年1月追記)
最新版のGoogleサーチコンソールでは、「インターナショナル ターゲティング」機能が付いておらず、「以前のツールとレポート」の中に残っているリンクからアクセスします。単に最新版への機能移行作業が遅れているのか、地域ごとの検索表示結果はサイトオーナーによる地域ターゲニングよりも、Googleアルゴリズムの判断を重視していく方針であるのか現時点では不明です。

多言語化サイトに合ったトップレベルドメイン(TLD)の選択

プラグインで実装したサブディレクトリの言語コードで指定しているのは地域ではなく言語であり、本来URL上で直接ターゲニングする地域を指定できるのは国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)しかなく、Google検索セントラルのディベロッパー用ガイドにも、「国別ドメインは地域ターゲティングが明確」と記載されています。

弊社サイトの「.jp」は基本的には日本に向けた情報発信のためのドメインであり、実際のところセッション数(特定の期間にウェブサイトで発生した一連の操作≒訪問数)全体の75%は日本からのアクセスが占めていますが、インドネシア国内からのアクセスが15%あることから考えると、検索表示順位にとって地域ターゲニングよりもコンテンツの内容が重視されていることが分かります。

国別ドメインが日本「.jp」の弊社サイトの場合、訪問者の75%が日本からで、15%がインドネシア国内からです。企業からの訪問が多いため使用デバイスはパソコンが8割近くを占めます。

よってインドネシア国内のインドネシア人向けた情報発信を目的とした多言語WEBサイトの構築の場合、お客様に取得していただくドメインは、ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)である「.com」を推奨しており、今後Googleサーチコンソールので地域と言語設定に基づいたターゲット ユーザーの設定の重要度が増えるにせよ減る(最新版のメニューにはまだ実装されていない)にせよ、インドネシア国内から検索してもらえるようなサイト設計とコンテンツ作成が重要になってきます。