バリ島は非日常か日常の延長上か

2015/09/29

バリ島

バリ島は外国人にとって言語も宗教も風俗も異なる非日常的空間ですが、ローカル観光客にとっては仕事で疲れた心身をリフレッシュするための日常生活の延長上のオアシスの位置づけであり、旅行の楽しみ方も違ってきます。

ジャカルタへの引越しが近づいて慌しかった時期(Mixiからの転載)

うちの犬達が妙に切ない声を出すと思ったら、今日は朝からなんにもあげてなかった・・・水も食料も。

今急いであげてきました。超興奮してました。お詫びのしるしに普段はおわん2杯分のドッグフードを1杯分増量+カルシウム1錠追加+ノンカロリー牛乳+さっき食べたインドミーのスープ付きのスペシャルメニューです。こんな時間にたくさん食べて大丈夫かな?

dog朝から売れ残りの絵画の売却交渉、広告掲載、銀行などなど雑用が続き、帰ってからハードディスクの状態が悪化するまで次の仕事の準備。

毎日とにかく忙しくすっかり犬達と遊ぶ暇がありません。みんな海が大好きで近くのパダンガラックのビーチに連れていくと大喜びなのですが・・・・

本当にごめん、申し訳ない。ただ俺もこれからの生活かかっているから・・・・勝負時なのよ、今は。

ということでようやくファイルのバックアップが終了。明日朝一でPC屋に持っていけばなんとか夕方出来上がるかな?ハードディスク本体と作業量込みでたぶん60万ルピアくらい取られそう・・・。まあ自分でやるよりはいいか・・・。

金運をもたらすという言葉を信じて3年半、ひたすら待ち続けていたが、結局大きな金運をもたらしてくれなったアロワナ君達は昨日無事に引き取られていきました。

dogまあ金運うんぬんは半分冗談で動物飼育が好きなので飼っていたわけですが、魚とはいえ3年半も飼っていると情が移ってしまうもの。

つらい選択でしたが、これまで僕が「売りたし」広告を出すたびに暴れだす彼らが今回は全くおとなしかった。観念したのか、僕の経済状況を察してくれたのか、新しい飼い主が気に入ったのか、理由はわかりませんが、いつものようにリビングの中央でダイナミックな水しぶきを立ててお互いに威嚇し合っていた体長50cmオーバーのアロワナ君達が居ない初めての夜です。

大きな水槽がなくなった後のリビングはやたらと広く・・・(泪)

とにかく長い間ありがとう。サヌールで幸せに暮らしてくれ!!!。今日は昨日の水槽積み込み作業の影響で手足と腰がガクガクです。

インドネシアに来て10年目(Mixiからの転載)

インドネシアに来てから10年も経ってしまった訳だが、そのうち の半分以上の期間をバリ島で嫁さんと犬たち魚たちと暮らしてきました。傍目からみると結構楽しそうに見えるかもしれませんが、実際バリ島で仕事して生活するのって結構大変です。

もちろん楽しいこともたくさんありますが、そこにいたる過程では結構涙ぐましい努力してたりします。

日本で転職先をさがしている最中に偶然Being(まだあるのか?)の中にあった「インドネシアで夢を」という言葉にやられてしまったのですが、当時こんなに長く居つくとは想像していなかったような、何も考えていなかったような、この国に関する予備知識もほとんどなかったのに、何故か期待だけで胸いっぱいで一抹の不安すら感じなかった当時の自分は、今考えるとほんと軽率で無謀で良く言えば怖いもの知らずだったと思います。

dog

僕は学生時代にインドにハマってしまい長期休みの間はほとんどインドにいました。僕の感じたインドはとにかく汚くて人がいっぱいいて常に周囲の人間から干渉される疲れる国、インドが好きでなんども長期滞在しながらも「自分はここで生きていくのは絶対無理や」と断言せざるを得ないほどタフな国に感じられました。

それでもアジアの国々のなんともいえない熱気に魅かれ将来はアジアで仕事をしたいとおぼろげながら考えていました。

就職活動の際、会社を選ぶ基準も単純明快。将来アジアで仕事ができそうな職種。会社から駐在で行くとかいうのではなく、自分の意思で働く場所を選択できるような仕事。

文系でもやっていけそうな専門職っぽい(当時「手に職がつく仕事」といのがはやっていた)仕事となるとおのずとシステム系に限られてきます。

選んだ会社は当時次々と不正が発覚し、まちがいなく数年後には倒産、もしくは他社に吸収されると言われていた某大手銀行の子会社。

くしくも僕は大学で金融のゼミに所属しており、ゼミ活動の持つ就職のための手段という側面からすると「いったいゼミで何を勉強してきたんだ」といわれかねない最悪の選択である。つぶれかけの銀行のしかも子会社とは。

yamaただこの会社は説明会の時から雰囲気が良く、人事担当者とも妙にウマがあったので、初心者がシステムの仕事を始めるにはうってつけの会社だと思えました。

やっぱり第一印象はとても大事だと思います。就職氷河期と言われた時代に周りの同期が大企業内定を求めて奮闘している最中、僕はあっさりとこの会社に内定を決めて就活をやめて、またさっさとインドに行ってしまいました。

今考えると、周りと違った行動を取ることをかっこいいとすら思ってしまう、かなり斜め上をいくイヤな奴だったかもしれない。たぶん読んで影響された本がまずかったんだろうなあ。

インドネシアの一つの時代の終焉(Mixiからの転載)

昨日の午後、インドネシアの第2代大統領スハルトが逝去された。今日もTVでは生前の様子と葬式の様子を織り交ぜた特番を流し続けています。

僕がインドネシアに来たときはまだ現役の大統領だっただけに、ちょっと感慨深い?ものがある。大統領の職を辞してからわずか10年で死んでしまったという事実に、人間の寿命がかくも短いものかと一抹の寂しさを感じてしまいます。

97年から98年は激動の時代だった。町中がデモ隊であふれ、装甲車がメインストリートを行きかう中、人々は普通に生活し普通に仕事をしていました。

だがインドネシアに来たばかりの私にとっては十分すぎるほど刺激的な日常であり、今思えば無茶としか思えないようなことも平気でやったものだ。デモ隊と警察隊のにらみ合いの見物中に突然警官隊が実弾発砲し、抱えていたノートパソコンで頭を隠しながらビルの裏に逃げ込んだこともあります。

128死人に口なし、とはいうものの、スハルト大王の死後に次々とスキャンダラスなニュースが出てくる。まわりにもそれをゴシップとしてネタにする人が多いようだが、死者に鞭打つような言動はいかがなものかとも思います。いずれにせよ、それだけ存在感の大きかった人物であったということか。

下衆な話だが財産相続問題が気になるところ。国庫返還なんてことはないだろうね。なにはともあれ合掌。

先週からバリ島はガルンガンとクンニガンという日本でいう盆にあたる時期(たぶん)で銀行や郵便局が休日だったり半休だったりと非常に不便です。

引越し前の身辺整理においてはこの手の公共機関にやたらと用事があるのだが、仕事がはかどらないったらありゃしない。やっと開いたと思ったら、ネットワーク障害で受付不可能ってどういうことよ・・・。

インドネシアでの鳥インフルエンザの死者が100人を超え、これが世界最多らしい。ジャカルタでもらった風邪が悪化しここ3日ほどまともに声が出ない私としては少々気になるところ。まあ高熱が出ていないので大丈夫だとは思いますが・・・。

愛犬ミンミンの死(Mixiからの転載)

バリ島生活もあと2週間というときに、一つの時代が終わることを暗示するような象徴的な出来事が発生しまし た。最愛の愛犬ミンミンが突然死してしまったのです。

ミンミンほんのさっきまで元気に昼飯食っていたかと思うと、突然の絶命・・・。

原因は毒ヘビによる食あたり。 ヘビやとかげやヤモリなど爬虫類系を捕まえて食ってしまうという奇特な趣味をお持ちでしたが、これまで絶対に食べなかった黄色いまだら模様の毒ヘビを何故 か食ってしまった。

新しい飼い主探しをしている最中でした。いつも我々の足元でグデッーっと寝そべっているだけかと思いきや、ちゃんと話 を聞いていたんですね。我々の手を煩わせる前に自分ひとりだけ逝ってしまったわけだ。

ミンミンはメスだけどなんとも日本の侍を思わせる潔い死に方。おかげで悲しいというよりも、その死に方に感動してしまい、ほとんど心が痛まなかったよ。

自宅前のマンゴーの木の下に埋葬してから1週間、いまだに異臭も発しません。肥満気味だったので、埋葬したとはいっても相当な死臭が出そうなものなのに・・・。

最後の最後まで我々に迷惑をかけたくないんだろうなあ。ホント、かっこいいよ。キミはあの世に行ってしまっても、我々の心の中にずっと生き続けている。僕もいつかそっちに逝くことになるわけだが、そのときは好きなだけパダンガラックのビーチで一緒に走り回ろう。

ローカル観光客と外国人観光客

ジャカルタはビジネス都市なので主に国内需要に応じて都市の景観や都市機能も変化しますが、国際的観光地であるバリ島も、実際のところ国内旅行者の数が去年は690万人以上あり、海外からの旅行者370万人に比べても圧倒的に多いです。

日本人がバリ島に求めるものはスパやマッサージなどの癒しであったり、マリンスポーツであったりしますが、一番大きいのは日本と違う異文化の雰囲気を楽しむことであり、一言で言うと「非日常」だと思うのです。日本人は基本無宗教ですから、ヒンドゥーという宗教信仰があるということ自体が大きなカルチャーギャップであるわけです。その土地の文化は宗教を大きく反映しますからね。

一方でジャカルタのインドネシア人がバリ島に求めるものも基本は同じ路線上にありますが、インドネシア人は必ずイスラム教かキリスト教(クリスチャンまたはカトリック)か仏教かヒンドゥー教のどれかを信仰する義務がありますので、カルチャーギャップは日本人ほど大きくない。言葉も共通語のインドネシア語が通じますので、ジャカルタの人間にとってバリ島は「日常の延長上にあるオアシス」という位置づけです。

その人にとって「非日常」か「日常の延長上のオアシス」のどちらかを判別する指標としてはスマホを使う頻度を見ると判りやすいです。ジャカルタからの旅行者にとってバリ島は「日常の延長上のオアシス」ですので、ホテルの朝食中にスマホでメールの返信をすることに対して「せっかくバリ島に来ているのにスマホばっかり触らなくてもいいのに」と咎めるのはナンセンスなわけです。

ジャカルタの旅行者がバリ島に対して「癒し」を求めていたとしても、日本人が求めるような気合の入った「癒し」ではなく、その3歩手前くらいのゆるいレベルの「癒し」ですから旅行の楽しみ方自体が違って当然です。

で、外国人旅行者の主流はオーストラリア人と中国人であり、日本人旅行者はかつて30万人を超えていた2007年頃に比べて20万人前後にまで落ちてしまいました。バリ島全体の観光客は増えていますので、バリ島の問題というより日本の国内事情が影響していると思います。今回も日本人観光客かと思いきや聞こえてくるのは中国語、という場面が何度もありました。

日本人のバリ島旅行者がピーク時の3割、4割減まで落ち込んでいる原因ですが、日本人がバリ島に飽きてしまったからとか、国内景気が停滞して旅行に行く余裕がなくなったとか、長い休みが取りにくくなったので近場の台湾や中国にシフトしたから、とかいろいろな説がありますが、僕の勝手な推測ではここ数年のイスラム過激派による中東やアフリカでのテロの影響でより安全志向が働いているからではないでしょうか?

「連休はハワイに行く」と言っても誰も心配しませんが「バリ島に行く」と言えば、世界的な観光地であるとはいえ「インドネシア、治安は大丈夫なの?」という心配がどこかで聞こえてきそうです。バリ島とはいえ、やはりインドネシアと言えばイスラムのイメージがありますし。。。

直行便が少なすぎるからという説もありますが、行く人が少ないので結果として直行便がガルーダのみになった、というのが自然かと思います。

時代と共に変化し続けるバリ島

かつてバイパスにあった家具屋のギャラリーなどが消え随分と空き地や空家が目に付きましたが、これはバリ島が不景気ということではなく、スクラップアンドビルドの変化の過程であり、新しく建てられる建物はモダンで規模が大きいものが多く、これからのバリ島は「神々の棲む島」という神秘性よりもハワイのように一ランク上のリゾート地へ脱皮していくのかもしれません。

古いものが新しいものへと形を変えていくのが時代というものですから、「昔ながらの古き良きバリ島が失われていく」という面もあるにせよ、観光地という性格上旅行者の需要に応じて変化していく、これが時代が求めるニーズだと考えるのが自然かと思います。