2020年時点で、ジャカルタの洗車屋の相場はRp.40,000~Rp.50,000です。オフィスや洗車場の賃貸料、作業者の給料、水道光熱費などを考慮し、1日あたり何台洗車すると利益が出るのかを計算しました。
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この記事でわかること
- ジャカルタの洗車屋の相場は2020年時点でRp.40,000~Rp.50,000です。
- 洗車屋の1日の最大処理能力は104台で、利益を出すには1日平均56台の洗車が必要です。
- 洗車の工程は汚れ落としと拭き取りに分かれ、各工程のサイクルタイムは約4.5分です。
- インドネシアでは年間売上がRp.4.8Milyar未満のビジネスに1%の外形標準課税が適用されます。
- 洗車ビジネスの固定費には人件費や店舗賃貸料が含まれ、これを抑えることが利益向上の鍵です。
日曜午前中の洗車屋の状況
ジャカルタでは、4月から9月が乾季、10月から3月が雨季です。雨季が明けると、車の汚れが目立ちにくくなり、洗車の頻度も減ります。特に白い車は汚れが目立ちやすく、頻繁に洗車が必要です。私はCidengの洗車屋で、アメリカMeguiar's社のシャンプーを使ったRp.50,000のコースを選んでいます。
事例:3.11東日本大震災の日、Cikarang EJIP工業団地では雨が降っていました。ラーメン38で昼食をとっていたとき、NHKのニュースで田んぼを濁流が縦断する映像が流れ、衝撃を受けました。当時の車はAvanzaの黒で、汚れが目立ちにくかったのですが、白に買い換えてからは汚れが目立つようになりました。
- 普通のシャンプーで車内の掃除機かけなし Rp.30,000
- 普通のシャンプー+車内の掃除機かけ Rp.40,000
- Meguiar's社シャンプー+車内の掃除機かけ Rp.50,000
この洗車屋には、左側に汚れ落としの作業スペースが6台分、右側に拭き取り&掃除機用のスペースが6台分あります。作業担当の兄ちゃん達8人、ADMINの女の子2人、車の移動担当1人の計11人で運営しています。しかし、ホースが2本、掃除機が1台しかないため、効率的に作業を進めるのは難しいです。朝8時過ぎから夕方5時まで、0~2台の汚れ落としと0~3台の拭き取り&掃除機作業を行っています。
洗車サービスの工程の作業能力

洗車は大きく分けて汚れ落とし工程と拭き取り工程に分けられます。汚れ落とし工程には①水をかけて②泡で磨いて③水ですすぐという手順がありますが、作業スペースは4台分あってもホースが2本、作業員が2人しかいないため、同時に作業できるのは最大2台分です。
拭き取り工程には①ボディ拭き取り②車内掃除機かけ③車内拭き取り④タイヤワックスという手順がありますが、作業スペースは5台分あっても掃除機が1台、作業員が6名(1台あたり2名で作業)しかいないため、掃除機をうまくやりくりしても同時に作業できるのは最大3台分です。
- 汚れ落とし工程(作業員2名で必要資源量1名/台・ホース2本、移動は移動担当者1名/台)
- 作業時間10時43分~10時50分⇒7分間
- 待ち時間10時50分~10時54分⇒4分間
- 拭き取り工程への移動⇒1分間
- 拭き取り工程(作業員6名で必要資源量2名/台・掃除機1つ)
- 作業開始10時55分~11時6分⇒11分間
- 後始末11時6分~11時7分⇒1分間
- 呼び出し・支払い・退店11時10分⇒3分間
汚れ落とし工程では7分間に最大2台仕上げる能力があり、1台あたりの作業時間は3.5分です。拭き取り工程では11分間で最大3台仕上げる能力があり、1台あたりの作業時間は3.6分です。汚れ落とし工程の待ち時間と拭き取り工程の呼び出し・支払い・退店にかかる時間中には、バッファスペースで次の車の作業を開始しています。これは外段取と考えた場合、各工程のサイクルタイムは以下のようになります。
- 汚れ落とし工程サイクルタイム:作業3.5分+移動1分=4.5分/台
- 拭き取り工程サイクルタイム:作業3.6分+後始末1分=4.6分/台
その結果、両工程のサイクルタイムがおおよそ一致しており、洗車屋の資源(作業員・ホース・掃除機)がうまく配置され、工程間のバランスが取られていることがわかります。
事例:ある晴れた日曜日の午前中、自分の車が洗車されるのを眺めながら、作業時間を計ってみました。
要点:仮に1ヶ月稼働日30日間、1台あたりの洗車ライン全体のタクトタイムとして、大きい数字である拭き取り工程の4.6分/台を採用した場合、想定人員体制でフル稼働してさばくことができる1日あたりの最大台数は以下のとおりです。
- 1日の最大稼働時間:9時~17時半まで8時間=480分
- 稼動時間480分÷タクトタイム4.6分=104台
変動費と固定費から損益分岐点を計算
この洗車屋が1日に処理できる車の台数は104台と算出されました。洗車にかかる変動費は主に洗剤やWAX等の費用です。
- 洗剤代=Johnson Rp.28,000/800MLの場合、1台あたり80MLとして10台分 Rp.28,000÷10台=Rp.2,400
- 製造変動費(掃除機の電気代)は固定費に含める
洗車ビジネスの原価の多くは固定費です。給料は2017年3月時点のジャカルタのUMK(最低賃金)Rp.3,355,750を基に想定され、店舗が賃貸か所有かで計算結果が変わります。
- 水道代・電気代(井戸水ならポンプの電気代) おおよそ2.5juta
- 人件費
- 作業員:4juta x 8人=32juta
- ADMIN:4juta x 2人=8juta
- 移動担当:4.5juta x 1人=4.5juta
- 店舗賃貸料(所有の場合はなし) おおよそ月15juta
洗車サービスはRp.30,000、Rp.40,000、Rp.50,000の3コースがありますが、今回はRp.40,000コースのみを売上に計上した場合の限界利益は以下の通りです。
月の固定費合計62jutaを回収するための損益分岐点は以下の通りです。
月30日稼働とすると、1日平均56台洗車して利益が出ます。繁忙期の日曜日に104台洗車できることを考慮し、平日の閑散期や雨天時のリスクを60%に平準化しても1日62台です。大きな利益を得るには、人件費や店舗賃貸料などの固定費を抑えることが重要です。
税金の話
インドネシアでは、年間売上がRp.4.8Milyarに満たない法人や個人は、利益に関係なく売上に対して1%の外形標準課税(Pro forma perpajakan standar)が課されます。このため、大通りに面した目立つ場所で商売をしていると、税務署の目に留まる可能性が高いです。
1,675台xRp.40,000x1%=Rp.670,000
この外形標準課税が売上(Pendapatan Kotor)に対してかかる理由は、小規模ビジネスでは会計処理のシステム化が遅れており、迅速に正確な利益(Pendapatan Bersih)を算出するのが難しいためです。そのため、売上に対する1%という簡素化された方法が採用されています。
ちなみに、インドネシアの法人税は一律で課税所得に対して25%です。仮に利益率が10%の会社が25%の法人税を納税する場合、売上に対する比率に換算すると2.5%を支払うことになります。
売上x10%x25%=2.5%
ただし、所得税以外に本来計上すべきPPN付加価値税(Pajak Pertambahan Nilai VATのこと)10%については、年間売上がRp.4.8Milyarに満たない法人や個人の場合、売買時に計上する必要はありません。