単語が音で繋がると表示された文字と発音が違ってくる【英語と日本語とインドネシア語の比較】

日本語より英語のほうが簡単だと言うインドネシア人の言い分

「インドネシア語は世界で一番習得しやすい言語だ」と言われるだけあって、日本人にとって英語よりもインドネシア語のほうが簡単であることは、インドネシア在住日本人の多くが短期間でインドネシア語会話が出来るようになるという事実からも明らかです。

そしてインドネシア人にとってはカタカタ・ひらがな・漢字という全く異なる文字を使う日本語に比べて、同じアルファベットで書かれる英語のほうがより習得しやすいであろうことは、容易に想像できます。

平均的な日本人とインドネシア人の英語能力を比較した場合、インドネシア人の圧勝であることは残念ながら否定しようのない事実ですが、その理由は子供の頃からテレビやラジオで英語に親しんできたという理由以外に、インドネシア語の構造そのものにもあります。

英語は基本5文型で構成されますが、インドネシア語もこれに近い構造をしているのが、インドネシア人が英語のほうが簡単だと感じる最大の理由です。

  • 第一文型:S+V(私は笑いました。)
      • 印:Saya tertawa.
      • 英:I laughed.
  • 第二文型:S+V+C(私は先生です。)
      • 印:Saya adalah guru. 名詞文あるいは同定文であり第二文型とは言えないがまあ近いと言える。
      • 英:I am a teacher.
  • 第三文型:S+V+O(私は本を持っています。)
    • 印:Saya punya buku.
    • 英:I have a book.
  • 第四文型:S+V+O+O(彼は私に本を買ってあげました。)
    • 印:Dia membelikan saya buku.
    • 英:He bought me a book.
  • 第五文型:S+V+O+C(私はこの猫にニョニョンと名づけました。)
      • 印:Saya menamai kucing ini Nyonyon. 『menamai』という動詞、あまり使わないがちゃんとあります。
      • 英:I named this cat Nyonyon.

同じアルファベットを使い、基本5文型に則り、子供の頃から聞きなれているとくれば、インドネシア人が英語の習得は早いのもうなずけます。




発音の変化が英語を難しくしている

しかしこれほどまでに抜群の相性を持っているインドネシア語と英語ですが、一部のインドネシア人に「いや、日本語よりも英語のほうが難しいだろ」と言わしめるほどの英語の難しさというのがあります。それが発音(pengucapan)です。

日本語もインドネシア語も書かれたとおりにローマ字読みして発音する言語ですが、英語は「and(ən(d) エンド)」「bat(bˈæt ベット)」みたいに書き方と発音が一致せず、子音で終わる単語の後に母音で始まる単語が来ると「Get out!(ゲラウト!)」みたいにくっついたり、書き方と発音が一致せず、これが英語のヒアリングを難しくしている最大の理由です。

インドネシア人にとって日本語のひらがなやカタカタ、漢字などは得体の知れない文字かもしれませんが、発音の1つ1つが「子音+母音」で構成され(開音節性と呼ばれる)、一旦暗記してしまえば書いてあるとおりに読むだけであり、前後の単語で繋がることがないので、聞き取りやすいはずです。日本語は発音の難易度はゼロに近い言語だと思います。

「インドネシア語は単語の順番を入れ替えても通じる」と言われる一方で、インドネシア語と同じく基本5文型からなる英語の場合は、単語の順番を入れ替えると通じないのは、英語は「ゲラウト」みたいに単語の繋がりも含めた音が繋がって一つのカタマリとして意味をなすからです。

インドネシア語も単語レベルでRとL、NとNG、EとUなど発音が重要視される要素がありますが、発音が間違っていても単語内での問題だけで、前後の文脈で推測できるため、コミュニケーションは成立します。

「インドネシア語は世界で一番習得しやすい言語」という評価は発音の問題をクリアしている欧米人による評価だと思いますが、自分が今インドネシア語を話す環境にいるからという優位性を差し引いても、英語と日本語とインドネシア語の難易度は以下のようになると思います。

  • 英語は読み書きも会話も難しい(高)
  • 日本語は読み書きは難しいが会話は簡単(中)
  • インドネシア語は読み書きも会話も簡単(低)

インドネシア語を喋れるけど書けないは本当か?

インドネシア語は発音の変化もなく、単語が前後に繋がることもありませんので、確かに読み書きも会話も簡単な言語だと言えるかもしれませんが、その前提として単語のスペルを正しく暗記し、スペルどおりに発音しなければ正しく喋れているとはいえません。

インドネシア語は英語と同じように、表音文字であるアルファベットのみから構成され、単語の発音そのものが意味をなす言語ですが、英語と違って発音は単語レベルで独立しており、前後の単語とくっついて別の発音に変わることがないため、間違った発音をしていても、その単語が何かを推測できるため会話が成立します。

僕自身インドネシアに長年住んでいるにもかかわらず、いまだに基本的な単語のスペルを間違えたりして恥ずかしい思いをすることがあるのですが、生活に大きな支障が出るわけでないので、意識して直そうと思わないかぎり、ずっとそのままになってしまう可能性もあるわけです。