インドネシアの出退勤管理や給与計算システムの開発では、基本給と手当で構成される支払金額から、個人所得税PPh21と健康保険BPJSを算出し控除するプロセスが必要です。これにより、正確な給与計算が可能になります。
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インドネシアの会計システム
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この記事でわかること
- インドネシアの給与計算では、基本給と手当から個人所得税PPh21と健康保険BPJSを控除します。
- 出退勤管理にはタイムカードや指紋認証、手の甲静脈認証が利用され、メモリ容量のサイジングが重要です。
- 給与計算システムには税率やOvertimeの係数などのマスタ情報が必要で、労働者デモの影響で残業代の係数が上昇しています。
- インドネシアの社会保険制度はBPJS Kesehatanが推奨され、年金と健康保険がセットになっています。
- 家族構成情報は所得控除額に影響し、PTKPは源泉所得税の計算や年末調整に影響を与えます。
出退勤管理システム(Attendance system)
インドネシアでは、出勤時にタイムカード(kartu absensi)を使用して出退勤時刻を刻印する方法が一般的です。このタイムカードは、ガッチャンと押すと同時に内部メモリーにデータが書き込まれ、USB経由でCSVファイル形式で取り出せるタイプもあります。
しかし、メモリ容量が2~4MBと小さい機種が多いため、1人あたりの1日の出退勤データ必要量、社員数、メモリ内のデータ保管期間、マスタに必要な容量などを事前にしっかりサイジングしておかないと、運用開始後にトラブルが発生する可能性があります。例えば、メモリに残っていると思っていた出退勤データが既に上書きされていたという事態も考えられます。
代理打刻の防止と出退勤データ集計負荷軽減のためには、社員カード、指紋認証(Finger print)、手の甲静脈認証(Hand punch)の3タイプ、またはその組み合わせ(社員カードと指紋認証のセットなど)が利用されます。指紋認証機械は安価なものは3万円ほどからありますが、手の甲静脈認証機械は20万円以上と高額です。
機械の前で待ち行列ができると、ギリギリセーフの人がアウトになってしまうこともあるため、機械の数を増やすと投資金額が大きくなります。
指紋認証や手の甲静脈認証では、社員コードとのマッチングテーブル作成のために事前に登録作業を行い、このテーブルは機械側のメモリに保存されます。出退勤データも機械側のメモリに保存されますが、付属のユーティリティソフトでネットワーク経由でPC側にCSV形式またはAccessDBにダウンロードされます。この作業は通常マニュアルで行われ、HRDの担当者が定期的にダウンロード作業を行います。
ダウンロードされた出退勤データは、欠勤(absen)、遅刻(keterlambatan)、早退(Ijin)、残業(Overtime)などに分類され、給与計算に使用されます。残業と早退については事前に申請(Overtime request, Leave request)するのが一般的で、残業申請登録情報と出退勤データを比較し、額が決定されます。
人事管理システム(Human resource management system)
出退勤データを基に給与計算を行うには、従業員の入社年、役職、住所、家族構成など、手当て(Allowance)の計算に必要なデータを管理するマスターデータが必要です。このデータを管理するシステムを人事管理システムと呼びます。給与計算システムから切り離して、必須項目以外のデータも登録できるシステムも存在しますが、給与計算システムとは本来切り離せないものです。

給与計算システム(Payroll system)
インドネシアの給与計算システムでは、税率、負担率、Overtimeの係数などのマスタ情報が必要です。これらは給与計算に反映され、月末に給与明細が発行されます。2013年8月現在、労働者デモの影響で残業代の係数が上昇し、平日残業が基本時給の1.5倍または2倍、祝日残業が2倍、3倍または4倍となっています。このため、受注が増えても利益が出にくい状況が続いています。
PPh21(個人所得税)
インドネシアでは所得税は会社負担が原則とされていますが、実際には源泉徴収を行うだけです。毎年3月末に会社からBukti potong PPh21を発行してもらい、税務署に申請しないと納税義務を果たしていないとみなされます。このため、3月末には会社の総務前に行列ができたり、半休をとるスタッフが増えたりします。
インドネシアの会計期間は1月~12月が多いですが、税務署への申告は3月末です。従業員が源泉徴収証明書を持って税務署に行くのも3月末で、企業の監査人による財務諸表と伝票のチェックもこの時期に行われます。12月末で仮締めした後、監査の結果として調整仕訳を13ヶ月目に入力する処理が発生します。
Jamsostek(2014年現在廃止)⇒BPJS
インドネシアの社会保険制度には、労災保険(JKK)、死亡保険(JKM)、年金(JHT)、健康保険(JPK)が含まれ、正社員には加入義務があります。Jamsostekという国営企業が運営していましたが、2015年1月現在、BPJS Kesehatanへの加入が推奨されています。これは年金(JHT)と健康保険(JPK)がセットになったものです。
日本の社会保険と大枠で仕組みは同じですが、国保や国民年金にあたるものはインドネシアにはありません。納税の義務は会社員、自営業者問わず発生し、配偶者も含めてNPWP(納税者番号)の取得が必要です。
家族構成
家族構成情報は、給与計算において所得控除額(Penghasilan Tidak Kena Pajak)に影響します。PTKPは所得の非課税部分であり、毎月の給与の源泉所得税(PPh21)の計算、年末調整、年度の確定申告に影響を与えます。
社員情報
学歴、宗教、役職、勤続年数などの情報は、給与計算に影響を与えることがあります。会社によっては独自の計算方法を適用するため、給与計算システム導入時にカスタマイズが必要な場合があります。
手当マスタ(Allowance)
レバラン手当であるTHR(Tunjangan Hari Raya)やボーナスの種類、計算に必要な係数を設定するマスタです。
給料構成
労働者デモの季節になると必ず登場する言葉がUpah Minimum Propinsi (UMP) / Upah Minimum Kabupaten (UMK)、要は最低賃金です。これらは労働者の基本的な権利を守るために設定されています。
- Gaji pokok(基本給)
- Tunjangan tetap(固定手当)
- Tunjangan transport(交通手当)
- Potongan transport(交通費控除)
- Potongan Absensi(欠勤控除)
- Uang makan(食事手当)
- Uang lembur(残業手当)
- Tunjangan lain lain(その他手当)
- Potongan lain lain(その他控除)
- Tunjangan pengobatan(医療手当)
- Tunjangan Asuransi(保険手当)
- Tunjangan Premi Jamsostek(Jamsostek保険料手当)
- Potongan premi Jamsostek(Jamsostek保険料控除)
- Bonus(ボーナス)
- Tunjangan Hari Raya(祝日手当)
- Tunjangan Pajak(税金手当)
- Potongan pajak(税金控除)
よくある質問|インドネシアの給与計算と管理
本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。
インドネシアの出退勤管理システムにはどのような特徴がありますか?
インドネシアの出退勤管理システムでは、タイムカードや指紋認証、手の甲静脈認証などが利用されます。これらの機械は出退勤データを内部メモリに保存し、USBやネットワーク経由でPCにダウンロードできます。メモリ容量が小さいため、データのサイジングが重要です。
インドネシアの給与計算に必要な情報は何ですか?
給与計算には、基本給や手当、個人所得税PPh21、健康保険BPJSの情報が必要です。また、従業員の入社年、役職、家族構成などのマスターデータも重要です。これらの情報を基に、正確な給与計算が行われます。
インドネシアの社会保険制度にはどのようなものがありますか?
インドネシアの社会保険制度には、労災保険、死亡保険、年金、健康保険が含まれます。これらは正社員に加入義務があり、2015年からはBPJS Kesehatanへの加入が推奨されています。日本の社会保険と大枠で仕組みは同じですが、国保や国民年金にあたるものはありません。

