インドネシア中小企業向け分離課税制度の改定と選択肢

2018/07/28

インドネシア中小企業向け分離課税制度の改定と選択肢を構造化した図解

年間売上高が4.8Miliyar未満の中小企業は、売上高に対する0.5%の分離課税制度(PP23)を選択することができます。この制度は、2018年7月1日から適用され、適用期間は最大3年間です。売上が4.8Miliyar以上の場合、通常の法人所得税率で課税されます。

インドネシアの税制度と会計・実務対応の全体像を構造化した図解

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この記事でわかること

  • 年間売上高が4.8Miliyar未満の中小企業は、売上高に対する0.5%の分離課税制度を選択できます。
  • この分離課税制度は2018年7月1日から適用され、適用期間は最大3年間です。
  • 売上が4.8Miliyar以上の場合、通常の法人所得税率で課税されます。
  • 税引前当期純利益がマイナスの場合、法人所得税は課せられません。
  • 損益分岐の目安は利益率約4%で、赤字なら通常課税、黒字でも預金金利との相対比較で分離課税を検討します。

中小個人事業主UMKMに対する外形標準課税

インドネシアでは年間売上4.8Miliyar以下の中小個人事業主UMKM(Usaha Mikro, Kecil, dan Menengah)向けに、売上を課税ベースとする分離課税(Final Tax)があります。旧来のPP46では売上の1%でしたが、PP Nomor 23 Tahun 2018(PP23)で0.5%へ引き下げられました。適用開始は2018年7月1日、適用期間は最大3年です。

4年目以降は通常の法人所得税計算へ移行します。いったん売上が4.8Miliyar以上になると、その後売上が下がっても分離課税へ戻れない点が実務上の分岐になります。選択時は「税率の低さ」だけでなく、赤字時の扱いと適用年限をセットで見る必要があります。

  • 売上高が4.8Miliyar未満の場合、法人所得税は「売上高x0.5%」の分離課税方式(Final Tax)か、「税引前当期純利益x12.5%」に源泉所得税の控除を行う総合課税(Non-Final Tax)かを選択できます。
  • 売上が4.8Miliyar以上の場合、通常の法人所得税率で税額が計算され、売上が4.8Miliyar以上で翌年度の売上が4.8Miliyar未満に下がっても、分離課税方式に戻ることはできません。
    1. 税引前当期純損失の場合には法人所得税はなし。
    2. 年間売上4.8Miliyar未満:11%の均一レート
    3. 年間売上4.8Miliyar以上50Miliyar未満:11%から22%の間で計算。
    4. 年間売上50Miliyar以上:22%の均一レート
  • 税率は以下の式で計算されます。
    (税引前当期純利益x22%)-{(600jutax税引前当期純利益)/年間売上}

法人所得税(PPh25)と外形標準課税(PP23)とどっちが得か

税引前当期純利益がマイナス、つまり事業赤字の場合には、課税所得が0となるため、通常の法人所得税計算では税額が発生しません。一方、PP23の分離課税は売上がある限り0.5%がかかるため、赤字局面では通常課税のほうが有利です。

黒字局面の粗い分岐は次のとおりです。売上4.8Milyarで分離課税は24juta、これが通常課税の税額と同水準になるのは税引前利益が約192juta(利益率約4%)のときです。利益率がそれより低いなら通常課税、高いなら分離課税が有利になりやすい、という比較ができます。

  • 赤字:通常課税が有利(分離課税は売上に対して発生)
  • 黒字かつ利益率が低い:通常課税が有利になりやすい
  • 黒字かつ利益率が高い:分離課税0.5%が有利になりやすい
  • 適用3年経過後:通常課税へ移行
通常の計算式で算出した法人所得税=(税引前当期純利益x22%)-{(600jutax税引前当期純利益)/年間売上}

事例:事業が黒字で売上が4.8Milyar未満の中小企業では、総合課税である法人所得税と分離課税である外形標準課税のどちらが有利かを検討する必要があります。法人所得税は次の式で計算されます。

要点:売上が4.8Milyarの場合、分離課税は4.8Milyarx0.5%=24jutaです。通常の法人所得税が24jutaになるのは、税引前当期純利益が192jutaの場合です。利益率が約4%を下回るなら通常の法人所得税が有利になりやすく、上回るなら分離課税0.5%が有利になりやすい、という分岐で比較します。