業務システム導入後の運用でボトルネックになるポイント 【債権債務を販購買機能で計上するか会計機能で計上するかの違い】

インドネシアでシステム導入のボトルネックとなるのは債権計上部分であり、その理由は営業部門(物流部門)が管理する出荷による売上計上と、会計部門が管理するInvoice発行による債権計上のタイミングにズレがあることに起因します。

前払金や前受金は債権債務として扱うのか一般会計で処理するのか悩ましいという話。【顧客からのDown Paymentと仕入先へのAdvanced Payment】

顧客からの前金はインボイス発行時にDown Payment勘定で処理し、顧客からのSurah Terima Berita Acara(受領証明書)でもってSalesに振替えるため、該当月のインボイス発行額(A/R計上額)と会計上のSalesのアンマッチが発生します。

インドネシア国内取引のルピア化に伴う機能通貨変更について 【取得価額を切り離してP/L上で前月末レートの差額を見る切離法と、取得価額に対する差額を見る洗替法】

月末の債権債務の為替評価替えの際に、資産の前月比での損得が重要であれば切離法によりインボイス価格を最新の評価額に更新し、取得時と比べて損得いくらかが重要であれば洗替法により翌月初に洗替して取得時評価額に戻します。

インドネシアで使えるシステム、使いやすいシステムとは?【計画期間内に完了したものがキチンと動くか】

プロジェクトの成否は計画期間内に完了することと、システムが要件どおり動くことの2点にかかっています。 計画期間内に完了しないのはタスク洗い出しが不完全で予期しないタスクが発生し工数が膨らんだか、タスクに対する見積もり工数が甘いか、業務がシステムについていけず入力が遅れたかが原因です。

企業会計の利益剰余金と国際収支の金融収支の関係を考えてみた。【システムのカットオフは利益処分でP/L科目残高が0になる年度末に行う】

当期利益を利益剰余金に振替えて利益処分を行うということはP/L科目残を0にするということであり、システムのカットオフは減価償却費などのP/L科目残高の移行の負担がなくなるように、通常は年度末に行われます。

業務システムの処理で自動生成させる会計仕訳 【継続記録法と三分法では費用化(売上原価化)のタイミングが異なる】

会計システムでG/L(総勘定元帳)という場合、業務システムで発生した全仕訳を貸借に転記した蓄積データ自体を指す場合もあれば、これを該当月について全勘定科目出力したり、特定の勘定科目や期間でフィルタして出力する機能を指す場合もあります。 入金伝票・出金伝票・振替伝票入力などはGeneral Account(一般会計)の機能であり、これらをG/Lと総称してしまうと混乱が生じます。 業務システムでは、未承認の仕訳がG/L上にポスティング(借方をG/Lの借方へ、貸方をG/Lの貸方へ転記)され、一般会計の仕訳承認によりG/L上でステータスが承認済に変わります。

未着品勘定(In-transit)で船上在庫、仮買掛勘定(AP In-transit)でインボイス未着在庫を管理 【FOB契約の輸入、またはインボイスが遅れて到着する国内仕入で使用する一時勘定】

輸入契約の種類として主にFOB(Free on Boad)契約とCIF(Cost, Insurance, Freight)契約があります。 FOBは文字通り船積をもって送り側の義務が完了する最も一般的なインコタームズ(貿易取引条件)であり、この場合船上で既に受け側の資産となるため、受け側としては資産として計上しますが、いつでも消費または販売可能な自国倉庫の在庫とは区別したい場合に未着品として処理します。

会計システムにおける継続記録法と三分法の違い【継続記録法と三分法では費用化(売上原価化)のタイミングが異なる】

継続記録法では商品は仕入れたときに商品勘定というB/S科目となり、出荷のたびに商品勘定をマイナスして在庫と会計上の商品勘定残高をシンクロさせますが、三分法では仕入(費用)としてP/L科目に計上し、月初在庫はOpening Stock(費用)、実地棚卸結果に基づく月末棚卸評価額はClosing Stock(費用)に振替え、この3つから売上原価を算出します。

損益と収支をつなげる財務三表 【損益は資産の動き、収支はお金の動き】

損益(費用と収益)は財産の動き、収支(収入と支出)はお金の動きのことですが、この言葉の意味はなかなか深い。 Cash Basisでは取引の発生時期にかかわらず現金が動いた時点で損益が認識されるためP/Lと収支が一致しますが、一般の会社ではAccrual Basis(発生主義)会計なので、現金の動きにかかわらず取引が発生した時点で損益が認識されるため、月末の段階でP/Lと収支の状態にズレがあり、別途収支を管理するキャッシュフロー計算書(C/F)が必要になります。

IFRSとシステム対応 【損益法は収益と費用の差、財産法は資本の増分で利益を算出】

損益法での当月利益は「月末の収益-月末の費用」ですが、財産法での当月利益は「(月初の資産-月初の負債)-(月末の資産-月末の負債)」という資本の増分であり、両方とも同額になります。 損益法でのExpenseとRevenueの差であるProfitが、財産法でのEquitiesの増分になることにより、試算表等式Asset+Expense=Liabilities+Equities+Revenueが成立します。

内部留保は純資産だが必ずしも現預金という形ではない 【経済活動では株主から資金調達(Finance)して経営者が投資(Investment)を行い労働者が営業活動(Operation)を行う】

純資産は、法定資本金(Legal capital)、資本準備金(Legal capital surplus)、利益剰余金(Retained earning=Earned surplus)のいずれかの形で貸借対照表(B/S)の純資産の部に計上され、資本準備金と利益剰余金は内部留保にあたります。 インドネシアの会社法では債権者保護の観点から資本準備金は法定資本金の20%を積み上げる必要があります。 累積損失は利益剰余金をマイナスに積んでいきますので、資産-負債=純資産がマイナスということは債務超過を意味しますが、それでも銀行借り入れが可能であったり株価が上がったりするのは会社の将来性が非常に高いか、グループ全体では黒字か、オーナーの個人資産が莫大か、資産の含み益が大きいかのどれかが該当します。

インドネシアで会計システムを導入する際に最低限気をつけたほうがいいこと。【日本の帳簿方式よりインボイス方式のほうが税額の算出が明確】

インドネシア日系企業で会計システムを導入する際に、システムのJSOX対応とIFRS対応が問われるようになって久しいですが、インドネシアは2008年にはIFRS対応を意識することが推奨され、2012年よりIFRS対応が義務化されています。 実現主義ベースの収益認識や取引通貨から機能通貨(Base Currency)への換算、機能通貨から表示通貨(Presentation Currency)への換算など、IFRSへの意識は日本より高いと言えます。 また会計システム導入時にはPPN(付加価値税)やPPH23(居住者のサービス収入に対する源泉所得税)といった税制を考慮する必要があります。

会計システム導入時に最低限知っておきたいインドネシアの税制の知識 【所得税の総合課税と分離課税】

インドネシアの場合、日本の消費税に相当するのがPPN(Pajak Penambahan Nilai=VAT=付加価値税)だが、インドネシアは帳簿方式(消費税の計算のように帳簿に基づいて税額を決定)ではなくInvoice方式(Tax Invoiceに基づいて税額を決定)なので、Tax Invoiceに基づいてPPNの支払い、または還付の額を計算している。

勘定科目の確定と決算整理仕訳 【取引相手のいない科目の調整仕訳と売上原価の算出による当期利益の算出が目的】

会計システムの導入に際して、兎にも角にも勘定科目(Chart Of Account)が必要です。 会計コンサルタントに記帳代行依頼していた会社はこれが自社コード体系を考える機会になるわけですが、旧コードと新コードのマッピングを明確にしておかないと期首残の設定やTrial balance(試算表)の比較時に差異に悩むことになります。 また会計コンサルタントは多数の記帳代行を請け負っているので最大公約数的な記帳にならざるを得ず、例えば日本からの材料輸入はFOB取引なので船上在庫を未着品(Goods-In-transit)として在庫管理している場合でも、会計コンサルタント側での記帳がそのとおりになされているとは限りません。

建設仮勘定と仕掛品勘定(未成工事支出金) 【自社の固定資産管理勘定か販売目的の製品の一時勘定かの違い】

工事の完成・建物の引渡等までに仮払い、前払いした工事費や材料費、労務費、経費などは、建設仮勘定(Construction in progress)に計上します。 また日本から輸入する設備のうち、FOBの本船渡し契約では出港した時点で自社の資産となりますが、送料(Freight charge)、PIB(輸入申告書Pemberitahuan Impor Barang)、SPPB(通関許可書Surat Persetujuan Pengeluaran Barang)などのCIF費用(Cost, Insurance and Freight)が確定するまで固定資産に組み入れず、建設仮勘定に一時計上します。 販売する商品としての建物の建設途中のものは未成工事支出金(Cost of uncompleted contracts)や仕掛品として区別されます。

インドネシアの会計システムにおける多通貨会計と為替差損益 【実現損益と未実現損益】

IFRSは投資家や債権者に対して企業価値評価のために必要な情報を提供することを目的としており、そのために固定資産の減損・再評価、売却可能な金融資産などを時価評価して貸借対照表を正確に作成することにより、その企業が投資に見合う利益を生み出せる資産状況にあるかどうかを明確にするものである。 日本本社の連結決算のためにIFRSに基づく財務報告が必要になる一方で、インドネシア側では税務署がこれに対応しているとは限らないので、税務については引き続き独自の基準で報告を作成する必要があるため、会計システムで複数基準元帳機能を実装し、会計仕訳単位で日本本社用とインドネシア決算用とに振替ができることが理想である。 機能通貨の変更は、過去の債権債務取引の実現為替損益仕訳と未実現為替損益仕訳をすべて削除することで取得時点の評価額に戻し、決済時点の為替レートで消し込んだ上で、新機能通貨に対して発生する実現為替差損益を計上する。