為替送金は、中央銀行のノストロ口座を通じて資金を振り替えることで決済されます。しかし、ノストロ口座がない銀行間取引では、中継銀行が中央銀行の役割を果たします。
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この記事でわかること
- 2015年11月に旧シティバンク銀行のリテールバンク事業がSMBC信託銀行に統合されました。
- 日本とインドネシア間で円とルピアの直接交換が可能になり、ドルを介さない取引が促進されます。
- インドネシアでは外貨借入制限があり、円建て借り入れの緩和が期待されています。
- SMBC信託銀行への送金では、正しいSWIFTコードの記載が重要です。
- インドネシアから日本への送金で、三井住友銀行が中継銀行として機能します。
SMBC信託銀行による旧シティバンク銀行リテールバンク事業の統合
2015年11月、日本の旧シティバンク銀行のリテールバンク事業はSMBC信託銀行に統合され、「プレスティア」という事業部門に引き継がれました。これは口座を持っている人以外にはあまり知られていない話かもしれません。
旧シティバンク銀行に口座を持っていた人は、SMBC信託銀行からの手紙やメールで「プレスティアのお客様」と呼ばれますが、これは単に円普通預金口座を持っている人を指します。
私は旧シティバンク銀行の円普通預金口座とクレジットカードを持っていましたが、SMBC信託銀行から口座に関するお知らせが、クレジットカードに関するお知らせは三井住友信託銀行から届きます。
事例:三井住友銀行にも口座があるため、福岡の実家には銀行からのお知らせが3つの三井○○○○銀行から届き、「あんたの銀行からのお知らせはややこしくて仕方ないわー」と文句を言われています。
旧シティバンク銀行は、月間平均総取引残高が50万円を切ると口座維持手数料として2,000円を徴収するルールを適用していました。このルールは日系銀行に移管された後も引き継がれています。そのため、Amazonでの買い物やXサーバーにドメイン管理費用を支払うと、半年に一度は日本に送金せざるを得なくなります。
日本とインドネシア間で円とルピアの直接交換が可能に!ACCD制度で海外送金がより便利に
日本とインドネシア間の貿易や直接投資を促進するため、2015年12月に締結された「現地通貨の利用促進に係る協力覚書」に基づき、円とルピアの直接交換が可能になりました。この協力枠組みには、ドルを介さない直接のレート表示や各種規制緩和が含まれています。
事例:日本とインドネシアの銀行間取引で、これまでドルを介していたクロス取引が、指定クロスカレンシー取引仲介者(ACCD)に選定された銀行間で一発換算のストレートで行われるようになります。将来的にはルピア/円というFX通貨ペア商品ができる可能性もあります。
貿易取引やグループ企業間貸借、海外直接投資の際には、日本本社のACCDに選ばれた銀行の口座から、インドネシア現地法人の指定銀行口座へのルピア転送金を行うことで、ドルを介さずストレート換算されます。これにより、通常より良いレートが期待できるでしょう。
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- りそな銀行
- BNI東京支店
インドネシア側のACCD(2020年8月31日時点)
- MUFG Bank, Ltd., Jakarta Branch
- PT. Bank BTPN, Tbk
- PT. Bank Central Asia (Persero), Tbk
- PT. Bank Mandiri (Persero), Tbk
- PT. Bank Mizuho Indonesia
- PT. Bank Negara Indonesia (Persero), Tbk
- PT. Bank Rakyat Indonesia (Persero), Tbk
これまで、日本~インドネシア間の送金ではレートの悪さや手数料の高さが問題視されており、WiseやWestern Unionなどの銀行以外の送金手段を利用する人も多くいました。しかし、ACCD間での送金により、レートや手数料、到着時間で有利になる可能性があるため、銀行利用を再検討する人も増えるかもしれません。
インドネシア企業の外貨借入制限と円建て緩和の可能性
インドネシアでは2016年に国内取引のルピア建て義務化と、海外からの外貨借入に対するデリバティブ資産によるヘッジ義務が規制化され、民間企業の外貨建て借り入れが制限されています。このような状況下で、今回の協力枠組みによる規制緩和で円建て借り入れが許容されるかは不明ですが、インドネシアの外貨保有高やルピア相場の安定を考慮すると、グループ企業間に限り許容される可能性があります。
貿易推進の観点から、貿易金融の緩和も考えられます。インドネシア現地法人が日本への輸出代金の入金を待たずに、インドネシア側のACCDに売掛金をルピア建てで買い取ってもらうことや、ルピア建ての短期つなぎ融資を受けることで、リスクヘッジやキャッシュフローの改善が期待できます。
円/ルピアレートは変動が激しいため、ACCD間での円建てルピア払い取引に際して、円/ルピアレートを事前に約定する為替ヘッジも許容される可能性があります。
インドネシアから日本への海外送金でSWIFTコードミス!SMBC信託銀行口座への振込トラブル事例
Grand Indonesiaの某大手銀行から、日本のSMBC信託銀行(SMBC Trust Bank)の私の口座宛に■■jutaほど送金しました。1円=131.87ルピアというレートに驚きましたが、ある日、銀行のマネージャーらしき人から電話がありました。
事例:はーい、ミスター。送金の件ですが、SWIFTコードにSMTCJPJTと記載されましたけど、そんなSWIFTコードは見つかりませんでしたので、こちらで正しいSMBCJPJT(三井住友銀行のSWIFTコード)に書き換えて送金しておきましたYO。ところが先方の銀行から支店コードの情報がないということでホールドする旨連絡が来ていますYO。
私は新卒入社した銀行系システム会社で海外支店用のシステムを担当し、インドネシアに来てからも邦銀に1年、金融システム会社に半年ほど派遣されていました。そのため、SWIFTコードの重要性は理解しています。銀行の送金依頼書のMessage欄にはSWIFTコードを大きく記載するようにしています。
SMBC信託銀行の私の口座には何度も送金しているので間違えるはずがないのですが、確認したところSWIFTコードも銀行の住所も口座番号と名義も合っていました。
つまり、私の■■jutaは三井住友銀行にホールドされており、そちらにも口座はありますが、送りたいのはSMBCの方です。3営業日後に宛先不明としてインドネシア側にリファウンドされることになりますが、手数料は引かれます。
海外からSMBC信託銀行プレスティアへの送金方法とSWIFTコードの正しい記載例
海外からSMBC信託銀行のプレスティアに送金する際の正しい記載方法を確認しておきます。
- 受取銀行名(Receiving bank name): SMBC Trust Bank Ltd.
- 受取銀行所在地(Receiving bank address): Nishi-Shimbashi Square 1-3-1, Nishi-Shimbashi, Minato-ku, Tokyo 105-0003, Japan
- 受取銀行SWIFT(BIC)コード(Receiving bank SWIFT (BIC) code): SMTCJPJT
- 中継銀行名(Intermediary bank name): Sumitomo Mitsui Banking Corporation
- 中継銀行SWIFT(BIC)コード(Intermediary bank SWIFT (BIC) code): SMBCJPJT
インドネシア国内銀行への送金では、銀行同士がBI(Bank Indonesia)に開設している当座預金口座間で資金を振り替えることで決済されます。しかし、日本の銀行への外国為替送金ではBIの役割を中継銀行(経由銀行、コルレス、Correspondent Bank)が果たします。
外国に送金する際、その通貨の中継地点となる銀行が必要です。今回の場合、三井住友銀行がコルレスバンクとなり、インドネシアの銀行とSMBCは三井住友銀行の口座間で決済を行います。
事例:旧シティバンクのリテール部門がSMBC信託銀行に統合されたことを知らない方も多いでしょう。インドネシアにノストロアカウント(決済口座)を持っていない可能性もありますが、「SWIFTコード見つかりませんでした」というのは銀行員として問題です。話のネタとしては面白いので、どのように決着するか見守りたいと思います。