仕事と趣味の境界を、自分で決める|自営業という生き方

自営業における仕事と趣味の境界、無償の時間を投資と趣味で捉える関係を構造化した図解

インドネシアで自営業として事業を続けるとき、「仕事」と「趣味」を会社員と同じ線で切る必要はありません。家の掃除や植木の手入れ、WEBサイトの手入れのように、すぐに売上にならなくても、自分が選んで続ける時間があります。

この記事では、無償の仕事をコストだけ見ず、投資とも趣味とも捉える切り分けと、自分が選んでいるかを確認する基準を整理します。知識を残す書き方は 構造とは何か も参照してください。

インドネシア生活での感情と合理的思考の技術を示す構造化した図解

インドネシア生活で実感した感情に流されない思考の技術と思いやり

感情に流されず合理的な思考を訓練することが重要である。他人と自分を比較しないことで自己肯定感を高められる。理性を働かせることで推論を構築し、過去の経験がその確からしさを裏付ける。

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この記事でわかること

  • 趣味は、仕事以外の時間に限る必要はありません。
  • 自営業では、会社員と同じメリットを前提にすると無理が出ます。
  • 自分の時間を、すべて目先の売上に換算する必要はありません。
  • 無償の仕事は、知識・経験・関係が残るなら無形資産にもなります。
  • すべてを投資対効果で測ると、別の形で自分を管理して苦しくなります。
  • 無償でやるときは、自分が選んでいるかを確認します。利用されているだけなら別です。
  • 仕事と趣味の境界は、他人ではなく自分で決めてよいです。

趣味は仕事以外でなくてもいい

「あなたの趣味はなんですか?」と聞かれると、私はいつも「家の掃除と植木の手入れです」と答えます。

WEBサイトの手入れも、趣味と言っていいのかもしれません。

しかし、こう答えると、ときどき「なんだかつまらない人ですね」というような反応をされます。

たしかに、一般的な「趣味」という言葉からは、旅行、ゴルフ、音楽、映画、食事など、仕事とは別の時間に楽しむものを想像するのが普通なのかもしれません。

でも、いまは少し違う考え方をするようになりました。

趣味は、仕事以外でなければならないのだろうか。

インドネシアに来た目的

私がインドネシアに来た目的は、自分の事業で食べていけるようになることでした。

会社員として働くのではなく、自分で仕事を作り、自分で判断し、自分の責任で事業を続けていく。それが、インドネシアで生きていくということの一つの前提でした。

そう考えると、会社員であれば享受できたメリットを、自営業になった後も同じように求めることには、少し無理があります。

会社員なら、会社の設備を使えます。上司や同僚がいます。仕事として与えられた時間に対して給与が支払われます。会社の方針に従い、決められた範囲の中で成果を出すことが求められます。

一方、自営業では、何に時間を使うのか、何を作るのか、誰のために仕事をするのかを、自分で決めることができます。これは大きな自由です。

しかし、その自由には当然、別の側面があります。

自分の時間を、すべて目先の売上に換算する必要はない。

コスト度外視でやる意味を考える

自営業をしていると、「これをやって何になるのだろう」と思うような仕事に出会うことがあります。

  • 無料で相談に乗る
  • 無償でシステムを作る
  • 自分の知識を整理して公開する
  • WEBサイトの記事を何時間もかけて書く
  • 誰かのために調べものをする

普通に考えれば、非効率です。その時間に営業をすれば、別の売上を作れたかもしれません。

だから、「仕事としてやるなら、いくら請求するのか」と考え始めると、どうしてもモヤモヤします。「なぜ自分ばかり無償でやっているのだろう」「これだけ時間を使っているのだから、何か対価があってもいいのではないか」。そういう気持ちが出てくるのは、自然なことだと思います。

私自身も、そういう煩悩がなくなるわけではありません。だからこそ、別の見方をするようになりました。

無償の仕事を「投資」と考える

目の前の仕事だけを見れば、無料でやることはコストです。

しかし、それによって自分の知識が増えたり、経験が蓄積されたり、人との関係ができたり、新しい技術を覚えたり、将来の商品やサービスの種ができたりするのであれば、それは単純なコストではありません。

自分自身の無形資産を作っている。そう考えることができます。

たとえば、WEBサイトの記事を書くこともそうです。一つの記事を書いたからといって、すぐに売上になるとは限りません。しかし、記事を書くことで自分の知識が整理されます。その知識が別の記事につながり、別の問い合わせにつながり、新しいサービスのアイデアにつながることがあります。過去に書いた記事が、何年後かに誰かに読まれることもあります。

そう考えると、記事を書く時間は単なる「無償労働」ではなく、将来に残る資産を作る時間でもあります。

それでも「仕事」と考えると、苦しくなる

ただ、ここで一つ問題があります。何でも「将来への投資」と考えてしまうと、今度はすべての行動を費用対効果で評価するようになってしまいます。

  • この記事は何円の売上につながるのか
  • この人を手伝うことで、将来いくらになるのか
  • この作業に何時間使ったら、投資対効果はいくらなのか

こうなってしまうと、結局、会社員時代とは別の形で、自分自身を管理することになります。私は、そこまでやる必要はないと思っています。

そこで出てくるのが、「趣味」という考え方です。

趣味は仕事以外でなくてもいい

家の掃除をする。植木の手入れをする。WEBサイトを整理する。新しい技術を試す。自分が興味を持ったテーマについて調べる。誰かに頼まれていないのに、システムを作ってみる。こうしたことを、すべて「仕事」と考える必要はありません。

逆に、「仕事ではないから趣味」と完全に切り離す必要もないと思います。

自分がやりたいからやる。結果がすぐに出なくても構わない。やっていること自体に意味がある。

それなら、それはもう趣味と呼んでもいいのではないでしょうか。そして、その趣味がたまたま将来の事業につながるのであれば、それはそれでいい、と考えています。

「無償奉仕」と「趣味」の境界

もちろん、何でも無償で引き受ければいいという話ではありません。相手から当然のように労力を要求され、自分だけが消耗しているのであれば、それは趣味でも投資でもありません。

重要なのは、自分が選んでやっているのかということです。

  • 自分で意味を感じている
  • 経験になる
  • 知識が蓄積される
  • 人との関係が生まれる
  • 将来の事業につながる可能性がある
  • あるいは、単純に自分がやりたい

そういうものなら、あえて「無料だから損をしている」と考えなくてもいいと思います。一方で、「断りにくいからやっている」「相手に利用されているだけ」という状態なら、話は別です。

だからこそ、無償で何かをするときには、「これは自分が選んでやっていることなのか」を確認することが大切だと思います。

自営業には、自分でルールを作る自由がある

会社員であれば、会社のルールがあります。何を仕事とするのか。何に時間を使うのか。どこまでコストをかけるのか。ある程度は会社が決めます。

自営業になると、そのルールを自分で作らなければなりません。だから私は、仕事と趣味を完全に分ける必要もないと思っています。

  • 売上を作る仕事
  • 将来の事業への投資
  • 自分の知識を増やす活動
  • 人との関係を作る活動
  • 単純に楽しい活動

これらが重なっていても構いません。むしろ自分の裁量で仕事を作っていくのであれば、その境界が曖昧であること自体が、自営業の自由なのかもしれません。

煩悩をなくすのではなく、意味を与える

無償で何かをしていると、「本当にこれでいいのか」という気持ちは出てきます。私は、その気持ちを無理になくす必要はないと思っています。

「自分はこんなにやっているのだから、もっと評価されてもいいのではないか」という煩悩が出てくるのも、人間として自然です。大切なのは、その煩悩を否定することではなく、自分の中で筋の通った説明を持つことだと思います。

  • これは無料で働かされているのではない。自分が選んでいる。
  • 今すぐ売上にならなくても、自分の知識や経験という資産になっている。
  • それでも結果が出なければ、それはそれで自分がやりたかったことなのだから構わない。

そう思えるのであれば、気持ちはかなり楽になります。

仕事と趣味の境界を、自分で決める

会社員なら、「仕事」と「趣味」を分けることには意味があります。しかし、自分で事業をやっているなら、その境界まで他人に決めてもらう必要はありません。

家を掃除することも、植木を手入れすることも、WEBサイトを育てることも、新しい技術を試すことも、誰かの相談に乗ることも。それぞれに違う意味があります。その中には、売上につながるものもあれば、将来の資産になるものもあり、単純に自分が楽しいだけのものもあります。それでいいのだと思います。

趣味は、仕事から逃げるためのものだけではない。

自分が自由に時間と労力を使うための領域そのものを、趣味と呼んでもいい。

そして、自営業という生き方を選んだ以上、その自由を自分なりに使うことも、一つの仕事の仕方だと思います。

結局、自分が納得できるかどうか

無償で仕事をすることが正しいわけではありません。効率を無視すればいいわけでもありません。将来への投資だからといって、何でも我慢する必要もありません。

ただ、自分で事業を作っていくのであれば、「今すぐいくらになるか」だけでは測れない時間があることも認めてよいと思います。それが、知識になることもあります。人との関係になることもあります。WEBサイトの記事になることもあります。新しい事業の種になることもあります。そして、何にもならなかったとしても、単純に自分がやりたかったことなら、それでよいのです。

自分の時間を何に使うのかを自分で決める。それが、自営業を選んだ理由の一つだからです。

関連リンク

よくある質問|仕事と趣味、自営業

自営業で時間の使い方を考えるとき、繰り返し出る問いを短く整理します。

趣味は仕事以外でなければいけませんか?

いいえ。旅行やゴルフのように仕事と切り離したものだけが趣味ではありません。掃除、植木、WEBサイトの手入れ、調べもののように、仕事と重なっていても、自分がやりたいから続けて結果がすぐに出なくてもよいなら、趣味と呼んでよいと思います。

無償の仕事は損ですか?

目の前だけ見ればコストです。ただし知識・経験・人との関係・将来の種が残るなら、自分の無形資産にもなります。一方、すべてを何円になるかで測ると苦しくなります。選んでやっているなら、無料だから損、と決めなくてよいです。

何でも無料で引き受けるべきですか?

いいえ。相手から当然のように労力を要求され、自分だけが消耗しているなら、趣味でも投資でもありません。大切なのは、自分が選んでやっているかです。