FIREを実現した人の話を聞くと、羨ましくなることがあります。ただし、羨ましいと感じることと、自分が同じ生活を望んでいることは別です。
この記事では、仕事を辞めたい人と続けたい人の違いと、早期リタイアを目標にしない側の確認を整理します。時間の使い方については 仕事と趣味の境界を、自分で決める も参照してください。
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この記事でわかること
- 他人の人生設計を羨むことと、自分が同じ生活を望むことは別です。
- リタイア後にやりたいことが明確なら、そこから逆算して働けます。
- 仕事を辞めてまでやりたいことがなければ、早期リタイアを目標にしなくてよいです。
- FIREは、仕事を辞めたい人には意味が大きく、続けたい人には同じ強さの目標になりません。
- 早く辞めることより、長く働ける状態を維持することの方が目標になる人もいます。
- どちらが正しいという話ではありません。
仕事を辞めたい人と、仕事を続けたい人
先日、ドイツで働いている48歳のハンガリー人の義弟と話をしました。
彼は50歳でリタイアし、田舎のワイン畑で仕事をするつもりだそうです。
25年前から株式投資を続けており、投資による収入もあるようです。株式投資で経済的な基盤をつくり、会社勤めを終えた後は自然に囲まれた環境で働く。いわゆるFIREに近い生き方なのだと思います。
正直なところ、羨ましいと思いました。
日本でもFIREという言葉が広まり、50歳から55歳くらいでセミリタイアを目指す人がいます。インデックスファンドなどで資産を形成し、投資収入を生活の基盤にするという考え方です。
経済的な余裕をつくり、仕事から解放され、好きなことをして暮らす。魅力的な人生設計だと思います。
ただ、少し考えてみると、私はワイン畑で働きたいわけではありません。
植物は好きですが、自宅の観葉植物や庭の手入れを楽しむくらいがちょうどいいのです。農業を仕事にしたいとは思いません。
羨ましいと感じたものの、自分が同じ生活をしたいわけではないのです。
リタイアしたら何をしたいのか
リタイア後にやりたいことが明確になっている人は、幸運なのかもしれません。
旅行をしたい、自然の中で暮らしたい、趣味に没頭したい。そうした目標があれば、それに向けて資産を形成し、いつまで働くかを考えることができます。
生活のために働き、経済的な基盤をつくり、リタイア後に好きなことをする。これは自然な発想だと思います。
では、自分はどうでしょうか。
リタイアしたら何をしたいのかと考えてみても、これといって思い浮かびません。
もちろん、仕事以外にも楽しみはあります。家のことをしたり、植物の手入れをしたり、ゆっくり過ごしたりする時間も必要です。
ただ、仕事を辞めてまでやりたいことがあるかと聞かれると、答えに困ってしまいます。
今の仕事を続けることに、特別な不満があるわけでもありません。
そう考えると、リタイア後の生活を目標にして、そこから逆算して今の働き方を考えるという発想が、そもそも自分にはあまり当てはまらないのかもしれません。
「日本人はワーカホリックだ」
私はハンガリー人の義弟に、体が動く限り働き続けたいと思っている、と話しました。
冗談交じりに、「仕事中に心臓麻痺でぽっくり死ぬのが夢だ」とも言いました。
すると、義弟から「日本人はワーカホリックだ」と言われました。
確かに50歳でリタイアしようとしている人からすれば、できるだけ長く働きたいと言う人間は、理解しにくいはずです。
ただ、私としては、仕事を辞めたいというより、仕事ができなくなることのほうが心配なのです。
年齢を重ねれば、体力も変わります。健康上の問題で、これまでどおりに働けなくなる可能性もあります。
そう考えると、早くリタイアすることよりも、できるだけ長く働ける状態を維持することのほうが気になります。
もちろん、仕事以外の時間も大切ですし、働くことだけが人生ではありません。
ただ、今のところ、仕事を辞めて別の生活に移りたいという気持ちは、それほど強くないのです。
FIREは誰にとっても同じなのでしょうか
FIREは、経済的自立を達成し、早期リタイアを実現するという考え方です。
仕事を辞めても生活できるだけの資産があれば、働く必要性は小さくなります。働く量を減らしたり、好きな仕事だけを選んだりすることもできます。
仕事がストレスになっている人にとって、そこから解放されることは大きな意味を持つでしょう。
会社の都合に縛られず、自分の時間を自由に使いたいという気持ちもよくわかります。
一方で、仕事を辞めること自体を目標にしていない人もいます。
経済的な余裕はほしい。しかし、その先に必ずしもリタイアを考えているわけではありません。
仕事を続けることが苦痛ではなく、今の働き方を変えたいとも思っていなければ、早期リタイアを目指す動機はそれほど強くならないのかもしれません。
私の場合、経済的に十分な余裕があるわけではありませんし、働かなくても生活できる状態にあるわけでもありません。そういう意味では、FIREを実現しているとはいえません。
それでも、何歳までに仕事を辞めるという目標を持つ必要性は、今の自分にはあまり感じられないのです。
これからのこと
これから先、考え方が変わる可能性はあります。
今は特にリタイアしたいと思っていなくても、年齢を重ねれば、もっとゆっくり過ごしたいと思うようになるかもしれません。
逆に、できるだけ長く仕事を続けたいという気持ちが変わらないかもしれません。
先のことはわかりません。
ただ、今の自分にとっては、早くリタイアすることよりも、健康に気を配りながら、できるだけ長く仕事を続けられるようにすることのほうが現実的な目標です。
そのためにも、健康寿命を延ばすことを意識したいと思います。年齢を重ねても、元気に動き、自分で考え、仕事ができる状態を維持できればと思います。
人は人、自分は自分
義弟の話を聞いたとき、羨ましいと思いました。
50歳でリタイアし、投資収入を得ながら、自然に囲まれた場所で働く。そんな生活を実現できるのなら、確かに魅力的でしょう。
しかし、自分が同じことをしたいわけではありません。
仕事を辞めたい人もいれば、仕事を続けたい人もいます。リタイア後にやりたいことが明確な人もいれば、今の生活を特に変えたいと思わない人もいます。
どちらが正しいという話ではありません。
他人の生き方を羨ましく思うことはあっても、自分が同じ生き方をする必要はないのです。
FIREする人が羨ましくなったときは、少し立ち止まって、自分は本当に同じ生活を望んでいるのかと考えてみる。
今回、義弟の話を聞いて、そんなことをあらためて考えました。
関連リンク
- 思考と感情ハブ: https://bahtera.jp/indonesia-mind/
- 仕事と趣味の境界を、自分で決める: https://bahtera.jp/indonesia-mind/work-hobby-boundary/
- 構造とは何か: https://bahtera.jp/indonesia-mind/structure-knowledge-base/
- 会社概要: https://bahtera.jp/profile/
よくある質問|FIREと、仕事を続けること
早期リタイアが羨ましく見えたとき、繰り返し出る問いを短く整理します。
FIREを目指さないのはおかしいですか?
いいえ。仕事を辞めたい人にとって、経済的自立のあとに働く量を減らすことには大きな意味があります。一方で、今の仕事を続けることに特別な不満がなく、辞めてまでやりたいこともないなら、何歳までに辞めることを目標にしなくてよいと思います。
羨ましいと感じたら、同じ生活を望んでいるのですか?
そうとは限りません。投資収入を得ながら自然の中で働く生活は魅力的に見えても、自分が農業を仕事にしたいわけではない、ということがあります。羨望と願望は、一度分けて確認した方がよいです。
長く働きたいのは、ワーカホリックですか?
早く辞めたい人から見れば、そう見えることがあります。本人にとっては、仕事を辞めたいというより、仕事ができなくなることの方が心配、という場合もあります。働くことだけが人生ではありませんが、辞めること自体を目標にしていない人もいます。