ハウツー本や動画で学んだ知識は記憶に残りにくいですが、ドラマはストーリー性があり心に深く刻まれます。そのため、現実世界での自分の行動に影響を与えやすいと言えます。
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インドネシア生活で実感した感情に流されない思考の技術と思いやり
感情に流されず合理的な思考を訓練することが重要である。他人と自分を比較しないことで自己肯定感を高められる。理性を働かせることで推論を構築し、過去の経験がその確からしさを裏付ける。
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この記事でわかること
- ドラマはストーリー性があり、現実世界での行動に影響を与えやすいです。
- WAKUWAKU JAPANは日本のテレビ番組を海外に供給し、インドネシアでも人気を博しました。
- 『流星花園』はインドネシアでmata sipitの美的価値観を変え、若者文化に影響を与えました。
- 大門未知子の成功は、入念な準備と基本の反復練習に基づいています。
- 小説やドラマは共感を通じて心に記憶され、現実の行動に影響を与えます。
田口公平と大門未知子のすごさの違い
2022年3月31日をもって放送を終了したWAKUWAKU JAPANは、日本のテレビ番組を海外のテレビ局向けに供給する、スカパーJSATグループの番組供給専門会社であり、それを支援するのが株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)という官民ファンドでした。この官民ファンドは、日本経済の持続的な成長を推進するため、日本の衣・食・住に関わる生活文化の特徴を生かした商品・サービスを海外展開することを支援しています。WAKUWAKU JAPANは、日本の1~2週間遅れで良質なコンテンツを放送し、インドネシア在住者もその恩恵を受けることができました。
当時WAKUWAKU JAPANで放送されていた「チームバチスタ4 螺鈿迷宮」と「ドクターX ~外科医・大門未知子~」という2つの医療ドラマには、技量も性格も対照的な医師である主人公が登場します。東城医大病院の心療内科医である田口公平は、僻地の終末医療施設である碧翠院に左遷され、救急外来の患者に対して外科的処方ができず悩んでいました。ある末期癌の患者が田口を諭すシーンがあります。
このシーンの正確な描写は異なるかもしれませんが、ストーリーを演出家の意図する内容どおりに解釈したかどうかは問題ではありません。
ということに私自身が気づかされました。
一方でフリーランスの外科医である大門未知子は、シリーズを通してスーパードクターぶりを発揮します。このドラマの主題は「外科医の心得」であり、すべては大門未知子の師匠である神原晶の教えに集約されます。
外科医の手術力は最初のトレーニングで決まる。どれほどの熱意を持って手術を学ぶか。どれほどうまい外科医の手術を見るか。川の水が流れるように基本手技を反復し、美しい最終術野を作る。それが理想の手術。そして一番大事なのは、どんなに厳しいオペでも決して患者を見捨てないこと。私の大事な師匠が教えてくれた。
これは技術を必要とする仕事をする上で、プロとして何でも対応できるように基本が大事であること、基本の反復練習によって自分のパターンを作ることが重要であることを示唆しています。
そして最後に神原晶によって、大門未知子が絶対オペを失敗しない理由が明かされます。それは、どんな患者のオペの前でも、考えられる全てのケースを想定して、入念な準備を行うからです。
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謙虚さと感情制御の思考法と交渉術の本質
謙虚さは日々の鍛錬と心の余裕から生まれます。感情は『嬉しい』と『悲しい』の2つの軸で決まります。過去の経験を活かすことでポジティブ思考が鍛えられます。
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小説やドラマが実用書よりも現実世界で役に立つ理由
小説やドラマはフィクションであり、表現方法が文字か映像かの違いだけで、読者や視聴者に解釈の仕方を委ねることで、さまざまな形の共感を引き起こします。ビジネス書などの実用書は特定分野の情報収集のために読むものですから、「事実から外れると誤情報になる」という制約に縛られ、間違った理解をしないよう細心の注意を払いながら読む必要があります。そのため、頭も眼も疲労します。
また、共感したことと情報収集したことでは人間の記憶の仕方が異なります。実用書で読んだ内容は頭で記憶するため、時間の経過とともに忘れてしまいますが、小説やドラマで共感したことは心で記憶するため、現実世界で同じような状況に遭遇した時に、心の記憶の引き出しがピンポイントで開き、自分の行動に影響を及ぼします。
事例:2017年のクリスマスイブに、2016年のフジテレビ系列のクリスマスドラマスペシャル、多部未華子と高橋一生主演のドラマを放映していました。「ルックス、キャリア、すべてにおいてハイスペックながら、女心が致命的に理解できないアプリ会社社長・黒川壮一郎」という現実ではあり得ない設定に批判があったようですが、ドラマのストーリーが現実世界に限りなく自然に投影できることが重要であると考えるのであれば、このドラマを観て共感することは難しい。ただ私のようにドラマの設定よりも、シーンごとに主人公が発する言葉の中に、共感できる部分が見つかれば、それだけで満足する人間にとっては、株主総会での社長解任発議にて自分が育て上げてきた会社を追い出された黒川社長が、かつて起業したときの信念であるこの言葉を思い出すシーンに大いに共感しました。
現実世界で役に立つということは、情報自体の価値がもたらす一過性の効果よりも、主人公の発言や行動に共感することで、現実世界での自分の振る舞いに何らかの影響を与えるという、もっと汎用的な効果を指しています。
インドネシアで社会現象になった『流星花園 -Meteor Garden-』
2025年2月2日、台湾版『花より団子』の主演女優バービー・スーさんが48歳で亡くなりました。彼女はインフルエンザから発症した肺炎が原因で亡くなったと報じられていますが、その影響はインドネシアにおける東アジア女性の見た目に対する価値観を変えるほど大きなものでした。
私は1997年に初めてインドネシアを訪れた際、インドネシア人の女の子が『日本人ってみんなmata sipit(細目)なんだよね?』と無邪気に言うのを聞きました。これは欧米の価値観に影響されたものか、単なる興味本位なのか理解に苦しみましたが、インドネシア人の中には目鼻立ちがはっきりした顔立ちを持つことから、優越感を持っていたのかもしれません。
2001年に台湾で放送された『流星花園 -Meteor Garden-』がインドネシアで大ヒットし、黒髪のロングヘアーでmata sipitのヒロイン、サンチャイ(バービー・スー)の人気が高まるにつれ、インドネシア人の間でmata sipitに対する価値観が大きく変化しました。
その後、K POPアイドルの影響もあり、東アジア人のモテ顔(特に男性)は切れ目のmata sipitになったと言っても過言ではありません。また、スハルト長期政権下で嫉妬からくる差別の対象になりやすかった中華系インドネシア人社会との融和にもプラスの影響を与えたと考えられます。
事例:インドネシアでの『流星花園』の人気は、現地の若者文化に大きな影響を与えました。特に、mata sipitの美しさが再評価され、東アジアの美的価値観が広まりました。