情報フラット化時代のインドネシア進出戦略

2015/06/21

ジャカルタ

かつて有効だった日本とインドネシアの間の情報格差を利用したビジネスであるタイムマシン経営は、インターネットの普及により情報がフラット化され、通用しなくなりました。

インドネシアのビジネス進出と市場戦略の全体像を構造化した図解

インドネシアのビジネス事情まとめ|進出・継続・IT・市場戦略

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この記事でわかること

  • タイムマシン経営は情報のフラット化により通用しなくなりました。
  • 吉野家はインドネシアでソウルフード化しつつあります。
  • 1994年にPIMに出店した吉野家は2010年にGIで復活しました。
  • インドネシアの外資規制や就労ビザの取得条件が厳しくなっています。
  • 持続的成長モデルの構築がインドネシア進出の鍵です。

インドネシアで通用する日本発ビジネスとは?食文化とタイムマシン経営の可能性を再考する

一時帰国した際、日本のご飯の美味しさを再認識しました。成田から福岡空港に到着し、空港の洋食屋で食べたとんかつは格別で、特に日本の白ごはんは最高でした。

ジャカルタではあまり日本食を食べませんが、吉野家は例外です。吉野家はインドネシアでソウルフード化しつつあります。

エッグマヨと温泉卵が人気の吉野家は、1994年にPIMに出店し、2010年にGIで復活しました。日本の並盛は400円前後で、ルピアの価値が下がってもインドネシア人の購買力が上がったことが成功の要因です。

事例:Hoka Hoka Bentoのように独自進化する例もありますが、日本の食文化がインドネシアで受け入れられているのは喜ばしいことです。

要点:日本の食文化はインドネシアでのビジネスチャンスを示しています。

タイムマシン経営は、先進国と後進国の流行のタイムラグを利用したビジネスモデルです。日本の成功例をジャカルタに持ち込むことで利益を得ようとする動きがあります。

日本とインドネシアの起業環境を比較すると、事務的手続きでは日本の方が簡単で低コストです。しかし、インドネシアの外資規制や就労ビザの取得条件が厳しくなっている現状もあります。

それでも、インドネシアの広大な未開市場は大きなチャンスです。日本のネットベンチャーのタイムマシン経営のモデルはアメリカでしたが、インドネシアにとっては日本の成功例がモデルとなるのでしょうか。

タイムマシン経営の有効性については疑問もありますが、未来の国から来たドラえもんのように、インドネシアでの新たな可能性を探ることが重要です。

タイムラグの終焉とインドネシア進出ビジネスの現状──情報フラット化時代に勝つ戦略とは?

私はバリ島でインドネシアの家具や雑貨の輸出をしていましたが、当時は日本とインドネシアのモノと情報の距離感を利用したビジネスモデルでした。ネットショップブームとアジア雑貨ブームに乗り、うまくいっていました。

しかし、バリ島旅行人気が高まり、旅行者が現地でエスニックな家具やバッグと出会い、誰でも簡単にネットショップを開設できるようになると、私のビジネスモデルは斜陽に向かいました。情報がフラット化し、中小零細同業他社が乱立し市場が形成される中、後発の大手が参入して先発零細を駆逐するという典型的な負けパターンにはまりました。

かつてのタイムマシン経営が通用しなくなり、では時代の先読み能力と開発力を持つスタートアップが強固なビジネスモデルを築くことが重要です。インキュベーターやシードアクセラレーターの金融力が鍵となります。

事例:アメリカで生まれたキックスターターのような資金調達サイトが日本でREADYFORとして展開されていますが、タイムラグが短いため、本家アメリカでのクラウドファンディングの成熟過程の問題がそのまま日本で発生しています。

要点:日本の過去を基準にしたインドネシアの未来予測が通用しなくなり、持続的成長モデルの構築が求められています。

「インドネシアにまだないもの」という発想は間違いではありませんが、その先の持続的成長モデルを構築することが経営者に求められています。City Walkのパパイヤで買い物しながら「越後屋」か「ばり馬」を選べる時代になり、かつての食の楽しみが限られていた時代とは大きく変わりました。