原価計算における仕掛品と発生費用の関係

2017/01/15

ジャカルタ

材料が入荷しても投入されなければ、当月の発生費用は0となります。これは、当月に投入した材料の原価が発生費用となるためです。製造が行われなければ製造原価も0となり、当月の製造出来高があるものの原価が発生費用となります。売上がなければ売上原価も0となり、当月に売れたものの原価が発生費用となります。

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インドネシアの原価管理システム

インドネシアのマスプロダクション型工場では総合原価計算を採用。個別受注生産工場では個別原価計算を採用。IoTを用いた実績データで配賦ルールを設定。

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この記事でわかること

  • 材料が投入されなければ当月の発生費用は0となります。
  • 仕掛品はP/LではなくB/Sに月末残高として計上されます。
  • 当月発生材料費と加工費が仕掛品製造原価に該当します。
  • 共通材の発生費用は総平均法で計算されます。
  • 仕掛品の月末残高には、進捗度による製品換算と総平均法が使われます。

仕掛品はP/LではなくB/Sに月末残高として登場する

私は原価の勉強を始めた頃、製造原価が製品の製造費用であることを理解するのに時間がかかりました。そして、製造原価が「製品の製造費用」であることを理解した後に悩んだのは、「なぜ発生材料費や製造原価や売上原価は三分法で計算するのに、その間にある仕掛品の製造原価は計算しないのか?」ということでした。

  1. 月初材料在庫+当月材料購入-月末材料在庫=当月発生材料費
  2. 月初仕掛品在庫+(当月発生材料費+当月加工費)-月末仕掛品在庫=当月製品製造原価
  3. 月初製品在庫+当月製品製造原価-月末製品在庫=当月製品売上原価
cost仕掛品はP/LではなくB/Sに月末残高として登場する

仕掛品がレベル0の集計費用は発生費用に該当する。

仕掛品がレベル0の集計費用は発生費用に該当する。

財務会計の目的はP/LとB/Sを作成することであり、発生材料費、製造原価、売上原価を算出できれば十分です。加工費は製品にのみ配賦され、P/Lとして成立しますが、B/S上に登場する仕掛品の月末残高には材料費部分しか載らないことになります。

会計上は当月発生費用が仕掛品製造原価に該当

資産という観点から見ると、材料と製品の間の状態が仕掛品です。

  • 材料⇒加工中(材料の費用化と加工費の発生)⇒製品

つまり材料が投入され費用化された時点で仕掛品となり、そこに加工費が積み上げられます。これにより「当月仕掛品になったもの」は「当月費用化したもの」と同義であり、これが仕掛品製造原価に該当します。当月発生費用である「当月発生材料費+当月発生加工費」が当月仕掛品製造原価そのものです。

上の「仕掛品総平均単価x数量+直接労務費+製造間接費」で計算されている製造原価は、月末在庫の差し引きにより「仕掛品月初在庫+当月発生費用-仕掛品月末在庫」で計算した結果と同じです。

  1. 月初材料在庫+当月材料購入-月末材料在庫=当月発生材料費
  2. 月初仕掛品在庫+当月仕掛品製造原価-月末仕掛品在庫=当月製品製造原価
  3. 月初製品在庫+当月製品製造原価-月末製品在庫=当月製品売上原価

仕掛品の月末残高の計算

現在、製品にのみ配賦している加工費を仕掛品にも配賦する必要がある場合、発生費用を製品と仕掛品に按分する必要があります。材料費は投入数量で按分できますが、加工費は製品と仕掛品という形態の違いがあるため、仕掛品を進捗度によって製品換算する作業が必要です。これは手間がかかります。

そこで、原価管理システムが重要になります。財務会計上の目的の1つとして、手作業では大変な加工費を配賦した仕掛品の月末残高を計算することがあります。加工費の按分や三分法では対応できない共通材の按分のために、総平均法を用いて計算します。

三分法で計算できない共通材の発生費用

共通材の場合、三分法を用いて月初在庫、当月購入、月末在庫から当月発生費用を計算することが可能です。しかし、投入実績ベースの金額がないため、品目別の発生費用を算出することはできません。

三分法で計算できない共通材の発生費用

一方、総平均法を使用すれば、共通材発生費用だけでなく、投入実績の親子関係を基に製品別の製造原価も計算できます。

  • 共通材発生費用
    共通材投入実績数量x総平均単価
  • 製品A製造原価に含まれる共通材部分の費用
    共通材使用実績数量x総平均単価

会計システムの当月発生費用は「材料費以上製造原価未満」

会計システムの最終目標はP/LとB/Sを作成することですので、品目マスタを装備していません。会計的には、材料が使用されることで発生材料費となり、そのうち製品になった分が製造原価としてP/Lに計上されます。製品になりきれなかった分は仕掛品としてB/Sの月末仕掛品在庫に計上されます。

  1. 月初材料在庫+当月購入材料-発生材料費(仕掛品になった分)=月末材料在庫
  2. 月初仕掛品在庫+(発生材料費+発生加工費)-製造原価(製品になった分)=月末仕掛品在庫

つまり、会計システムでの発生費用は「材料費以上製造原価未満」をひっくるめたものであり、すべてが仕掛品を製造するための発生費用に該当します。

会計システムの当月発生費用は「材料費以上製造原価未満」

原価管理システムの生産実績ベースの当月発生費用

原価管理システムでは、仕掛品ごとに「投入品総平均単価×投入数量+自工程加工費」で発生費用を計算し、品目別の発生費用と総平均単価を原価費目別(直接材料費・直接労務費・製造間接費)に保有します。これにより、当月発生費用は仕掛品製造原価として管理され、品目が製品であった場合には製造原価となります。これらは初工程から順番に集計された累積額です。

  1. 月初材料在庫+当月購入材料-発生材料費(仕掛品1になった分)=月末材料在庫
  2. 月初仕掛品1在庫+(発生材料費+発生加工費)-仕掛品2製造原価(仕掛品2になった分)=月末仕掛品1在庫
  3. 月初仕掛品2在庫+仕掛品2製造原価-製造原価(製品になった分)=月末仕掛品2在庫

原価管理システムの生産実績ベースの当月発生費用

原価管理システムの投入実績ベースの当月発生費用

「発生費用」とは、会計上では当月発生費を指し、製品になりきれなかった月末残は「仕掛品」としてまとめられます。原価管理システムでは、仕掛品の品目コード別の仕掛品製造原価を意味します。例えば、「仕掛品1⇒仕掛品2⇒製品」という構成表がある場合、各工程の発生費用を原価費目別に管理しています。

  1. 初工程:材料費と加工費1が発生⇒仕掛品1
  2. 次工程:加工費2が発生⇒仕掛品1に積み上げられて仕掛品2となる。
  3. 最終工程:加工費3が発生⇒仕掛品2に積み上げられて製品となる

構成表単位の品目別の原価一覧を作成するためには、工程単位の発生費用を費目別に管理する必要があります。

原価管理システムの投入実績ベースの当月発生費用

原価管理システムの計算結果を保持するテーブル

生産実績ベースの発生費用は仕掛品または製品の製造原価であり、投入実績ベースの発生費用が当月発生費用となります。当月発生費用は必ずしも製造原価になるとは限らず、月末仕掛品在庫として残ることもあります。

原価管理システムの計算結果を保持するテーブル

レベル0として月初在庫、購入(生産)数量がある品目を保管するテーブルと、その費目別原価を保管するテーブルにて、原価品目別一覧(生産実績ベース)を生成します。さらに、レベル0を含む構成であるレベル1以下の投入数量を保管するテーブルと、その費目別原価を保管するテーブルにて、原価別一覧の構成詳細(投入実績ベース)を生成します。

よくある質問|原価計算と仕掛品の関係

本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。

仕掛品はどのように会計上で扱われますか?

仕掛品は会計上、B/S(貸借対照表)に月末残高として登場します。材料が投入され費用化された時点で仕掛品となり、加工費が積み上げられます。これにより、当月の発生費用は仕掛品製造原価に該当します。

発生材料費はどのように計算されますか?

発生材料費は、月初材料在庫に当月材料購入を加え、月末材料在庫を差し引くことで計算されます。この計算により、当月に実際に発生した材料費を求めることができます。

原価管理システムでは発生費用をどのように管理しますか?

原価管理システムでは、仕掛品ごとに投入品総平均単価と投入数量、加工費を用いて発生費用を計算します。これにより、品目別の発生費用と総平均単価を原価費目別に管理し、当月発生費用を仕掛品製造原価として管理します。