インドネシアの汚職撲滅委員会KPKの役割と課題

2017/03/17

インドネシア独立記念塔

インドネシアの法律は刑法と民法に分かれていますが、KPKは独立機関として特別な役割を果たしています。KPKは、立法・行政・司法の機関が関与すると疑われる疑惑について、独自に捜査や起訴を行う権限を持っています。これにより、インドネシアの法制度において重要な位置を占めています。

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インドネシアの労働法は2003年に制定され、労働者を手厚く保護しています。オムニバス法は外資参入を促進し、雇用条件を柔軟化しました。sweepingはデモ集団が工場に押しかける行動で、拘束されることもあります。

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この記事でわかること

  • KPKはインドネシアの独立機関で、汚職疑惑に対する捜査・起訴を行います。
  • KPKは国家予算の不正流用を調査し、特に大規模な汚職事件に関与しています。
  • KPKの活動は、他の監査・捜査機関と連携して行われますが、独自の権限を持っています。
  • 2019年の法改正により、KPKの捜査権限が制限され、弱体化の懸念があります。
  • KPKは制限された権限の中でも成果を上げ続け、国民の支持を得ています。

インドネシアで汚職事件の調査を行う組織とは?

インドネシアでは、KTP(Kartu Tanda Penduduk 住民登録証)の電子管理化が始まりました。しかし、KTPの延長手続きに時間がかかるようになり、カードの紙質が悪くなったため、使い始めて1年も経たないうちに角が裂け始めるなど、e-KTPに関しては多くの不満が聞かれます。

このような中、国家予算6兆ルピア(約500億円)のうち38%にあたる2.3兆ルピア(約191億円)が関係者の懐に入ったのではないかという汚職疑惑が浮上しています。汚職監視団ICW(Indonesia Corruption Watch)は、汚職撲滅委員会KPK(Komisi Pemberantasan Korupsi)に対し、マネーロンダリングTPPU(Tindak Pidana Pencucian Uang)と企業犯罪(Pidana Korporasi)として調査するよう求めています。

インドネシアでは、KPKが警察に代わって汚職の捜査を行ったり、検察に代わって被疑者の起訴を行うニュースをよく目にします。国家や地方政府、政府関係機関の決算や予算について監査・調査を行い、汚職が発生しないように監視し、汚職が疑われる事案について捜査し、汚職事件を立件・起訴する流れの中で、以下の関係機関が存在します。

  1. BPK(Badan Pemeriksa Keuangan)会計検査院⇒監査
  2. BPKP(Badan Pengawasan Keuangan dan Pembangunan)財政・開発監督庁⇒監査
  3. PPATK(Pusat Pelaporan dan Analisis Transaksi Keuangan)金融取引報告書分析センター⇒調査
  4. ICW(Indonesia Corruption Watch)汚職監視団⇒監視
  5. Polri(Kepolisian Republik Indonesia)警察⇒捜査・立件
  6. Kejaksaan 検察⇒捜査・起訴
  7. KPK(Komisi Pemberantasan Korupsi)汚職撲滅委員会⇒捜査・起訴

インドネシア語には短縮語が多く、KPKに似たものとしてKPR(Kredit Pemilikan Rumah 住宅ローン)、KPA(Kredit Pemilikan Apartemen アパートローン)、KPU(Komisi Pemilihan Umum 総選挙委員会)、PKP(Penghasilan Kena Pajak 課税所得)などがあります。政治色の強いトピックで話をしている最中に、KPKをKPAなどと間違えるとインドネシア人が怪訝な顔をすることがあります。

191億円という金額は、KPKが扱う汚職調査史上最高額とされ、組織的にばら撒かれてきたと考えられています。インドネシアの国家予算の歳出には、会計検査院BPKや財政・開発監督庁BPKPによる監査があり、さらにマネーロンダリング犯罪の防止と撲滅を目的とした金融取引報告書分析センターPPATKという調査機関も存在します。それにもかかわらず、これほどの大金の不正な流れを見逃したことに対する批判が出ています。

事例:インドネシアのe-KTPプロジェクトにおける汚職疑惑は、国家予算の大部分が不正に流用された可能性がある具体的な事例です。

要点:大規模なプロジェクトでは、透明性と監査の強化が不可欠です。

KPKに期待される役割と弱体化への懸念

インドネシアの法律は、犯罪を扱う刑法と民事を扱う民法に分かれていますが、KPKは1999年に制定された汚職撲滅法に基づいて設立された独立機関です。立法・行政・司法の機関が関与すると疑われる疑惑については、本来検察が行う捜査・起訴をKPK独自で実行する権限があります。

インドネシアでは、汚職、談合、縁故主義を合わせてKKNと略しますが、汚職のニュースが多いため、本来の意味である学生インターン仕事を忘れてしまうほどです。KPKも調査能力の低下や、インドネシア国家警察との汚職捜査の行使権争いなどで評判が悪く、内務大臣からKPK宛てのレターヘッドに、故意かどうかは定かではありませんが、汚職保護委員会と間違って書かれるというニュースがありました。

この担当スタッフはクビになったそうですが、捜査権限を持った独立機関として大胆な汚職摘発を行うことで国民の支持を得てきたKPKですが、改正汚職撲滅法によって、汚職被疑者に対する通信傍受、控訴、家宅捜索などを行う際には、大統領直轄の監督者評議会の事前許可が必要になり、これがKPKの弱体化に繋がるという指摘があります。

KPKによる汚職の現行犯逮捕件数は法改正前に比べて大幅に減少しているようですが、新年早々にKPKがブカシ市長を収賄の容疑で逮捕したニュースが報道され、権限が制限される中でも地道に成果を上げているようで嬉しく思いました。

事例:KPKがブカシ市長を収賄の容疑で逮捕したことは、権限が制限されても成果を上げ続けることを示しています。

要点:独立機関は、権限の制約があってもその使命を果たすために創意工夫を凝らすことが重要です。