リモートコントロール機能(リモートデスクトップ)は画面上に相手先の画面をレンダリング(データを画素の集合として描画すること)する機能であり、表示品質と速度を最適化し、瞬断時にフリーズせずに前の状態から作業を再開させる機能が必要です。 インドネシアのITサービス インターネット技術の急速な発展と普及により、優秀なIT人材を輩出することで知られるジャカルタのビヌス大学(BINUS)やバンドゥンのバンドゥン工科大学、インドネシアコンピューター大学(UNIKOM)の学生の多くがインターネット・WEB業界やソフトウェア業界を志望するようです。 続きを見る
世界一の渋滞都市ジャカルタ
ジャカルタは今日も渋滞
交通事故、労働者のデモ、豪雨によるバンジール
何にもなくとも自然渋滞
工業団地を往復すると丸1日潰れ
ミーティング1時間、往復4時間
現地の駐在員は理解しているが
日本のお客はその肌感覚がない
その真面目さが、その誠実さが
現地の人間を消耗させる・・・
日本主導のプロジェクトでありがちな不満をポエム調で綴ってみました。
ブリティッシュ・モーターオイル社というイギリスの会社による2015年の調査では、世界の交通渋滞都市のワースト1位がジャカルタらしいのですが、その調査指標はGPSが年間に計測したストップ・スタート(いわゆるストップ&ゴー)の回数とのことです。
The index, which uses GPS data to calculate the frequency of stop-start driving among drivers, found that motorists in Jakarta made 33,240 stop-starts annually. That is nearly twice the index’s severe level of stop-start driving, which is set at 18,000 stop-starts or more per year. The index also calculated that more than a quarter (27.22 percent) of the travel time of an average driver in Jakarta is spent in idling mode.
(2019年8月追記)オランダの位置情報テクノロジー企業であるトムトム社が発表した、2018年の世界56か国403都市の渋滞ランキングでは、ジャカルタで渋滞の大幅な減少(-8%)が見られ、ワースト7位にまで改善するなど、渋滞の緩和が見られるようです。
確かにうんざりするニュースとはいえ、日本の本社や家族に対して、ジャカルタで仕事をする大変さを理解してもらうために、「俺世界一渋滞が酷い都市で仕事しているんだよ・・・」という補足情報として自虐的に利用されているものと推測しますので、不名誉なランキングであるとはいえ、災い転じてネタとして考えればやはり「世界一」のインパクトは大きい。
インドネシア語で渋滞(Macet)と一口で言ってもレベルがあり、交通情報(Info lalu lintas)の電光掲示板の渋滞の指標は以下ようにレベル分けされています。
- Lancar(スイスイ)
- Ramai lancar(車多いけど流れている)
- Padat(ノロノロ)
- Tersendat(ブレーキ踏み踏み)
遠隔操作に必要な機能
遠隔操作を実現するためには大きく分けて最低限3つの機能が必要になります。
- リモートコントロール機能(リモートデスクトップ)
- ネットワーク越え
- セキュリティ確保
まずジャカルタのようなネットワークの不安定な国では、回線スピードの遅延や瞬断が頻発しますので、表示の品質と速度を最適化する機能が必要です。
例えば一瞬接続が切れてもスクリーンが固まることなく、復旧時に前の状態から作業を再開できるようレンダリング(データを画素の集合として描画すること)できることです。
また接続先のPCに到達するまでの道のりは長く、まず自分のPCからインターネットに接続し、巨大なインターネット網WANを巡りめぐって、客先の社内LANに侵入し目的のPCにアクセスします。
当然ながら客先の社内LANはファイアウォールでブロックされていますので、天城超えならぬネットワーク越えする必要があるのですが、そのためには自分のPCとリモート先PCとの間で、仮想トンネルを構築し、データをこの仮想トンネル内に流すことでセキュリティを確保しながらリモートPCに確実に接続する機能が必要です。
このようにインターネットという公衆WANを通る以上、データが漏洩しない高度なセキュリティが必要ですが、RSA鍵交換およびAESセッションコード化をなどの暗号化されたデータチャンネル経由で接続が確立される必要があります。
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公開鍵暗号化方式によるSSH接続
公開鍵暗号化方式はクライアントがサーバーにアクセス要求し、サーバーは公開鍵で暗号化した乱数をクライアントに送信し、クライアントは事前に渡された秘密鍵をパスワードで復号化した上で乱数を復号化しハッシュ値をサーバに返し、サーバーは乱数のハッシュ値を比較して同じであれば認証します。
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遠隔操作とVPNの違い
遠隔操作はいわゆるリモートデスクトップのことで、客先のPCやサーバーのデスクトップ環境を、手元のキーボードやマウスのインターフェースを使ってネットワーク経由で操作することで、遠隔地からコンピューターを操作するための仕組みです。
一方でVPN(Virtual Private Network)はインターネット回線上に専用のトンネルを作るものであり、外部からのアクセスが不可能な専用線で拠点間を結ぶのと同じことをインターネット公衆回線上で仮想的に作る技術のことです。
セキュリティリスクを考慮しなければリモートデスクトップだけでも遠隔操作は可能ですが、VPNと併用することでセキュリティーは高まります。
TeamViewer10を購入
Team Viewerは個人利用という制限つきでフリーでダウンロードして使用できますが、特定のPCに何度もアクセスしたり、長時間使っていたりすると、Team Viewer側から商用利用していると見なされ、警告メッセージが出るようになり、次第にその頻度が高くなると最終的に完全にブロックされてしまいます。
僕は部下のPCのブロックを解除するためにあらゆる手を尽くしましたが、アンインストールしようが、レジストリをクリアしようが、MACアドレスを変更しようが、手に負えませんでした。
そして最終的にはPC自体をフォーマットするしか解除方法がないという結論に達するまでに、3人日は費やしてしまいました。
フリーバージョンを騙し騙し使うことには限界があるため、正式にライセンス買いました。Rp.5,617,000なり。
これ、自分のPCにインストールしておけばリモート側はフリー版を起動させておくだけで十分なので、わずか5万円ほどでリモート支援できるPCが世界中に広がったと考えれば安い買い物だと思います。
僕のは1チャンネルのビジネスライセンスなんですが、10回までPC間でライセンスの移動が可能です。また嬉しいことに追加ライセンス購入する際にはわずかRp.1,114,000で済むので、部下用に1個ライセンスを購入する際にこの特典を利用しました。
TeamViewer10から11へのバージョンアップに伴う追加費用の問題
TeamViewerへの支払いはこれ1回だけで、あとは永久にライセンスを使用できるのかと思いきや、バージョン11がリリースされると同時に、有料でのバージョンアップのお誘いが来ました。
その条件がなかなか娑婆く(シャバく)てウンザリするとはいえ、ビジネスとしてはよく考えられた価格戦略だと思います。
- Team Viewer 10をRp.5,617,000で購入
- 追加ライセンスをRp.1,114,000で購入
・1チャネルの中で2PCから利用可能で同時利用はできない⇒安価なのでまあ仕方なし。 - Team Viewer 11がリリースされバージョンアップのお誘い。
・費用Rp.1,800.000 ⇒ここで絶句するも相手もビジネスなのでしゃーない。
・1チャネルの中で3PCから利用可能(3台にインストール)で同時利用はできない⇒アンチウィルスソフトの3台までインストール可能戦略と同じで機能的にはお得になったと言える。
・ただし先に購入した追加ライセンスは無効になる。⇒ここがキモで要は旧バージョンは保守コストがかかるのでメーカーとしては早く駆逐したい。
TeamViewerはバージョン10からバージョン11の端末には接続できないことをタテにとって、自主的に金払ってアップグレードしろと無言で脅迫されていると言えないこともないかもしれません。
Team Viewer13へのアップグレード
今回Teamviewer10から13にアップグレードしましたが、Team Viewer13からBusiness Subscription License、すなわち年間使用料システムに変わっており、正確に言うと「アップグレード(Upgrade)」ではなく「マイグレーション(Migration)」であり、費用はRp.2,148,000/年でした。
同時接続のチャンネルは変わらず1つで、最大3台の端末までインストール可能であるのは前バージョンと同じですが、3台の端末の登録の仕方と各端末からの利用方法が若干判りにくいです。
- 最大3台の端末に同じラインセンス番号でインストールする。どの端末にインストールしたかはManagement Consoleの「Profile Setting-License」から確認できます。
- 各端末からログインすることで「Help-About Team Viewer」で表示されるライセンスが「Free」から「Business」に変わります。
スカイプとWebEXの違い
WEB会議システムに最低限求められる機能は、音声通話とカメラによる動画配信、デスクトップの共有、チャットの4点セットであり、だいたいどの製品も接続可能なPCの台数によって価格体系を変えています。
僕の場合、日本のお客との会議ではSkypeかCisco WebEXの2択になりますが、無料のSkypeに比べて有料のWebEXが勝っていると感じるのは
- 招待メールを事前に送れる。
- アドレス帳にメルアド登録が可能。
- 招待メールからカレンダーへの登録が可能。
- 招待メールから会議参加へのリンクが踏める。
- 会議ごとにパスワードが設定できる。
- 会議の録画ができサーバーからダウンロードできる。
よく言われる「無料のSkypeに比べて有料のWebEXは通話の品質が良い」という点については、おそらくある一定レベル以上のインターネット環境で比べた場合の話であって、通信が不安定な環境では、どんなシステム使っても悪いものは悪いです。
逆にSkypeに出来てWebEXに出来ないのは固定電話への通話くらいでしょうか。
WebEXのライセンスをインドネシアの代理店から購入すると、後日送られてくるSales Order numberにてアクティベーションが必要であり、このときwebex.comのサブドメインとして「サブドメイン名.webex.com」という自身の管理サイトを登録します。
このアクティベーションがうまく認証されなかったり、事前に言語設定をすると後で管理画面から別の言語に変更できなかったり、管理者(ライセンス購入者)からすると大味に感じる面もありますが、PCにアプリをインストールするのではなく、ブラウザからアクセスすることで、ActiveXプラグインが自動でダウンロード&インストールされるので、会議への参加者にとっては負担がかかりません。
買取方式と月額払い方式の追加コストのリスク
大人数が参加するカンファレンスに使うのではなく、複数拠点間でのWeb会議の用途であれば、スモールビジネス用のWebEx MC with VoIP small biz new sub(Rest of World)で十分であり、買取価格は日本円で18万2千円、インドネシアでは21juta(2016年現在)となっています。
ただし卸の価格リストを見ると650ドルになっているので、仕切が4掛け(小売価格の4割)程度に抑えられているようです。
日本のサイトには何故か価格表がないのですが、月額利用方式の場合は24ドルで利用できるので、6年以上使えば買い取ったほうが得と言えますが、WebEXのようにブラウザからActiveXやJavaをダウンロードするタイプのシステムは、アップグレードに伴う追加費用を請求されるリスクは小さく、その一方で月額利用料金はメーカーの都合で値上げされる可能性があります。
遠隔操作ソフトTeamViewerのようにPCにインストールするタイプのシステムは、バージョンアップには追加費用がかかるので古いバージョンのままで使い続けようとすると、新バージョンをインストールしたPCと接続できなかったりするなどのいやがらせ機能的制約が出ます。
2014年にMicrosoftがWindows XPのサポートを中止したように、TeamViewerも旧バージョンがいつまでも流通していると保守コストがかかり、どこかで線を引く必要があるのは仕方のないことですが、Cisco社の場合はWebEXを低い掛け率で代理店販売する代りに、保守コストを代理店に分散させる戦略なのかもしれません。