インドネシアのビジネス

ポストコロナ禍のオンラインとオフラインの使い分け【非対面取引時代に重要になるバイヤーイネーブルメントという営業活動】

2020/05/03

在宅ワーク悲喜こもごも

インドネシアでWEBを起点としたインバウンド営業がリーチするのは潜在的顧客層の5割程度で、残りの5割は頭の中にシステム化の必要性は感じるものの、具体的な構想まで浮かんでいない状態で、そういうお客様にタイミングよくコールして、構想を具体的な形に描いていくアウトバウンド営業が効果的です。

在宅ワーク悲喜こもごも

手前味噌ですが今年の2月で弊社はインドネシア国内投資会社(PMDN)として3周年目を迎えました。

小さい会社なので特にイベントを開催するとか、記念卓上カレンダーを製作して配るとかはしませんが、名刺のデザインを一新したり、WEBサイトのテーマ変えたり、何か区切りとなる証を残したいと思っていた矢先の新型コロナウィルス騒動で、時間はたっぷりあれど気持ち的に余裕がなく、ダラダラとしている間に5月に突入していました。

Work From Home(WFH)、インドネシアではKerja Dari Rumah(KDR)とか言われ、SNS等では「やってみたらリモートのほうが効率が上がった」「成果物至上主義で結果を出せない人間があぶり出される」「リモート中心の時代への対応が出来ない企業は淘汰されていく」とか言う肯定的、扇動的な声を聞きますが、恥ずかしながら弊社の場合はリモート勤務で生産性がガタ落ち、スタッフに聞きたいことを質問してもレスが遅く、頼んだ仕事の報告は遅れがちになり、自由を満喫しているスタッフの裏で、こっちはプライドの高い技術者にガミガミ言うことでヘソを曲げられても困るという不安から、僕一人がコミュニケーションストレスを抱えています。

普通に考えて在宅ワークするスタッフの自宅には奥さん子供もいて、副業で店やっていれば奥さんから店番頼まれることもあるだろうし、インドネシア人スタッフが狭い自宅に書斎など持っているわけもなく、集中してシステム開発ができるわけがないのです。

さらに4月23日からラマダン(断食)期間に入り、早朝4時頃起き出して断食開始前の食事サウール(Sahur)を食べて、ファジュル(Fajir)の礼拝をしたあと5時間も経っていれば、睡眠不足かつ喉の渇きに耐えるイスラム教徒のスタッフが、コーディング作業でエネルギーを消費するよりも、横のソファに寝っ転がりたいと考えるのは、もはや人間の生存本能として至極当然です。

僕自身は毎日ダイニングテーブルで仕事をしており、その間嫁はんは家事や庭の手入れのためにいそいそと動いているわけですが、僕がどんなに集中してシステムの提案書を作成していようと、重要な請求に関する金額計算をしていようと、物理的に動いて仕事をしている人間から見ると、デスクに座っている人間は暇に見えるらしく、嫉妬心が働きいい気持ちはしないらしいのです。

在宅ワークが夫婦間の喧嘩や家庭内暴力を誘引する傾向があることは統計上はっきりしており、想像するに引き金は奥様の(わたしが家事育児で忙しい中、なんであなたはボーっと座っていられるワケ)という感情のもつれではないかと思うのですが、これは人間が理性と感情のバランスの中で生きる社会的生き物である限り仕方のないことであり、解決策としては旦那さんが感情的に反発しない努力をするしかないと思います。

感性中心で動く嫁はんと理性中心で動く僕との間で平和が保たれるには、常に僕が妥協し続けるしかなく、妥協を損失と考えず自分の理性で相手の感性を支配することに成功したと考えることが出来れば、夫婦生活はもう怖いモノなしです。

潜在顧客の購買担当者にオンラインで訴えかけるバイヤーイネーブルメントという営業活動

コロナ禍で今後顧客の購買までの意思決定の比重がよりオンラインに移行することが予想されますが、インターネットを駆使して購買活動を進めていく潜在顧客の購買担当者に、役立つ情報を提供して結果的に自社の商品を選んでもらおうという営業活動をバイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)と言います。

営業活動における非対面の割合が増えるにつれて、従来のフィールドセールスのように、対面して信頼関係を築いてからはじめてプロダクトの説明に入るというやり方では、その間に他社は既にオンライン上でプロダクトの説明は済ませて、一歩先のカスタマイズや金額の話に移行しています。

これは企業で世代交代が進み若いミレニアル世代(1981年以降に生まれ、2000年以降に成人を迎えた20代前半から30代後半くらいの年齢の人々)やZ世代(1990年中盤以降生まれの10代から20代前半くらいの年齢の人々)が購買担当を担うようになってきているからであり、子供の頃からインターネットで情報収集することに慣れているこの世代は、オンラインでの情報収集に基づくプロダクト選定に対して抵抗がありません。

コロナ禍の非対面取引時代の中で、インドネシアでも営業活動のデジタルシフトが進み、ウェビナーやWEBサイトからのリード獲得が重要になりつつあります。

ポストコロナ禍のオンライン営業とオフライン営業の使い分け

ポストコロナ禍でサービス業者のすべての企業活動が完全オンライン化されるとは考えにくく、今回の在宅ワークで見えた負の側面を反省したうえで、オンラインに置き換えられる業務が絞られると思います。

弊社ではブカシ市労働局の指導によりやむを得ず在宅ワーク体制にしましたが、社内業務については生産性が落ちることが判明したので、解除後には通常どおりオフィスでの業務に戻す予定であり、営業面では会社紹介や製品紹介などのファーストコンタクトをリモートで行えないかと検討しています。

「物理的に客先を訪問しないと失礼にあたる」「細かい製品説明が伝わらない」など否定的な側面も考えましたが、お互いに拘束される時間が最小限になるというプラスの面が大きいため、営業活動のドアノックの部分はリモート化することで、むしろ本当に本気のお客様に対してのみ物理的な訪問をすることができ、移動コストの削減が期待できます。

僕はインドネシアに来た1997年からずっと「WEB BASED BUSINESS」というフレーズを仕事の軸にしてきましたが、このフレーズが一般的に正しく通用するものなのかという話は別にして、言いたいことはWEBをベースにしたビジネスは、物理的な距離を超えて商圏を無限に広げることができ、過去のデータがアーカイブとして蓄積され無限に未来の販促効果を生み出すということです。

2007年まではバリ島でリアルワークの象徴みたいな家具や伝統工芸品を、オンラインで日本の業者様向けに販売し、現在は製造業システムの開発導入というリアルのサービスを、オンライン上にある当サイトを起点に提案させていただいております。

インドネシアでこのWEBサイトを起点としたインバウンド営業がリーチするのは、お客様がWEB上で情報収集し、システム選定まで進むケースであり、感覚的には潜在的顧客層の5割程度がここに該当するのではないでしょうか。

そして残りの5割のお客様は、頭の中にシステム化の必要性は感じるものの、具体的な構想まで浮かんでいない状態で、そういうお客様にタイミングよくコールして、構想を具体的な形に描いていくアウトバウンド営業が効果的であることは変わりありません。

インドネシアでポストコロナ禍で業務のオンライン化が進んでとしても「ビジネスではタイミングが重要である」という基本原則には変わりはないため、オンラインを通したアウトバウンド営業が無くなることはないと考えます。

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