リアル集客セミナーに比べてウェビナーの最大の利点は気軽さですが、同業他社による似た内容のウェビナーが乱立する可能性もあるわけで、同時期に内容を重複させない意味でも、テーマを絞った短時間のセミナーを頻繁に行うスタイルになると思います。 インドネシア市場でのビジネスで重要な要素は価格とブランド、コネの3つと言われますが、必ずしもこれらを持ち合わせない日本人はどのように戦えばよいのか。これはインドネシアに関わり合いを持って仕事をする人にとっての共通の問題意識かと思います。 続きを見る
インドネシアのビジネス
リアルセミナーとオンラインセミナーの企画は全く発想が違う
弊社では年に数回、CibitungのMM2100工業団地やCikarangのEJIP工業団地、KarawangのKIIC工業団地の管理事務所の会議室を借りて、日系製造業様向けの生産管理システムのセミナーを開催させていただいておりましたが、コロナウィルス感染拡大により「三密」環境を避けるため、今後はオンラインによるウェビナーを中心に企画していく予定です。

リアルセミナーを開催する場合は、渋滞の中を遠方から参加していただけるお客様のことを考えて、2セッションから3セッションを3時間ほどかけて行い、セミナー閉会後には近くの日本食レストランにて懇親会を開くなどのホスピタリティに気を配りますが、そうこうするうちに半日は過ぎてしまいます。
これがウェビナーの場合だと根本的に発想の転換が必要で、お客様はご自分の事務所または自宅のPCから接続するだけなので参加への敷居は下がる一方で、リアルセミナーのように「せっかく時間かけて参加するんだから寝ないで聞こう」というモチベーションは期待できません。
主催者側にとっては「せっかく2時間もかけて来ていただいたのに30分で切り上げるのは申し訳ない」という発想を捨てて「気軽に参加してくれたお客さんが飽きないようにテーマを絞って短時間で切り上げる」という真逆の視点から企画することになります。
リアルセミナーではターゲットとなる潜在顧客のロケーションを考慮した上で、開催場所の選定に頭を悩ませましたが、オンラインの場合は基本的には場所を問わず、どこからでも参加を募ることが出来るとはいえ、弊社のような業務システムに関するウェビナーでは、後のフォローアップがリアルな訪問にならざるを得ないため「インドネシア国内限定」などの、ある程度の地域を限定するほうが効果的です。
ウェビナーの利点と今後の在り方
リアルセミナーの場合、スクリーンに投影されるパワーポイントの資料は後方の席から判読しにくかったりしますが、ウェビナーではZoomなどのオンライン会議ソフトには必ず実装されている画面共有の機能を使うことで、参加者全員は同じ品質の画像が見られます。
またリアルセミナーの質疑応答の時間に、大勢の参加者の前で挙手するのは相当な勇気が必要ですが、ウェビナーでは顔見せなしでの出席が可能なので、主催者のプレゼン中にも気軽に質問することができます。
専門家に日本からインドネシアに1時間の講演のために出張していただくのは時間もコストもかかりますが、ウェビナーではオンラインで気軽に基調講演が依頼できますし、開会や閉会のあいさつをメーカーの社長に依頼することもできます。
リアルセミナーでは費用対効果の面から「お申込みが5名様以上の場合に開催」といった条件が付くことがありますが、ウェビナーは主催者にとってコストがかからず、参加者にとって顔出しの必要がなく匿名性が保証されるので、極端な話1名でも参加者があれば断行することに意義があります。
インドネシアの場合、若干の懸念事項としてネット回線が突然ダウンして講演が中断するという事態が想定されますが、リアルセミナーのために日本から出張講演を依頼した場合ですら、Tol(高速道路)の事故による大渋滞のせいで、ホテルから会場への到着時間が遅れることはありますので、回線トラブルはウェビナーのリスクとはいえご愛敬の一つと言っても許されると思います。
このようにウェビナーの最大に利点はその「気軽さ」であり、リアルセミナーで考慮する必要がなかった、カジュアルなエンターテイメント性が求められるため、オンライン飲み会のような軽いノリのほうが受入られやすいと思います。
一方で気軽に開催できるということは同業他社による似た内容のウェビナーが乱立する可能性もあるわけで、同時期に内容を重複させない意味でも、短時間のセミナーを頻繁に行うスタイルになると思います。