インドネシアのローカルPTが外国人を雇用するための最低資本金

本記事のポイント

日本で2006年の新会社法の制定以前に、会社設立の際に有限会社か株式会社か(稀に合資会社・合名会社も)の2択だったのが、現在では株式会社1択になったのと同じように、インドネシアでも以前はCV(有限会社・合資会社)かPT(株式会社)の2択だったのが、現在ではPTの一択になっています。

つまりインドネシア名義でローカルPTを設立する際は日本とほぼ同じく、株式会社ではあるけれども株式の譲渡は会社の承認が必要(株式譲渡制限会社)という、実質個人商店と同じようなオーナー経営者の法人になります。

ただ日本の場合は資本金1円、取締役1名で設立可能(以前は3名)ですが、インドネシアの場合はディレクター(代表取締役)とコミサリス(監査役)という最低2名のインドネシア人が必要必要になります。

日本とインドネシアのどっちが会社を作りやすいか

インドネシアにローカルPT(株式会社)を設立して、会社をスポンサーとして自分のビザを取る場合に必要な、会社の最低資本金の額を聞かれることが多いのですが、2016年現在では1人あたり1milyar(約800万円)が望ましいとされており、数年前に比べてハードルが2倍に上がっています。

日本では2006年の新会社法により新規に有限会社自体が設立出来なくなり、その代りに株式会社ではあるけれども株式の譲渡は会社の承認が必要(株式譲渡制限会社)という、実質個人商店と同じようなオーナー経営者の法人を作ることができるようになりました。

  1. 資本金1円
  2. 取締役1名で設立可能(以前は3名)
  3. 取締役会の設置も任意
  4. 決算公告義務なし

一方で日本人がインドネシアでローカル株式会社設立するためには、インドネシア人のディレクター(代表取締役)とコミサリス(監査役)という最低2名のインドネシア人パートナーが必要になります。

さらに会社をスポンサーとして自分の就労ビザを取得するためには、現在では法定資本金1milyar(約800万円)のうち払込資本金として必要なキャッシュは25%の200万円くらいが必要になります。

かつて「日本とインドネシアどっちが会社を作りやすいか」という議論が日本人同士の飲み会の席でなされることがありましたが、新会社法施行以降であれば圧倒的に日本のほうが簡単であると言えます。

ローカルPTとして外国人を雇うための条件

テレビのニュースでマレーシアや香港から強制退去させられるインドネシア人はTKI(Tenaga Kerja Indonesia)と呼ばれますが、インドネシアで働く我々外国人労働者はTKA(Tenaga Kerja Asing)と呼ばれ、雇用にあたって会社が守るべきいくつかの条件があります。

  1. 法人(Badan Hukum)として法的な書類を備えていること。
  2. 特定の分野(人事など)の仕事に外国人を就かせないこと。
  3. SIUP(Surat Izin Usaha Perdagangan)商業許可証に規定される法定資本金が最低1mlyarが望ましい。

そして会社はTKAとして保証する外国人に対して以下の書類を準備する義務があります。

  1. Rancangan Penggunaan Tenaga Kerja Asing/ RPTKA:外国人雇用計画書
  2. Rekomendasi pengguaan tenaga kerja asing/ TA 01:スポンサーレター
  3. Telex Visa Izin Tinggal Terbatas/ VITAS:ビザ発給許可(テレックスビザ)
  4. Izin Mempekerjakan Tenaga Asing/ IMTA:就労許可証
  5. Kartu Izin Tinggal Terbatas/ KITAS:滞在許可証
  6. Surat Tanda Melapor/ STM:居住区管轄の警察への届け出
  7. Surat Keterangan Kependudukan Sementara/ SKKPS:住民登録証
  8. Laporan Keberadaan Tenaga Kerja Asing/ Lakeb:外国人雇用報告証
  9. Exit Re-entry Permit (izin keluar masuk Indonesia bagi tenaga kerja asing/ TKA):再入国許可証

インドネシアのPT以外の会社形態

日本で新会社法の制定以前に、会社設立の際に有限会社か株式会社か(稀に合資会社・合名会社も)の2択だったのが、現在では株式会社1択になったのと同じように、インドネシアでも以前はCV(有限会社・合資会社)かPT(株式会社)の2択だったのが、現在ではPTの一択になっています。

ただし日本の場合は事業目的に柔軟性を持たせたり、最低資本金額を撤廃したり、起業の門戸を広げるために行われたものであるのに対し、インドネシアの場合は国内産業保護の観点から、外資規制をより厳格化にするための措置であるという点が間逆で面白いところです。

UD(Usaha Dagang)個人商店

ジャカルタではあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、バリ島では家具屋や雑貨商や建築資材屋なんかの店先にUDの看板を見ることが多く、UDは法人格ではないので資本金もないため、損害賠償等の請求は無限責任で個人の財産にも及びます。

CV(Comanditaire Venotschap)有限会社・合資会社

以前バリ島で家具の輸出をやっていたときの会社がこのオランダ語を語源とするCV形態でしたが、現在はCVで外国人を雇用することができなくなりましたので、外国人がCVで起業することはなくなりました。

PT Tbk(Terbuka)

株式が新規公開IPO(initial public offering)済みの会社であり、BEI(Bursa Efek Indonesia インドネシア証券取引所)にて売買可能な会社です。