会計システムと原価管理システムの要点

本記事の概要

    • 売上原価は出荷ベースの当月発生費用で、製造原価が製品生産数量ベースの当月発生費用で、当月材料費が投入数量ベースの当月発生費用。
    • 総平均法は当月発生費用(@材料x投入数量)、当月製造原価(@製品x生産数量)、当月売上原価(@製品x出荷数量)を抑えて月末在庫を算出し、三分法では月末在庫を押さえて当月発生費用と当月製造原価と当月売上原価を算出する。
    • 製造原価は直接材料費と直接労務費と製造間接費から構成され、直接労務費単価(作業時間按分)は「賃率x工数(能率)」で算出され、製造間接費単価は「配賦率」そのものである。
    • 月初在庫をOpening Stock(プラス費用)に振替え、仕入は全額費用計上すると費用過多なので、月末在庫をClosing Stock(マイナス費用)振替えて資産計上すれば総利益は正しくなるが、三分法で売上原価勘定に振替えることでP/L内で「売上-売上原価」を表示できる。
    • 間接法のC/Fは、発生主義ベースのP/Lから、現金を伴わない収益費用が認識されたAccount Balance部分に基づき、現金主義ベースに修正する。
    • 無償支給は材料は自社資産のまま外注へ在庫移動するだけなので支給の際に仕訳なし、有償支給は外注に材料を販売するとはいえ、後に入荷した後に販売で売上が立つため、支給時には未収金プラス材料マイナスとし、入荷時に未収金を外注加工費に振替える。

【重要】親のレコードグループで纏めた原価費目別の生産数量ベースの集計費用は、子以下をレコードグループ単位に纏めた投入数量ベースの構成費用の累計と同額で、親が材料または仕掛品なら当月発生費用と呼ばれ、製品なら製造原価と呼ばれる。

  1. 生産実績の原価と投入実績の原価
    • 生産実績(レベル0)ごとに生産数量ベース(親)の発生費用(集計)と、投入品目(レベル1)からレベル最下層までの親子関係で投入数量ベース(子)の発生費用(工程別)を持っており、レベル0の集計はレベル1~レベルNの合計になる。
    • レベル0のレコードタイプが0(当月発生)の品目が材料なら発生材料費、仕掛品なら発生材料費+発生加工費、製品なら製造原価になる。
  2. 生産数量ベースの当月発生費用(生産実績)
    • レベル0品目はレコードタイプが0(当月発生)またはT(総平均)として、生産数量ベースの費目別集計金額をレコードグループで束ねることで、「原価品目別一覧(当月製造費用)」または「総平均単価(費目別)一覧」を生成。
    • レベル0のレコードタイプが7(売上)の場合、レベル0の実際金額がそのまま売上金額になるのは、売上に原価費目はないから。
    • レベル0のレコードタイプが1(月初在庫)3(月末在庫)の場合、集計をレコードグループで束ねることで、費目別月初在庫と月末在庫が取得できる。
    • レベル0 vs 集計はレコードグループで1 vs N
  3. 投入数量ベースの当月発生費用(投入実績)
    • レベル0品目はレコードタイプが0(当月発生)時に、使用数量展開の同一レコードグループ単位で親子関係持ち、投入数量ベースの費目別発生金額展開をレコードNOで束ねることで、「原価品目別一覧の構成詳細」を生成。
      1. レベル0 vs 展開
        レコードグループで1 vs N
      2. 展開 vs 原価
        レコードNOで1 vs N

原価テーブルの関係

【重要】売上原価(COGS)は製品の出荷数量ベースの当月発生費用、製造原価(COGM)は製品の生産数量ベースの当月発生費用、発生費用は製品未満(会計的には材料部分が発生材料費でそれ以外が加工費)の投入数量ベースの当月発生費用、期間原価は発生月ですべて費用化する原価

  1. 三分法における製造原価と売上原価の考え方
    • 製造原価とは製品の生産数量ベースの当月発生費用で、売上原価とは製品の出荷数量ベースの当月発生費用。
    • 継続記録法では製品は出荷時(継続記録法)にその都度売った分だけ費用化し、残りは資産として月末在庫になる
    • 三分法では月末に月初在庫と月末在庫を差し替えることにより、資産勘定(製品)を更新すると同時に、Opening StockとClosing Stockの費用コントラ勘定を通して月初と月末の差異分を費用化(在庫減)または費用から控除(在庫増)し総利益(総収益-総費用)を計算する。
    • 三分法でOpening Stockと仕入とClosing Stockの3つの費用科目を売上原価に振替える(各科目の残を0にする)ことにより、総費用の中から出荷数量ベースの発生費用のみを売上原価に振替えて、PLに売上総利益(売上-売上原価)を表示する。
  2. 期間原価(販管費など)は発生月ですべて費用化する。

製造原価は総平均単価による積上計算では「投入品総平均単価x使用数+自工程加工費」で計算され、生産実績ベースの当月発生費用集計に格納されるが、三分法で月初仕掛品+当月発生費用-月末仕掛品と同じで、どちらも原価費目別にPortion管理できる。

  1. 三分法と総平均法
    • どちらでも発生材料費(仕掛品製造原価の材料費部分)も製品製造原価も計算できる。
    • 三分法で製造原価報告書にて「月初仕掛品+当月製造費用-月末仕掛品」で算出される製造原価は、総平均法では「投入品目の総平均評価額+自工程発生費用」で算出するので、材料から製品に向かって順番に総平均単価を算出する必要がある。
    • P/Lには製造原価報告書で算出済みの製造原価を元に「月初製品+当月製造原価-月末製品=売上原価」を記載し売上総利益を計算する。
  2. 「Rolling Costing」は「積み上げ計算」であり「ころがし法」でもあり、材料費から順番に各工程の加工費を積み上げていく。
    1. 材料の総平均単価を算出。
      • (材料月初金額+当月購入金額)/(月初数量+購入数量)
    2. 材料発生費用(投入数量ベースの発生費用)が計算できる。
      • 材料総平均単価x使用数量
    3. 仕掛品の製造原価(材料より大きく製品未満の発生費用)が計算できる。
      • 材料発生費用+自工程加工費
    4. 仕掛品の総平均単価を算出
      • (月初在庫+仕掛品製造原価 )/(月初数+当月生産数)
    5. 製品の製造原価(当月出来高が上がった製品の生産数量ベースの発生費用)が計算できる。
      • (仕掛品総平均単価x使用数量)+自工程加工費
  3. 材料費部分と労務費部分を切り離して三分法で製造原価をPortion管理(部分)
    1. 当月発生材料費
      月初材料在庫+当月購入材料-月末材料在庫=当月発生材料費
    2. 当月発生仕掛品原価
      (月初仕掛品材料費部分+月初仕掛品労務費部分)+(当月発生材料費+当月発生労務費)-(月末仕掛品材料費部分+月末仕掛品労務費部分)=(当月製品製造原価材料費部分+当月製造原価労務費部分)

【重要】総平均法で当月発生費用を押さえて月末在庫を計算するか、三分法で月末在庫金額を押さえて当月発生費用を計算するかの違い

当月発生費用とは材料投入による材料費の発生と加工費の発生で、三分法で月末在庫を押さえて材料発生費用を計算することも、総平均法で先に材料発生費用を押さえて月末在庫金額を計算することも可能。

  1. 発生材料費
    • 三分法(月末在庫を押さえて材料費発生を算出)
      • 月初材料在庫+当月材料購入-月末材料在庫=当月材料費発生
    • 総平均法(材料費発生を押さえて月末在庫を算出)
        • {(月初材料在庫+当月材料購入)/(月初材料数+当月購入数)}x投入実績数=当月材料費発生

      月初材料在庫+当月材料購入-当月材料費発生=月末材料在庫

  2. 当月仕掛品製造原価(材料より大きく製品未満)
    • 当月材料費発生+当月加工費発生1
    • 投入品目の「総平均単価x投入数量」に自工程加工費を積み上げたもの。
  3. 製品製造原価
    • 三分法(月末在庫を押さえて製造原価を算出)
      • 月初仕掛品在庫+(当月材料費発生+当月加工費発生1+当月加工費発生2)-月末仕掛品在庫=当月製品製造原価
    • 総平均法(製造原価を押さえて月末在庫を算出)
      • {(月初仕掛品在庫+当月仕掛品製造原価)/(月初仕掛品数+当月生産数)}x投入実績数+当月加工費発生2=当月製品製造原価
      • 月初仕掛品在庫+(当月材料費発生+当月加工費発生1+当月加工費発生2)-当月製造原価=月末仕掛品在庫

【重要】「製造原価=直接材料費+直接労務費+製造間接費」と3種類から構成され、直接労務費=賃率x作業時間で、製造間接費=配賦率x生産数量で算出され、賃率と配賦率は実際労務費発生額(労務費予算)と実際作業時間(標準作業時間=能率)から算出される。

  • 原価は直接材料費と直接労務費と製造間接費の3種類に分かれ、直接労務費=賃率x作業時間で、製造間接費=配賦率x生産数量で算出されます。
  • 直接労務費は「1時間あたりいくら」というように時間(工数=能率)に比例して按分するのが適当であり、製造間接費である建屋の減価償却費は「1個あたりいくら」というように、生産数量で按分するしかなく、直接労務費と製造間接費とでは、品目按分するための基準が異なるため、按分比率も賃率と配賦率というように区別されます。
  • 実際原価の場合は、当月の製造間接費実際発生額や実績数量をベースとして実際配賦率が算出されるのに対して、標準原価の場合は、製造間接費予算と予定数量をベースとして予定配賦率(標準配賦率)が算出されます。

標準原価は直接材料費(モノ)・直接労務費(人)・製造間接費(機械)について固定費も変動費のように扱い、製造間接費は標準稼動時間、実際稼働時間、基準稼働時間ごとに変動配賦率と固定配賦率を掛けた理論値と実績製造間接費との差異を分析する。

  1. 標準原価は固定費も変動費のように扱うところがキモ
    1. 直接材料費=単価x数量
    2. 直接労務費=賃率x工数
    3. 製造間接費=配賦率x稼動時間
  2. 材料費(モノ)と労務費(人)の差異
    1. PO価格総額がネゴの結果購買単価マスタ価格x購入数量より安く済んだ。
      価格差異=(実際単価-標準単価)x実際数量
    2. BOMの材料必要量x生産数よりも、NGにより材料投入実績が多くなった。
      数量差異=(実際数量-標準数量)x標準単価
      価格差異と数量差異
    3. 賃率差異=(実際賃率-標準賃率)x実際作業時間
      実際賃率=実際直接労務費÷実績作業時間
    4. 作業時間差異=(実際作業時間-標準作業時間)x標準賃率
      賃率差異と作業時間差異
  3. 製造間接費(機械)の差異
    • シュラッター図上で、標準稼働時間(目標)、実際稼動時間、基準稼動時間(計画)を元に、固定費も変動費と同様に配賦率x稼働時間と考え、この枠組みの中で実績製造間接費が発生する。
      • 配賦率x標準稼動時間=標準変動費と標準固定費
      • 配賦率x実際稼動時間=実際変動費と実際固定費
      • 配賦率x基準稼動時間=基準変動費と基準固定費
    1. 能率差異(XYグラフ上の差異)
      • 能率差異(変動費部分)=実際変動費-標準変動費
      • 能率差異(固定費部分)=実際固定費-標準固定費
    2. 予算差異
      • 実績変動費-実際変動費(実際稼動時間に基づく理論値)であり、材料費や賃率(変動費配賦率)上昇により、実績製造間接費が実際製造間接費(配賦率x実際稼働時間)をオーバーした分。
    3. 操業度差異(XYグラフ上の差異)
      • 基準固定費-実際固定費であり、基準稼動時間(フル稼働)と実際稼動時間の差による損失分

シュラッター図

製造原価を変動費(金額が数量に比例/単価は一定)か固定費(金額が固定/単価は数量に反比例)かに分類または費目別(直接材料費・直接労務費・製造間接費)に分類するかの2通りあり、製造間接費は製造変動費と製造固定費に分ける。

  1. 製造原価を変動費か固定費かにより分類
    • 変動費は主に生産の受払実績から得られる直接材料費と外注加工費であり、固定費は会計から得られる費用で直接費(頭6)と間接費(頭7)の2種類ある
  2. 製造原価を直接費か間接費かにより分類
    • 直接材料費、直接労務費、製造間接費

    製造原価の分類方法

  3. 製造間接費(頭7)と同じ費用が販売管理費(頭8)で発生する。
  4. 標準原価では製造間接費も製造変動費と製造固定費に分け、製造固定費も変動費のように考える
    1. 直接材料費(モノ)・直接労務費(人)・製造間接費(機械)というグループの下で、製造間接費は間接材料費・間接労務費・経費のサブグループに分かれる。
    2. 標準原価計算において製造間接費は、製造変動費(Overtimeや機械の光熱費)と製造固定費(間接労務費など)に分けて考える。

固定費である労務費も変動費である材料費(単価x数量)のように賃率x工数で計算するのは、人工計算(単価x人日)で支払加工賃を見積もるため。

  1. コストセンター(直接部門)の賃率計算
    • 工数=直接作業時間(分)であり、GLからの勘定科目単位の労務費合計のコストセンターへの按分比率は、実際直接作業時間のコストセンター別合計値。
    • コストセンター作業員の出退勤データ(退勤時間-出勤時間)から作業日報の間接作業(直接製造に関わった時間以外)時間を引いた直接作業時間合計をコストセンター別に集計し、製品別直接作業時間=
      コストセンター別直接作業時間合計x{(標準工数x生産数)/SUM(標準工数x生産数)}直接作業時間合計を製品に按分する比率として、それぞれ工数の違う製品の生産数だけを使うのは乱暴なので、標準工数x生産数を使う。
  2. 賃率と工数
    1. 工数(1個あたり何分)と賃率(1時間あたりいくら)の関係は、かつて発注先と外注先との合意の下で支払加工賃=標準工数x標準賃率が適用されたが、現在は経営指標の意味あいが強い。
    2. 賃率を下げるには「同じ稼動時間でコストを下げる」か、「同じコストで稼動時間を増やす」かだが、成果を生むのは直接作業時間なので、直接作業者比率が増えると賃率が下がり、間接作業者比率が増えると賃率が上がる。
    3. 賃率とは時間コストであり、縫製直接人員は最低70%は確保しないと賃率を押えることも加工高を上げる事も苦しい。

【重要】原価を変動費(仕入費用)と固定費(家賃)に分類する場合の限界利益(荒利=売上-変動費)と限界利益率(荒利率=粗利/売上)と損益分岐点(固定費/限界利益率)

  1. 原価=変動費+固定費であるので、同じように単価=変動単価+固定単価も成立し、変動単価は売上に無関係に一定だが、固定単価は売上に反比例して小さくなる。
  2. 粗利でいかに固定費を回収するか
    6で仕入れ(変動費)て10で売るというのは原価の6掛け(メーカー希望小売価格の6割)、つまり利益率0.4ということであり、これで家賃と人件費30(固定費)を回収するにはいくら売ればいいかという小売店の発想の場合、利益率0.4(粗利/売上)が限界利益率(粗利率)であり、売上-仕入(変動費)=4が限界利益、固定費30/限界利益率0.4で損益分岐点売上75を算出できる。

実際原価計算予定配賦では実際発生額と予定配賦額の差異は売上原価と月末在庫に按分される

  1. 材料費は移動平均法で入荷の都度更新され、労務費と製造間接費はBOMに予定配賦率を設定し、実績消費量を元に予定配賦額を算出し、月末に実際発生額との差異の調整仕訳を起こします。
  2. 実際発生額と予定配賦額の差異は差異勘定に計上され、月末に売れた分(売上原価)と残った分(月末製品在庫)に按分されます。

【重要】月初在庫をOpening Stockという費用に計上し、仕入を全額費用計上すると費用過多なので、月末在庫分を資産に振替え、費用から控除するのが三分法

  1. 三分法の月末在庫振替の意味
    • 月初在庫をOpening stockという費用勘定に全額振替え、買ったときにも全額仕入という費用勘定に計上し費用過多状態にある状態から、月末在庫に残った分を資産に振替えることで費用から控除した発生費用(売上原価)。
    • 三分法は費用過多を月末に資産に振替えてP/LとB/Sを正しくする方法であり、Opening Stock勘定とClosing Stock勘定とPurchase(仕入)勘定の3つの残高を0にしてP/L上から抹殺する代わりに、差額を売上原価勘定(売った分の費用)の残高にする。
    • 買ったとき資産計上する継続記録法ではB/Sの資産はリアルタイムで正しく、売ったときにはじめて費用計上されるので、総利益もリアルタイムで正しく、月末在庫振替必要なし。
    • P/LとB/Sは月末にしか出力しないという前提の下で、買った時に費用化するというのは月末に在庫振替が発生することで総利益は計算され、さらに三分法で売上原価を算出することにより、P/Lの内訳がより明確になる(P/Lに売上原価表示は必須)。
    • 三分法しなくても月初在庫と月末在庫を相対勘定(借)Opening Stockと(貸)Closing Stockで費用に振り替えさえすれば総利益は正しく計算されている。
  2. 三分法のP/Lの状態
    1. 月中にPurchase(仕入)計上
      総収益-総費用=振替前総利益(当月購入分はすべて費用計上された状態)
    2. 月末に月初在庫と月末在庫を振替えてBS作成
      {(総収益+Closing Stock)-(総費用+Opening Stock)=総利益
      差分は在庫の増減に反映済みでB/Sが完成し、P/Lの総利益は正しい状態だが、売上原価がまだない状態。
    3. 収益を売上とその他収益に、費用を売上原価とその他費用に分離してP/L作成
      {売上-(Opening Stock+当月仕入-Closing Stock)}+その他収益-その他費用=総利益

【重要】継続記録法と三分法の最大の違いは払出の有無と売上原価化のタイミング

  1. 最大の違いは払出入力の有無
    • 三分法では商品の入荷は仕入勘定で処理されるので、資産を表す商品勘定は在庫振替時のみしか登場しない。
    • 継続記録法では商品勘定の動きで継続的に在庫額を把握するので、Purchase(仕入)勘定・Opening Stock・Closing Stockという3つの費用勘定は使わない代わりに、商品の払出が記録されるのが三分法との最大の違い。
  2. 継続記録法では仕入時に
    • (借)製品/(貸)AP

    と資産計上し、出荷時に

    • (借)COGS/(貸)製品
    • (借)AR Accrued/(貸)Sales

    のように在庫評価額を会計の棚卸資産残高に反映させる。

  3. 三分法では月中の商品入荷は
    • (借)Purchase/(貸)AP Accrued

    のように仕入勘定で費用計上しておき、月末の決算整理仕訳でOpening StockとClosing Stockという費用コントラ勘定を使って棚卸資産を入れ換えることで在庫評価額を同期させB/Sを作成すると同時にP/Lの総利益が正しくなり、Opening Stock, Purchase, Closing Stockを売上原価に振り替えることでP/Lに必要な売上原価を表示できるようになる。

  4. 両者とも総収益-総費用=総利益は同じだが、Perpetualの場合は売ったとき資産を売上原価に振り替え、Periodicの場合は月末に仕入費用を売上原価と月末在庫に按分する。
  5. 三分法でも継続記録法でもない方法として、購入時に資産計上し貯蔵品のように「月末に払出実績分を標準単価でまとめてマイナス」する方法がある。

【重要】製造がない月の固定費は、生産実績0にもかかわらず製造原価または仕掛品在庫にならないよう販管費に振替

  1. 製造0なら製造原価も0
    製造原価は「当月製造出来高があるものの原価=生産実績ベースの当月発生費用」。

    1. 三分法
      製造への投入分20を三分法で材料費として計上して1個も出来高が上がらない場合は月末に三分法によりはじめて製造原価0が判明する。

      • 月初0+当月発生費用20-月末20=製造原価0
    2. 継続記録法
      製造時に資産計上して出来高が上がったときに費用(製造原価)になるので出来高が上がらなければリアルタイムで製造原価0。

      1. 投入実績
        • Dr. RM 10    Cost Cr. RM 10
      2. 製造実績
        • Dr. FG 15    Cr. RM Cost Credit 10
        •     Cr. Indirect Cost Credit 5
        • Dr. COGM 15    Cr. FG Cost Credit 15
  2. 売上0なら売上原価も0
    売上原価は「当月売れたものの原価=出荷実績ベースの当月発生費用」。

    1. 購入時に20を仕入計上しして1個も売れない場合
      月末に三分法によりはじめて売上原価0が判明する。

      • 月初0+仕入20-月末20=売上原価0
    2. 購入時に資産計上して1個も売れない場合
      • 売ったときに費用(売上原価)になるので売れてなければリアルタイムで売上原価0。
      • Dr. AR    Cr. Sales
      • Dr. COGS    Cr. FG
  3. 製造がない月の固定費の扱い
    • 生産があろうとなかろうと機械の減価償却費が発生し、本来そのうちの当月の製品になった分が当月製造原価になるが、生産がない月に製造原価があるという矛盾が発生する。
      • 月初仕掛品(0)+当月製造費用(100)-月末仕掛品(0)=当月製造原価(100)
    • 固定資産管理システムでは、生産がない月の機械の減価償却費計上を休止する機能があるが、税務上は毎月減価償却費を計上させる必要がある以上は、販売管理費または仕掛品に振替える。本来生産に関わる減価償却費を販管費に振替える際には他勘定振替勘定を通し、発生額を明示した上で間接的に振替える。
    • 仕掛品(資産)に振替えると、仕掛品勘定が肥大しているにもかかわらず、倉庫に仕掛品在庫がない状態になる。

共通材は投入実績があれば製品別発生費用が計算できるが、三分法ではどの製品を製造するために何個投入したか判らないので、製品別発生費用は計算できない。

  1. 共通材は三分法によって月初在庫と当月購入と月末在庫から当月発生費用を計算できるが、投入実績ベースの金額がないため、品目別の発生費用を算出することができない。
  2. 総平均法であれば共通材発生費用はもちろん、投入実績の親子関係から製品別の製造原価も計算できる。
    1. 共通材発生費用
      共通材投入実績数量x総平均単価
    2. 製品A製造原価に含まれる共通材部分の費用
      共通材使用実績数量x総平均単価

共通材の発生費用

【重要】Perpetualシステムは、三分法で売上原価を計算しないにもかかわらず、P/L上の売上原価算出部分では三分法的な書き方をする

  1. 中小企業のマニュアル会計では、帳簿上で貸借キチンとバランスしながら動く様子を記帳する必要があったが、システム会計ではP/LとB/Sを作成する途中の計算はブラックボックス化できる。
  2. マニュアル会計では、月末にP/L科目はすべてNet-Income勘定に振替えてProfitを計算するが、システム会計では振替仕訳は生成せず三分法でコストレポート(材料費・COGM・COGS)を計算しP/LとB/Sを組み立てていく。
  3. C/Fもマニュアル会計では間接法が楽だが、システム会計ではG/Lから直接取得できるので直接法がより簡単。
  4. システム会計の特徴
    • Periodicシステムは、三分法で発生材料費⇒製造原価⇒売上原価の順番で計算するにあたって、売上原価勘定や仕入勘定に月初と当月入庫と月末残を集約せずに、G/Lのデータを直接収集・足し算引き算した結果を、この書式に合わせてP/Lに貼り付けているだけ。
    • Perpetualシステムでは、三分法を使って売上原価を計算しないにもかかわらず、P/L上の売上原価算出部分では三分法的な書き方をする、ここが混乱の元

低価法は月末評価単価マスタの標準実勢値と総平均法による月末在庫仕掛一覧との差を、評価替処理タイプマスタの切捨フラグをオンにして評価損計上する。

  1. 月末評価単価マスタ(Revaluation Unit Price Master)に市況を考慮した評価単価を設定する。
  2. 原価計算結果である総平均単価のリストである月末在庫仕掛一覧(Ending WIP/Inventory Cost List)と評価単価との差を評価損計算する。
  3. 評価替処理タイプマスタ(Revaluation Basis Master)の切捨フラグをオンにして、月末在庫仕掛一覧から「計算結果コピー」することで、翌月の月初在庫は評価損を費用計上した上で、評価額を下げて評価単価で繰り越す。
  4. 生産モジュールの評価単価マスタ(Evaluation Unit Price Master)に原価計算結果を自動設定する機能はなく、月次受払在庫一覧(Monthly GR/GI List)の金額表示に使用されるのみ。

【重要】継続記録法(Perpetual Method)と三分法(Periodic Method)の在庫評価

  • 在庫受払が会計仕訳を生成する(継続記録法)の特徴
    1. 常時在庫評価額を維持する必要がある⇒先入先出法(FIFO)や移動平均法はOKだが総平均法はNG。
    2. リアルタイム入力が前提で受払の順番を入れ替えると正しい評価額で計算されない。
    3. 受払の都度、在庫と製造原価と売上原価が正しく計算されP/Lが自動生成される。
  • 在庫受払が会計仕訳を生成しない(棚卸評価法)の特徴
    1. 三分法で売上原価を算出。
      • Opening Stock勘定とClosing Stock勘定(P/Lのコントラ勘定)で会計を在庫に同期
      • Opening stock勘定とClosing stock勘定と仕入勘定を売上原価勘定に振替て売上原価を算出
    2. P/L科目残高をすべてNet Income勘定に振替て売上総利益を算出。
    3. 総平均法が適用可能
      • 月末に評価額が決まるので月中の在庫数量はマイナスになっても問題ない。
      • 月中でもMonth-To-Date(月初から今日まで)としての総平均単価で在庫評価は可能だが会計上は月末時点の総平均単価が適用される。
  • 両者に共通する特徴
    1. 先入先出法は入荷時が仕入計上であることが大前提。
    2. CIF費用のインボイス金額を仕入インボイスに賦課する必要がある。

【重要】コントラ勘定は資産を費用化(減価償却累計額・月初繰越高・月末繰越高)または費用を資産化(直接材料費・加工費コントラ)することで間接的に損益計算を行う

  1. 貸倒引当金と減価償却累計額はマイナス資産コントラであり科目的には負債に属する。
    間接的に資産を減らすことで、B/S上で固定資産の取得額を維持しながら、差引き後のNetの金額を把握できる。

    • Dr.減価償却費     Cr.減価償却累計額(負債勘定)
    • Dr.貸倒引当金繰入   Cr.貸倒引当金(負債勘定)
  2. 費用コントラは投入実績の発生費用(Direct Labor Cost)をマイナス費用(RM Cost Credit)として、製造実績の資産(FG)に間接的に振替え、販売時にプラス費用化(COGS)した後の残りが月末の製品という資産として残る(会計と原価のキモ)。
  3. 生産実績=投入実績+製造実績
    • 投入実績
      • (借)Direct RM Cost   (貸)RM
    • 製造実績
      • (借)FG   (貸)RM Cost Credit
      •        (貸)Indirect Cost Credit
    • 労務費確定時
      • (借)Direct Labor Cost   (貸)AP
    • 販売時
      • (借)COGS  (貸)FG
      • (借)AR    (貸)Sales

      費用コントラ(マイナス費用)は製品(FG)に含まれ、売上時に費用(COGS)化されることで、当期Profitを正しく計算する。

    • 締処理時
      • 売上-COGS=Profit

      null

  4. 月初在庫(Opening Stock)をプラス費用へ、月末在庫(Closing Stock)をマイナス費用へ振替えることで、仕入時に全額費用計上していた分のうち月末在庫に残った分を控除し損益を確定(会計と原価のキモ)
    • 月中の仕入を費用勘定(借)で計上する場合、月末にP/Lコントラ勘定であるOpening stock(借)で月初在庫を消しClosing stock(貸)で月末在庫に差換えることで在庫と会計を同期しB/Sを作成。
    • 費用コントラであるOpening StockとClosing Stockを使えば総収益-総費用=総利益は計算できているが、P/Lを完成させるにはCOGSが必要なので「Opening Stock+COGM-Closing Stock」分の差額費用をCOGSに振替える。
  5. 他勘定振替コントラで総費用の中で費用を組み替え
    仕損費を製造原価内で振替たり売上原価から抜いたりする他勘定振替によって、総費用の中で費用を組み替えているにすぎない。
  6. 材料倉庫での棚卸減耗(Losses and Shinkage)は仕掛品他勘定振替にて販管費に振替、製造工程での投入ロスや仕損費(Spoilage)は仕掛品他勘定振替にて製造原価内での振替、製品倉庫での試作品は製品他勘定振替にて販管費に振替えます。

固定費を仕掛品と製品に配賦する仕訳では、投入実績(発生費用)に対する製造実績は費用コントラを通して計上し、間接的に収益計算に反映させる

  • 生産管理、販売管理、会計が連動するERPシステムの場合、移動平均法で計算された直接材料費と、BOMに設定された標準加工費から
    1. 生産管理
      • 払出⇒(借)材料費/(貸)材料
      • 受入⇒(借)仕掛品-直材/(貸)材料費コントラ
      • 受入⇒(借)仕掛品-加工/(貸)加工費コントラ
      • 払出⇒(借)製造原価 /(貸)仕掛品
      • 受入⇒(借)製品/(貸)製造原価コントラ
    2. 販売管理・会計
      • 払出⇒(借)売上原価/(貸)製品
      • (借)AR/(貸)売上

    という一連の受払仕訳を生成し継続的に在庫金額を把握するので、三分法で材料と仕掛品の月初残と月末残を振替えて製造原価や売上原価を算出することはない。

  • コントラで発生費用を間接的に仕掛品(資産)に振替え、仕掛品の投入分を製造原価(費用)に振替え、製造原価を間接的に製品(資産)に振替え、売れた製品分を売上原価(費用)に振替えることでP/LとB/Sを作成する。
  • 最大の違いは払出を記録するところにあり、売上原価になるタイミングも売れた時であり、三分法のように月末の在庫の差し引きで決まるわけではない。

固定費を製品のみに配賦する仕訳の流れ(GLから発生費用を計算する場合)

  • G/Lの材料費や光熱費等の残高から当月発生費用を産出するのではなく、仕訳履歴から発生費用を取得できる場合は、コントラを使う必要はない。
  • 目的はあくまでもP/LとB/Sを作ることで、仕訳はそのための手段でしかない。
  • だからシステム会計ではG/Lのデータを直接収集して足し算引き算した結果を、P/LとB/Sに当てはめている。
  1. 材料購入時の債務発生
    • 材料/AP
  2. 材料を仕掛品に投入するが仕掛品に製造間接費は賦課しない。
    • 仕掛品/材料
  3. 当月の電気代請求書
    • 光熱費/AP
  4. 光熱費を製造間接費に振替
    • 製造間接費/光熱費
  5. 製品に製造間接費を賦課
    • 製品/仕掛品
    •   /製造間接費

【重要】他勘定振替で仕損費や試作品を製造原価や売上原価から間接的に控除するパターン

  1. 他勘定振替の意味
    材料不良や仕損(仕掛品になった後の仕損)が発生したとき、仕掛品(または材料費や加工費などの製造費用)を直接減額せず、他勘定振替を通して間接的に他の勘定に振替える(減価償却費や貸倒引当金と同じ)。
  2. 控除とは「製造原価や売上原価の多く計上されすぎた分をマイナスする」ということであり、他勘定振替(仕掛品)を使う場合は製造原価からの控除になり、他勘定振替(製品)を使うと売上原価からの控除になる。
  3. 他勘定振替WIPなら製造原価からの控除、他勘定振替FGなら販管費から控除
  4. 他勘定振替のパターン
    1. 仕損費をCOGM内で直接材料費から仕損費へ振替(COGM内での振替)
      • (直接法)
      • Dr.仕損費 xxx Cr.材料費 xxx
      • COGM=月初仕掛+(当月製造費用-材料費+仕損費)-月末仕掛←製造費用から直接引く
      • (間接法)
      • Dr.仕損費 xxx Cr.他勘定WIP xxx
      • COGM=月初仕掛+(当月製造費用+仕損費)-(他勘定WIP+月末仕掛)
    2. 仕損費をCOGSから控除してCOGM(仕損費)に振替(製品入庫後に発覚した仕損は、営業のせいではないのでCOGSからCOGMに振替)
      • (直接法)
      • Dr.仕損費 xxx Cr.製造費用(材料費+加工費) xxx
      • COGM=月初仕掛+(当月製造費用+仕損費)-月末仕掛
      • COGS=月初製品+(COGM-製造費用)-月末製品←製造原価から直接引く
      • (間接法)
      • Dr.仕損費 xxx Cr.他勘定FG xxx
      • COGM=月初仕掛+(当月製造費用+仕損費)-月末仕掛←COGMに振替
      • COGS=月初製品+COGM-(他勘定FG+月末製品)←COGSから控除
    3. 仕損費をCOGMから控除して販管費に振替
      • (直接法)
      • Dr.販管費 xxx Cr.製造費用(材料費+加工費) xxx
      • COGM=月初仕掛+(当月製造費用-製造費用)-月末仕掛←製造費用から直接引く
      • COGS=月初製品+COGM-月末製品←COGSダウン
      • 売上総利益=売上-COGS←売上総利益アップ
      • 営業利益=売上総利益-販管費←販管費に振替えて営業利益ダウン
      • (間接法)
      • Dr.販管費 xxx Cr.他勘定WIP xxx
      • COGM=月初仕掛+当月製造費用-(他勘定WIP+月末仕掛) ←COGMから控除
      • COGS=月初製品+COGM-月末製品←COGSダウン
      • 売上総利益=売上-COGS←売上総利益アップ
      • 営業利益=売上総利益-販管費←販管費に振替えて営業利益ダウン
    4. COGSから控除して販管費に計上(不良材料)
      • (間接法)
      • Dr.販管費 xxx Cr.他勘定FG xxx
      • COGS=月初製品+COGM-(他勘定FG+月末製品)←COGSから控除
      • 売上総利益=売上-COGS←売上総利益アップ
      • 営業利益=売上総利益-販管費←販管費に振替えて営業利益ダウン
    5. COGSから抜いて資産に計上する場合(試作品)
      • 月末製品が試作品で減っている分売上原価が増えているので、他勘定振替(製品)で間接的に売上原価から控除
      • (間接法)
      • Dr.試作品 xxx Cr.他勘定FG xxx
      • COGS=月初製品+COGM-(他勘定FG+月末製品)←COGSから控除
  5. 棚差(仕掛品在庫が理論値より少ない)の処理は以下の4択
    1. 費用計上(費用/仕掛)
    2. 資産の一時勘定に退避(Temp/仕掛)
    3. 固定資産評価額を増やして相殺(固定資産評価増/仕掛)
    4. 利益剰余金または法定準備金と相殺する(利益剰余金/仕掛)

【重要】決算整理仕訳では減価償却累計額(負債)で固定資産をマイナスし、貯蔵品の消費分を費用化し、棚卸資産の月初と月末を振替えB/S残高を正し費用から月末在庫分を控除しP/Lを正し、三分法で費用を発生材料費・COGM・COGSに振替えP/Lの明細を完成させ、P/Lの費用と収益をの差額をNet ProfitとしてB/Sに表示しバランスさせ、年度末に利益処分する

  1. 取引相手のいない科目の修正
    • 減価償却累計額(Accumulated depreciation)と貸倒引当金はマイナス資産としてB/Sの資産の下に表示。
    • Dr.減価償却費(費用) Cr.減価償却累計額-機械(マイナス資産)
    • Dr.貸倒引当金繰入(費用) Cr.貸倒引当金(マイナス資産)
    • Dr.退職給与引当金繰入(費用) Cr.退職給与引当金(負債)
  2. 貯蔵品(Supplies)を費用化
    • Dr.消耗品費 Cr.貯蔵品
  3. Opening stockとClosing stockで月初と月末在庫を振替えて在庫と会計を同期しB/Sの資産とP/Lの利益を正しくする。
  4. 当月材料費とCOGMとCOGSを三分法で計算
  5. 全費用科目と収益科目を損益勘定(Net Profit)に振替え、貸方残(収益)をP/LとB/Sに表示
  6. 損益勘定残をNet ProfitとしてB/Sに表示しバランスさせ、年度末には利益剰余金(Retained earning)や未払配当金(Dividends payable)に振替え利益処分を行う。

【重要】会計処理の流れ(売上総利益⇒営業利益⇒経常利益⇒当期純利益)

  • 月中業務
    1. 仕訳(仕入は費用科目)
    2. G/L
  • 在庫締処理
    1. 在庫締(Stock closing)
  • 会計締処理(AR/AP, Journal)
    1. 為替評価替(Revaluation)
    2. 会計締(Accounting Closing )
      • 減価償却費
      • 月初と月末の製品を月初在庫勘定(Opening stock)と月末在庫勘定(Closing stock)で振替⇒在庫が同期
      • 月初在庫勘定と月末在庫勘定と仕入勘定を売上原価勘定に振替えて売上原価を算出⇒月初在庫勘定と月末在庫勘定を抹殺
      • 費用科目と収益科目をNet-Profit勘定に振替えて
    3. T/B
      • P/L科目残高はゼロ
    4. Balance Update(Inventory and Accounting)
  • 財務諸表作成
    1. 製造原価報告書(COGM Report)
      • 月初材料
      • 当月購入材料
      • 月末材料
      • —————
      • 当月材料費
      • 当月固定費
      • —————
      • 当月製造費用
      • 月初仕掛品
      • 月末仕掛品
      • —————
      • 当月製造原価
    2. P/L
      • 売上
      • 当月製品
      • 当月製造原価
      • 月末製品
      • —————
      • 当月売上原価
      • —————
      • 当月売上総利益
      • 販管理費
      • —————
      • 当月営業利益
      • 営業外収益費用
      • —————
      • 当期経常利益
      • 特別損失
      • —————
      • 当月純利益(Net Profit)
    3. B/S
    4. C/F(現金主義ベースのP/L)
      • 直接法:G/L(取引ごと)からキャッシュフローコードで集約し総額表示
      • 間接法:当期純利益から帰納的に、発生ベースと現金ベースの差異となる要因を、T/B残(Account Balance)から取得しプラスマイナスして修正。
        • Net Profit(発生ベースの当期純利益)
        • 減価償却費はプラス( 発生ベースのP/LでマイナスNet Profitしていた分)
        • AR残はマイナス(AR残はCash/Bankになりきれなかった部分)
        • AP残はプラス(AP残はCash/Bankの流出を防いだ部分)

【重要】営業・投資・財務に分かれる直接法のC/Fを作成するためにはG/Lデータにキャッシュフローコードが必要な理由は、B/SやP/Lのように科目グループが使えず、同一科目でも取引によって表示部分が異なるから。

Cash Basisでは取引の発生時期にかかわらず現金が動いた時点で損益が認識されるためP/Lと収支が一致するが、一般の会社ではAccrual Basis(発生主義)会計なので、現金の動きにかかわらず取引が発生した時点で損益が認識されるため、月末の段階でP/Lと収支の状態にズレがあり、別途収支を管理するキャッシュフロー計算書(C/F)が必要。

    1. IFRSでは直接法によるC/Fの作成が義務化されるが、G/Lの現預金(Cash/Bank)のプラスとマイナスを集計し総額表示したものを相手科目別に
      1. 営業:Operation(P/L)
        • 売上代金の収入及び仕入代金の支出
      2. 投資:Investment(B/Sの借)
        • 資産の売却及び購入、債権発行または回収
      3. 財務:Finance(B/Sの貸)
        • 債務借入または返済

      の3つに区分けして縦書きにしたもの。

      C/FはB/SやP/Lのように科目グループマスタ単位に貼り付けることをしないので、仕訳入力時にC/Fフォーム上のどこに表示したいかの目印となるキャッシュフローコードを選択する必要がある。

    2. C/Fの営業の部は会計システムではキャッシュフローコードを元にG/Lから取引金額を総額表示する直接法のC/Fのほうが作成は容易だが、P/Lの当期純利益に対するキャッシュの裏づけを分析する間接法ではキャッシュフローコードは必要なく、Account balance(科目残高)から生成可能。
      1. 直接法:現預金のプラスとマイナスを取引ごとに集計(総額表示)した営業活動によるキャッシュフロー
        • (+)A/R決済による収入⇒A/R決済仕訳にC/Fコードを付加
        • (-)直接材料費支払による支出⇒直接材料費支払仕訳にC/Fコードを付加
        • (-)製造間接費による支出⇒間接労務費・経費支払仕訳にC/Fコードを付加
        • (-)販管費による支出⇒販管費支払仕訳にC/Fコードを付加
      2. 間接法:発生主義ベースのNet Profit(収益費用の差)を現金主義ベースのNet Profit(Cash/Bankの差)に修正する方法。
        • (+)Net Profit⇒発生主義による当期純利益
        • (+)減価償却費⇒発生ベース(Cash/Bankが動かない)のP/LでマイナスNet Profitしていた分
        • (-)A/R増加分⇒Cash/Bankとして入金していない分
        • (+)A/P増加分⇒Cash/Bankとして出金していない分
      3. 直接法も間接法も違うのは営業の部のみで、投資の部と金融の部は同じで、前月末キャッシュ残が当月に繰り越される。

キャッシュフロー計算書と為替差損益

  1. A/RとA/Pの決済時の実現損益(Forex Gain-Realized)はCash/BankではないのでC/Fに計上しない。
  2. 外貨のCash/Bank残高に対するRevaluationによる未実現損益(Forex Gain-Unrealized)をC/F計算書上で調整しないと、C/F計算書の残高と実際の現預金残高が一致しない。Cash/BankではないA/RとA/Pに関する為替差損益はC/Fに計上しない。

【重要】利益と減価償却費でキャッシュを作るという意味

「利益と減価償却費でキャッシュを作る」の「利益」は商売が現金取引で行われることにより債権債務残高が0という条件付きでの話であり、間接法のキャッシュフロー計算書の中で、未決済の債権残高が営業キャッシュのマイナス、未決済の債務残高が営業キャッシュのプラスとして調整される。

  1. キャッシュを増やす方法
    1. 損金を増やし課税所得を減らす(節税)。
      減価償却のない土地(不動産)のように経費にならない出費が増えても節税にはならないが、値上がりして営業外の売却益としてキャッシュを生む可能性はある。
    2. 売上からの債権の支払いサイトを短縮し、売上原価からの債務の支払いサイトを遅らせる。
    3. 営業外の収益を増やし、営業外の費用を減らす。
  2. 減価償却費がキャッシュフローに影響を及ぼすという意味
    • 節税効果という意味で間接的にキャッシュフローに影響を及ぼすが、税引前当期利益がマイナスで課税所得がゼロであれば、減価償却費で法人所得税を節税することはできない。
    • 製造原価と販管費に含まれている減価償却費には請求書がないことから「現金が出て行かない費用」なので、P/L上から読み取れる当期利益よりも実際のキャッシュは減価償却費分だけ多かった、と知って喜んでいるだけ。
  3. 「減価償却で過去の投資資金回収する」という意味
    • 節税効果で間接的に投資資金を回収している。
  1. 1月: サービス販売でで1,200万円の収益
    • Dr. Cash 1,200    Cr.Sales 1,200
    • P/L上1,200万円の利益。
    • C/F(営業の部)上1,200万円のプラス。
  2. 2月: 1,200万円現金支払いで成形機を購入
    • Dr. machine 1,200    Cr.Cash 1,200
    • P/L上0円の利益。
    • C/F(投資の部)上1,200万円のマイナス
  3. 3月: 減価償却費を10万円計上
    • Dr. Depreciation 10    Cr. Accumulated Depreciation 10
    • P/L上10万円の損失。
    • C/F(営業の部)上0円。

【重要】法定資本金の20%分の資本準備金や利益剰余金などの内部留保と、現預金の動きは無関係なのでキャッシュが会社に溜め込んであるわけではない

  1. 純資産は、法定資本金(Legal capital)、資本準備金(Legal capital surplus)、繰越利益剰余金(Retained earning)、利益準備金(Earned surplus reserve)のいずれかの形でB/Sの純資産の部に計上され、資本準備金と利益剰余金は内部留保にあたる。
  2. 「利益」がつくものは一回P/Lを経由したもの、「資本」がつくものは株主から調達した経営と無関係のもので、P/Lの利益が収容されるのが繰越利益剰余金で、配当の源泉として積み立てるのが利益準備金となる。
  3. 日本の大企業は法定資本金に比べて利益剰余金が異常に大きい。
  4. インドネシアの会社法では債権者保護の観点から資本準備金は法定資本金の20%まで積み上げる義務がある。
  5. 成長が見込まれる会社は、配当で株主還元せず設備など固定資産を購入する再投資による成長を目指すべく内部留保を厚めに行う。
    1. 当期利益を利益準備金に振替
      • Dr. 損益(Net income) 80 Cr. 総費用 80
      • ←全費用科目を損益に振替
      • Dr. 総収益 100 Cr. 損益(Net income) 100
      • ←全収益科目を損益に振替
      • Dr. 損益(Net income) 20 Cr. 繰越利益剰余金(Retained earning) 20
      • ←損益勘定の貸方余剰(利益)分を利益剰余金に振替
    2. 利益準備金から配当
      • Dr. 繰越利益剰余金(Retained earning) 10 利益準備金(Earned surplus reserve) 10
      • ←繰越利益剰余金を利益準備金にプール
      • Dr. 利益準備金(Earned surplus reserve) 10 未払配当金(Devident payable) 10
      • Dr. 未払配当金(Devident payable) 10 現預金 10
    3. その後の現預金の動き
      • 利益剰余金として繰り越すことで現預金残高が増加し、配当など利益処分するが、その後の現預金の動きは上記の純資産の動きと無関係に行われる=「内部留保が現預金として会社にあるわけではない」の意味。
      • Dr. 機械 5 Cr. 現預金 5

日本は税法上の評価額を会計上でも使用し、償却が完了する時点で特別損益で処理するという収益費用アプローチだがIFRSは固定資産の減損・戻入により時価評価する資産負債アプローチ

  1. 損益法ベースの収益費用アプローチと財産法ベースの資産負債アプローチ
    • 損益法での当月利益は「月末の収益-月末の費用」だが、財産法での当月利益は「(月初の資産-月初の負債)-(月末の資産-月末の負債)」という資本の増分であり、両方とも同額になる。
    • 損益法でのExpenseとRevenueの差であるProfitが、財産法でのEquitiesの増分になることにより、試算表等式Asset+Expense=Liabilities+Equities+Revenueが成立する。
  2. 日本はP/L作成後に次期以降の収益・費用の源泉となる資産・負債・資本項目を補足的にB/Sとして計上し、税法上の評価額をそのまま会計上の評価額として、償却が完了する時点で特別損益で処理するという収益費用アプローチであり、損益法の考えが強い。
    • IFRSが徹底され完全時価会計主義になると、国独自の税法で償却処理して、残存価額を評価損計上する、というのができなくなる。
  3. IFRSの場合、固定資産の減損(impairment loss)・戻し入れ、売却可能な金融資産などを時価評価してB/Sを正確に作成し、将来的にキャッシュフローを生み出せる資産状況にあるかどうかを明確にする資産負債アプローチであり、財産法の考えが強い。
  4. システムのIFRS対応とは仕訳を切るタイミングの問題
    1. 発生主義の売上計上(自動車業界の出荷基準または検収基準)
    2. 固定資産の時価評価(減損・戻入)

時価評価重視の切離法と対取得時評価額比重視の洗替法があるが、前月末レートを当月外貨建て取引のフラットレートとして使用する場合、決済時の実現為替差損益は発生しないが、月末の外貨評価換算時には未実現為替差損が発生する。

インボイス到着時のAP計上時レートとAP決済時レートの差は確定した実現利益(Forex Gain-Realized)であり、月末レートでのAP為替評価替えによる為替差損益は含み益(ある時点での潜在的な評価上の利益)である未実現利益(Forex Gain-Unrealized)である。

  1. 月末の債権債務の為替評価替えの際に、資産の前月比での損得が重要であれば切離法によりインボイス価格を最新の評価額に更新し、取得時と比べて損得いくらかが重要であれば洗替法により翌月初に洗替して取得時評価額に戻す。
    1. 取得原価を切り離す切離法(separation method)
      • 今月末の為替評価替仕訳
        • (借)未実現損 10 (貸)AR 10
      • 翌月末の為替評価替仕訳
        • (借)未実現損 2 (貸)AR 2
      • このように毎月末にP/L上での対前月末比較の評価損益分が、B/S上のARの時価評価額として更新される。
    2. 取得原価を維持する洗替法(reversal method)
      • 今月末の為替評価替仕訳
        • (借)未実現損 10 (貸)AR 10
      • 翌月初に洗替仕訳でARを取得時評価額に戻す。
        • (借)AR 10 (貸)未実現損 10
      • 翌月末の為替評価替仕訳は、取得時のAR価格に対する損益をP/Lに計上する。
        • (借)未実現損 12 (貸)AR 12
  2. 前月末レートを当月外貨建て取引のフラットレートとして使用する場合、決済時の実現為替差損益は発生しないが、月末の外貨評価換算時には未実現為替差損が発生する。この場合、為替レートマスタの取引レートには、当月末日に前月末レートがセットしてあるため、取引レートとTAXレート以外にRevaluation用レートを設定する必要がある。
  3. 外貨建て取引仕訳を修正するための相殺仕訳を切る場合には、取引時のレートを入力しないと取引通貨ベースでは0でも機能通貨ベースで残高が残ってしまうので注意が必要。貸借に別通貨建て勘定を設定できる会計システムでは機能通貨ベースで必ずバランスさせる必要がある。

外貨USD (Original)から機能通貨IDR (Base)へ取引日レート・決済日レート(実現)・月末レート(未実現)で変換、機能通貨IDRから表示通貨JPY (Presentation)へ月末レートで変換という2つの為替換算が発生発生する

会計業務の中では外貨(Original)⇒機能通貨(Base)⇒表示通貨(Presentation)という為替換算の流れがある。

  1. 決済時の実現為替差損益Forex Gain-Realized(発生レートと決済日レートの差額発生)
    • OriをBaseで評価したときの差額を調整仕訳要
  2. 月末の未実現為替差損益Forex Gain-Unrealized(資産負債項目を月末レート換算による差額発生)
    • OriをBaseで評価したときの差額を調整仕訳要
  3. 機能通貨から表示通貨へ換算(資産負債項目は月末レート換算による差額発生)
    • BaseをPresentationに変換したときの差額を調整仕訳要

【重要】発生主義(accrual)のP/Lと現金主義(settlement)のC/Fの、損益の認識基準(pengakuan/recognition)

現金を伴わないで収益費用が認識(pengakuan/recognition)される発生主義会計(Accrual basis)を現金主義(Cash basis=Settlement時)ベースに修正するために必要なこと。

  1. 掛取引(AR/AP)は決済済みのものだけ認識し、AR発生済み未決済残高は認識しない。
    • 出荷基準でP/L上にて売上(収益)の発生が認識される場合でも、検品後に発行されるインボイス到着日をもって債権が計上されるまでの間は仮債権としてプールされるため、債権として未計上の仮債権も営業キャッシュのマイナスとして調整する必要がある(債務として未計上の仮債務も同様)。
      1. 出荷日
        • Dr. A/R Accrued 100    Cr. Sales 100
      2. インボイス到着日
        • Dr. A/R 110       Cr. A/R Accrued 100
        •              Cr. VAT Out-payable 10
  2. 経過勘定(前払費用deferred expense・前受収益deferred revenue・未払費用accrued expense・未収収益accrued revenue)で処理される収益費用。
  3. 固定資産の減価償却費

企業会計を複雑にしているのは収益費用が発生ベースで記帳されることにあり、現金ベースで記帳されていれば簡単。

得意先からの前受金はDown Payment(負債)で、工事進行基準(Percentage of Completion Basis)と工事完成基準(Completion Basis)ではSalesへの振替タイミングが異なる

  • 顧客からはSalesまたはDown Payment
    • 得意先からの前金受(Deferred revenue)はDown Paymentで処理しSales計上せず、Surah Terima Berita Acara(受領証明書)でSalesに振替える。
    1. DP取得時
      • (借)AR 50 (貸)Down Payment 50
    2. DPの50%分のSurah Terima Berita Acara受領時
      • 工事進行基準(Percentage of Completion Basis)
      • (借)Down Payment 25 (貸)Sales 25
      • 工事完成基準(Completion Basis)
      • 仕訳なし
    3. DPの残り分のSurah Terima Berita Acara受領時
      • 工事進行基準
      • (借)Down Payment 25 (貸)Sales 25
      • 工事完成基準
      • (借)Down Payment 50 (貸)Sales 50
    4. 受注金額全体のSurah Terima Berita Acara受領時
      • (借)AR 50 (貸)Sales 50

    Downpaymentで処理する以上、Sales化が月またぎする可能性があるわけで、出荷(サービス提供)からインボイス発行までの間は、月ベースでA/R残高と会計G/LのSalesを比較してもAR残過多で一致しない。

  • 仕入先へはPurchaseまたはAdvanced Payment
    • 仕入先への前金支払(Deferred expense)はAdvanced Paymentで処理しPurchase計上せず、確定時点でPurchaseに振替える。
    • (借)Advanced Payment xxx (貸)AP xxx
    • (借)Purchase xxx (貸)Advanced Payment xxx

未払費用(accrued expense)がAP acccuedで未収収益(accrued revenue)がAR accruedで前払費用(deferred expense)がVAT-IN prepaidとAdvanced Paymentで前受収益(deferred revenue)がVAT-OUT payableとDown Payment

  1. 経過勘定(deferred and accrued accounts)は
    1. accrued expense(未払費用):AP accrued負債
    2. accrued revenue(未収収益):AR accrued資産
    3. deferred expense(前払費用):VAT-IN prepaidやAdvanced Payment資産
    4. deferred revenue(前受収益):VAT-OUT payableやDown Payment負債

    の4種類あり、時間の経過につれて収益または費用になることで、現金収支と損益認識の時期がずれる取引を処理するためのB/S科目である。

  2. 繰延資産である開発費や試験研究費は、費用としての支出で次期以降の負担となるべき分は、当期だけの費用とせずに一時的に資産と見なして繰り延べ、その費用の効果が期待される期間にわたり配分する。

材料輸入の場合、インボイス到着時にA/Pで計上した未着品(GIT)をACから材料に振替え、国内取引の場合は、ACで計上したA/P AccruedをAPで債務に振替える

  • 未着品と仮買掛
    1. Goods-In-Transitは荷物到着が、A/P accruedはInvoice到着が月またぎする際に計上する一時勘定
    2. 月またぎ処理
      • 国内取引でInvoiceが遅れるケースでは、D/O番号を入力し、インボイス到着時点で会計システム上からインボイス番号修正。
  • 輸入と国内の仕訳パターン
    • 輸入
      1. Invoiceが先に到着(A/Pから)
        • Dr. Goods-in-transit xxx Cr. A/P xxx
      2. 後に荷物到着(仕入登録で仕訳なし、G/L上から)
        • Dr. Purchase xxx Cr. Goods-in-transit xxx
      3. 決済時(A/Pから)
        • Dr. A/P xxx Cr. Bank xxx
    • 国内
      1. 荷物が先に到着時( G/L上から)
        • Dr. Purchase xxx Cr. A/P accrued xxx
      2. 後にInvoice到着時(A/Pから)
        • Dr. A/P accrued xxx Cr. A/P xxx
      3. 決済時(A/Pから)
        • Dr. A/P xxx Cr. Bank xxx

発生主義での出荷時売上計上タイミングとインボイス請求の単位とタイミングは異なり、インボイスにはD/O原本の添付が必須

  1. モノの納品書であるD/Oはカネの請求書であるInvoiceを裏付けるものであり、本来であればセットで出荷時に配達されるべきもの。ただ会計上の売上は発生主義に基づき出荷基準または検収基準で計上され、Invoiceは請求のまとめ単位でしかない。
  2. 自動車部品業界では、出荷基準で売上を計上(出荷同時売上)し月末にまとめてインボイス発行(請求書)が多い。つまり会計上の売上計上とお金の請求の動きは一致しない。
  3. 発生主義に基づき仕入/債務は入荷時に計上、債権/売上は出荷時に計上するが、VAT-INとVAT-OUTはインボイス日付の月に計上する。
  4. 納品が先で請求が後になる場合はD/Oはコピーを渡しInvoice発送時にD/Oの原本を添付する。客先にInvoiceを持参するときD/Oの原本はまだ経理が保管したままでコピーを渡そうとするとInvoiceの受け取りを拒否される。
  5. 輸入の場合、Forwarderに提出されるコンテナの内容明細としてパッキングリストが必要になり、D/OとInvoiceはFedexやDHLで別送され、コンテナより先に到着する。

発生主義の検品基準では払出可能在庫にならないので、入荷基準で仮債務を計上する。

入荷の時点でP/O価格にてダミー仕入計上することで在庫を使用可能にし、インボイス番号にD/O番号を入力することで、月まとめインボイスとの照合を行い、D/O番号をインボイス番号に修正する。

  • 入荷時(P/O価格でダミー仕入計上)
    • Dr. Purchase        Cr. AP Accrued
  • インボイス到着時
    • Dr. AP Accrued        Cr. AP
    • Dr. VAT-In Prepaid

金額が確定するのは月まとめインボイス到着時点ですから、インボイスの金額がP/Oの金額と異なる場合は、仕入金額と債務金額の修正作業が必要になります。

但し発生主義の原則に基づけば、かんばんに基づく分納であったとしても、本来は出荷(入荷)時に債権(債務)と売上(仕入)を計上し、年齢管理(Aging)も出荷日(入荷日)から起算すべきで、インボイスはあくまでの支払いの単位である。

固定資産の償却で、定額法は初期の費用負担を抑え利益を早く出し、定率法は早め費用化して利益を抑えて節税するが、インドネシアは耐用年数で4年8年12年20年の4カテゴリに分類。

  1. 基本機能
    1. 取得(acquisition)
      • Dr.固定資産 1000 / Cr.債務 1000
    2. 償却(depreciation)
      • Dr.減価償却費 100 / Cr.減価償却累計額 100
    3. 移動(transfer)
      • 移動(Transfer)で費用は発生しないが、会計システム上で部門別、ライン別、機械別などの任意の集計単位で損益管理を行なう場合、付け替えのための振替仕訳が発生。
      • Dr.固定資産-営業 / Cr.固定資産-生産
  2. 特別損失管理(extraordinary loss)
    1. 減損(impairment loss)
      • 減損(impairment loss)は取得時の通貨で行なうため、取得時の仕訳は通貨コードが必要で、資産を費用に振替えることでP/Lの利益操作に繋がりやすいため慎重に行なうべきだが、日本では認められていない減損した固定資産の戻し入れがIFRSでは認められている。
      • Dr.固定資産減損損失 20 / Cr.固定資産 20
      • Dr.固定資産 15 / Cr.固定資産戻入益 15
    2. 除却(retirement)
      • Dr.減価償却累計額 100 / Cr.固定資産 1000
      • Dr.貯蔵品 500
      • Dr.固定資産除却損 400
    3. 廃棄(disposal)
      • 廃棄は評価額なしに固定資産廃棄損に計上し、売却価格が残存価額(Remained value)より高ければ売却益(profit on sales)に計上する。
      • Dr.減価償却累計額 100 / Cr.固定資産 1000
      • Dr.固定資産廃棄損 900
    4. 売却(sales)
      • Dr.減価償却累計額 100 / Cr.固定資産 1000
      • Dr.債権 800
      • Dr.固定資産売却損 100

キャピタルリースはセール&リースバックで短期債務を長期債務に転換し、固定資産をリース資産に振替えて減価償却。

  1. オペレーションリースはリース会社の資産を借りる実質レンタルと同じ。
  2. キャピタルリース(リース会社からするとファイナンスリース)=セール&リースバックは自分のリース資産なので減価償却費が発生し、リース期間終了後は本資産に振替。
    • かつての付加価値税の二重発生問題とは、自分で買って(売買契約による資産の移転なのでPPN-In発生)自社資産になった後に、リース会社に売って(売買契約による資産の移転なのでPPN-Out発生)、リース会社に代わりに債務を支払ってもらって、リース会社から長期で利子付きで貸し直してもらって、リース契約時点で自社資産に戻す(売買契約による資産の移転なのでPPN-In発生)という、1回のリースバック取引で2回付加価値税が発生。
    • 自分で買ってリース会社に売れば付加価値税を相殺できそうだが、減価償却による損金計上ができなくなる。
    • セールアンドリースバック方式は自分で買って(売買契約による資産の移転なのでPPN-In発生)自社資産になった後に、リース会社と契約(金融取引で資産の移転は発生しないので非課税)し、リース契約終了時点はリース資産から固定資産への振替のみ。
    • セールアンドリースバックのメリットは、売却せずリース資産に振替えて、短期間で決済すべき債務(A/P)とは違って、長期間に渡ってリース債務を減らしていくことができるため、リース会社への売却によるPPn-outを発生させずして、機械購入時の大きな支出を抑制
    • (機械購入時)
      • PPn-in 10%はリース契約金額に含まない。
        • (借) Plant & Machinery 1,000,000     (貸) Lease A/P 1,000,000
        • (借) PPn-in 100,000           (貸)A/P 100,000
      • リース契約金額
        • 売却ではないのでPPn-out 10%が発生しない。
        • (借) Lease asset 1,000,000     (貸) Plant & Machinery 1,000,000
    • (月々の支払い時 リース料支払 1,000,000÷3÷12)
      • リース支払
        • (借)Lease A/P 27,777        (貸)Bank 27,777
      • 減価償却費(1,000,000÷10÷12)
        • (借) Depreciation 8,333         (貸)Accumulated depreciation 8,333
    • (リース契約期間終了後、リース資産の固定資産化)
      • 購入ではないのでPPn-in 10%が発生しない。
      • (借)Plant & Machinery 1,000,000        (貸)Lease asset 1,000,000
    • (月々の支払い時)
      • 減価償却費
      • (借)Depreciation 8,333        (貸)Accumulated depreciation 8,333

材料の船上在庫は未着品、売上計上予定のプロジェクトは未成工事支出金または仕掛品、売上計上されない自社用資産の船上在庫はCIF費用とともに建設仮勘定(CIP)に一時計上する

  1. 建設仮勘定(Construction In Progress)
      • 工事の完成・建物の引渡等までに仮払い、前払いした工事費や材料費、労務費、経費を管理する一時勘定。日本から輸入する設備も、FOBの本船渡し契約では出港した時点で自社の資産となるがCIF費用が確定するまでは固定資産に組み入れず、建設仮勘定に一時計上する。
      • CIF費用(Cost, Insurance and Freight)
        1. 送料(Freight charge)
        2. PIB(輸入申告書Pemberitahuan Impor Barang)
        3. SPPB(通関許可書Surat Persetujuan Pengeluaran Barang)
      • 建設仮勘定は減価償却対象外の資産の一時保管場所で、不自然に長く滞留していると監査対象になります。
  2. 仕掛品(Work In Process)または未成工事支出金(Cost of uncompleted contracts)
    販売する商品としての建物の建設途中のものは未成工事支出金(Cost of uncompleted contracts)や仕掛品として区別される。
  3. 未着品
    輸入材料はの船上在庫は未着品計上され、仕入に付随するCIF費用は、金額が小さい場合は仕入諸掛として費用計上するが、金額が大きい場合は仕入に振替えてCOGS化する必要がある。
  4. インコタームズ(incoterms)貿易条件
    1. EXWorks(工場渡し)
    2. FOB(Free On Board 本船渡し)
    3. CIF(Cost, Insurance and Freight)
  5. 減価償却の開始時期
    設備は船上在庫となった時点で建設仮勘定に計上され、工場に搬入され使用開始された時点(事業の用に供した日)で固定資産化され、耐用年数に基づき減価償却されていきます。

金型管理システムの償却管理機能は金型の完成/入荷時に受けが発生し命数と簿価が決まり、製造実績時にショット数X(材料単価+標準加工単価)の払い(償却)が発生する。

    1. 金型は、金型材料を購入し現在面を加工しはじめた時点で建設仮勘定に計上され、金型仕掛品を経て完成品金型化した時点で、固定資産に振替えられ会計上減価償却が始まります。
    2. 流動資産と固定資産の区別は1年以内に現金化できるかどうかを基準としますが、金型は耐用年数が1年未満であっても取得価額が大きいため固定資産のカテゴリー1に分類されます。
    3. 取得価額が小さい補助型等は取得時に消耗品費にされることもあれば、金型とひとくくりにされ固定資産として処理する場合もあります。
    4. 固定資産ですから間接法でマイナス資産として計上する仕訳を行ない、B/Sの固定資産の購入金額の下に「いままでいくら償却したか」「いままでいくら損失計上したか」という累計額を記載します。

債権債務仕訳を発生させる機能が仕入/売上(販購買機能)なのか、AP/ARインボイス(会計機能)かの違い

  1. パッケージERPの流れ
    • 債権債務は仕入/売上の入力で発生
    • ⇒[発注⇒発注承認] PC
    • ⇒[入荷] PC
    • ⇒[仕入⇒仕入承認(未承認買掛振伝)] PC
    • ⇒[仕訳承認(買掛振伝)] AC
    • ⇒[消込(未承認消込振伝)] AP
    • ⇒[仕訳承認(消込振伝)] AC
    • 発注承認と仕入承認は設定で省略できる。
  2. パッケージ会計の流れ
    • 債権債務はAP/ARインボイス(会計機能)入力で発生
    • ⇒[債務⇒債務承認(未承認買掛仕訳)] AP
    • ⇒[仕訳承認(買掛振伝)] AC
    • ⇒[消込(未承認消込振伝)] AP
    • ⇒[仕訳承認(消込振伝)] AC
  3. カスタマイズERPの流れ
    • 債権債務はAP/ARインボイス(会計機能)入力で発生
    • ⇒[発注⇒承認] PC
    • ⇒[入荷⇒承認⇒ポスティング(仮買掛)] PC
    • ⇒[債務⇒承認⇒ポスティング(買掛] AP
    • ⇒[消込⇒承認⇒Posting(消込)] AP

A/P・A/R残高とG/Lの科目残高の不一致とシステムと運用のギャップ

  • A/P・A/R残高とG/L科目残高が一致しない例
    1. B/SのA/R月初残高と前月末A/R Agingの残高が一致しないのはG/Lから直接A/R仕訳(CN/DNなど)を入力しているから。
    2. 月次A/RリストがG/LのSalesと一致しないのはA/Rの一部が前受金(Down Payment)として処理されておりSalesがまだ立っていないから。進捗度に応じてDown PaymentをSalesに振替える。
    3. A/R・A/P計上時に部門間の切り分けができず、会計上で部門間損益管理ができなくなる。
    4. 締処理後にG/Lでデータ調整(値引・税務・為替)されていることで、月次A/Rリスト合計とG/L上の当月発生A/R合計が不一致。
    5. 為替評価替対象は現在のA/R残高なので、前月の評価替が未了のまま当月の決済をフライング入力すると、A/R上の前月末残は100なのにG/L上では98に対して評価替を行い間違った未実現為替差損益金額を仕訳してしまう。
    6. G/LのA/Rに部門がついていないのでG/Lの残高とA/Rの部門別集計と比較ができない
      B/S科目は損益管理対象ではないのでG/L上では部門コードが付いていないか代表部門が付いていたりする。
      G/L上で部門別集計を行なうためには、受注登録時の担当営業部門をA/Rに引き継ぐかA/R発生時に担当営業部門を入力させることで、A/R決済とG/L上に部門コードを引き継ぎ、翌月初繰越高として部門別通貨別の残高引き継ぐ。
  • システムと運用のギャップ例
    1. 夜勤の実績が翌朝上がりマイナス在庫でD/Oが発行できない。
    2. 移動平均または先入先出法の場合、モノ到着でもInvoice未到着だと仕入登録ができず在庫計上されず出荷できない(総平均単価でマイナス在庫を許可すれば可能になる)。
    3. 出荷指示が在庫引当前提でモノがなく前日に出荷指示が出せない。
    4. 受注済み未出荷は受注残として把握できるが受注済み未出荷指示が把握できない。
    5. 入荷即投入され製造原価化した材料のInvoiceが未着で原価計算対象とならない(Invoice番号にD/O番号を入力しInvoice登録し、事後に会計で正に修正)。
    6. 締処理前に入出荷の修正が終わらないと実地棚卸の反映ができない。
    7. イレギュラー処理(材料払出・戻入処理・NG・別管理品)の実績入力や現品票発行が追いつかない。
    8. 実地棚卸で発覚した実績間違いを修正したいが、ロットが客先まで流動している場合にD/OやInvoiceをキャンセルするとInvoice番号やD/O番号が新たに採番されてしまう。
    9. 8月25日在庫が100個で翌月9月1日に入荷50個あり、前月末31日に投入130個をバックデートで入力した場合、運用はまわるが8月の締処理がマイナス在庫エラー。
    10. 製造実績入力時のNGは不良品倉庫で管理されるが、投入ロスは消えてなくなる(不良品在庫で管理したい)。
    11. データを提出後に迷子Invoiceが発覚し、会計コンサルへのデータの修正依頼が間に合わず、社内のInvoiceベースのA/R・A/P残高と会計コンサルからのA/R・A/P残高が合わない。
    12. システム導入後の勘定科目と会計コンサルの科目のマッピングで不十分であり、どの科目に計上すべきか分からず、月末に科目別残高の照合が出来ない。
    13. 月初残高データが届くの翌月の20日前後になるため、A/R・A/Pの残高設定が遅れ決済入力ができない。

期首T/B残(B/S科目のみ)、 A/P, A/R残をインポートし、初月からG/LとA/P・A/R発生をインポートしA/P・A/R決済を入力し、締め処理を繰り返せば、通年の月次A/P・A/R Aging、月次P/LとB/Sの推移が把握できる

  1. カットオフ
    • システムをリセットし再スタートを切る際に過去データを引き継ぐためには、未出荷(入荷)の販購買データすべて完了させ、在庫への影響要素をリセットした上で、在庫データをすべて出庫して空にしてから、あらためて前期末棚卸残を入庫する。
    • 会計システムでは毎月の利益はB/S上でNet Profitとして表示させバランスさせるが、期末の年次締め処理で累積ProfitをRetained earningに自動振替する。
    • 期中において会計システムをカットオフする4パターン
      1. 通年の月次A/P, A/R aging、月次P/LとB/Sの推移表が出力できる方法
        • 期首:T/B残, A/P, A/R残をインポート
        • 毎月:G/LとA/P, A/R発生をインポート・A/P, A/R決済をインプット・締め処理
      2. 通年の月次P/LとB/Sの推移表が出力できる方法
        • 期首:T/B残をインポート
        • 毎月:G/LとA/P, A/R発生をインポート・前月以前に発生したA/P, A/R決済はG/Lから消込・当期から発生したA/P, A/R決済をインプット・締め処理
      3. 通年の利益と当月以降の月次P/LとB/S推移を把握(前月分までは残高のみでよい)する方法
        • 当月:前月末T/Bの全科目を振替伝票で入力
      4. 当月以降の利益と当月以降の月次P/LとB/S推移を把握するだけの方法
        • T/BのB/S科目のみ振替伝票で残高を入力し差額はRetained earningに振替えバランスさせる。
  2. システムの機能通貨の変更時の作業
    1. ルピアベースのシステム環境とDBの準備
    2. マスタの移行
    3. 既存帳票や伝票へのインパクトの調査
    4. ルピアベースでの期首残の準備(A/P, A/Rは決済のためインボイス単位で必要)
    5. ルピアベースでの初回締め処理

主科目の現金に対して補助科目で通貨分けし、主科目の預金・定期預金に対して補助科目で銀行+通貨分け(SMBC-IDR)、AR/APはグループ内外、国内国外など

  1. 現預金(現金・当座預金・定期預金)勘定は補助科目で細分化する。
    現金は通貨別(IDR・USD・JPYなど)に、当座預金は銀行&通貨別(SMBC-IDR・BOTM-USDなど)に分ける。
  2. G/Lには部門コード、取引先コード(従業員コード)、通貨コードが付随するので、A/R科目やA/P科目を部門別・取引先別・通貨別に細分化する必要はなく、グループ内外、国内国外など取引先の性格でグループ分けする。
  3. 会計システムはP/Lメニューから部門別、取引先別に収益費用科目を横列に集計する管理帳票のRDLCテンプレートは持っているが、縦方向の行別に金額を集計したければ勘定科目を部門別、取引先別に分ける必要がある。
  4. Analytics serviceはストアドでテーブルを取得しマクロでレイアウトを整える。

受払の発生しない金額調整で、請求がデビットノート(債権)で支払いがクレジットノート(債務)で行い、写真の所有者明記(権利を借りる)や対価の支払いをクレジット(借金)するという。

  1. デビットは自分のお金でクレジットは借りるお金。
    支払いの源泉を基準に考えるとデビットは資産(借方)でクレジットは負債(貸方)。
  2. 受払の発生しない金額調整はDN/CNで行なう。
    1. 払い過ぎ分の請求の権利がデビットノートで相手に発行することで請求を行なう(インボイスをデビットノートと呼ぶ会社もある)。
      「Debit Noteで請求させていただきます。」
    2. 受け取り過ぎ分の支払の義務がクレジットノートで相手に発行することで請求してもOKと伝達する。
  3. 「この写真は自分のものではなくて借りている」ことを明示(債務の発生)するためフォトクレジット(貸方)
    ソフトウェアの追加ライセンスの減少=資産の減少なのでクレジット。

【重要】有償支給も無償支給もシステム上は「外注PO発行⇒引当(払出/支給品引当情報 )⇒出庫指図&出庫実績(払出/支給品出庫指図・実績 )⇒外注使用実績⇒入荷実績」だが有償では材料引渡時に未収金計上して工事完了時の外注加工費と相殺する。

  1. ポイントは支給の際の仕訳の有無で、無償支給は材料の移動なので仕訳なし、有償支給は材料を外注へ販売して製品として買い戻すが、製品販売時にSalesが二重計上(往復ビンタ)にならないよう、外注へはSales計上せず材料のマイナスを未収金(資産)計上する。
  2. 有償支給は外注先に支給品である材料を販売するので外注先の資産となり、外注先が加工した後の製品を「材料費+加工費」で買い戻す。
    • 有償支給は通常の販売取引と同じで、仕入先直送との違いは、外注先が材料を発注してくるか、顧客が商品を発注してくるかの違いという観点からの仕訳。
    1. 材料購入
      • 材料 100 / AP 100
    2. 材料の下請への引渡し(売上)
      • AR 100  / Sales 100
      • COGS 100 / 材料 100
    3. 工事完了、外注費支払
      • 製品 120 / AP  120
    4. 製品売上(売上二重計上)
      • AR 150 / Sales  150
  3. 有償支給と無償支給のシステム上の動き
    • ⇒PO発行
    • ⇒引当(払出/支給品引当情報 )外注の引当
    • ⇒出庫指図&出庫実績(払出/支給品出庫指図・実績 )
    • ⇒入荷実績

     

    • (有償支給)
      1. 資材調達
        • 材料 100 / AP 100
      2. 資材の下請への引渡し(棚卸不要)
        • 未収金 100  / 材料 100
      3. 工事完了、外注費支払
        • 外注加工費 120 / AP  20
        •         / 未収金 100
    • (無償支給)
      1. 資材調達
        • 材料 100 / AP 100
      2. 資材の下請への引渡し(自社資産なので棚卸が必要)
        • 仕訳なし
      3. 工事完了、外注費支払
        • 外注加工費 20 / AP  20

総合課税(Non-Final)はPPH23(サービス源泉税2%)PPH26(出張者給料、ロイヤリティ20%)PPH22(輸入時に売上計上時の税金前払)、PPH25(法人税 25%)は年度末にPPH29で調整、源泉分離課税(Final)であるPPH4-2(賃貸料10% 銀行利子20%)。個人ならPPH21(個人所得税5-30%)で年度末3月にPelaporan SPT Tahunanが必要

所得税だから所得を得る側にかかるが源泉徴収の場合購入側が支払い時に天引きし税務署に支払う。

  1. サービス源泉税
    • PPH23:国内サービス提供者側の税金2%を決済時に源泉(他社の税額)した上で翌月10日までに納税する義務PPH23があり、サービス提供者側に源泉徴収票(Bukti potong pajak)を発行する。
    • PPH4(2):国内サービスのうちオフィスの賃貸料(他社の収入から自社が源泉)の場合、支払うとき10%を源泉し翌月納税。銀行利子(自社の収入から銀行が源泉)は口座に入金されるときに銀行側に20%源泉される。
    • PPH23がまとめてポンの総合課税(Non-Final)であるのに対し、PPH4(2)は取引単位で課せられる源泉分離課税(Final)になる。
    • PPH26:海外サービス(本社支援、ロイヤリティなどの費用)料に対する源泉はPPH26で支払い時に源泉の上、自国で二重課税されないよう源泉徴収票を発行してあげるが、PPH26がインドネシア子会社の日本へのロイヤルティ支払い、つまり日本の親会社の投資回収の源泉に対してかかる源泉徴収であり、損金計上は認められず否認されインドネシア法人側で20%きっちり源泉される。
  2. 売りのPPNとPPH仕訳
    • PPNはAR/AP発生時
      • (借)AR 110(貸)Sales 100+PPN Out Payable 10
    • PPH(発生時にARから差引)
      • (借)AR 98+WHT Prepaid 2 (貸)Sales 100
      • (借)Bank (貸)AR 98
    • PPH(決済時に入金から差引)
      • (借)AR 100 (貸)Sales 100
      • (借)Bank 98+WHT 2 (貸)AR 100
    • パッケージ会計はAR/APで為替レートマスタからBIレートしか取得できないので、PPNはTaxレートで手計算するか、AR/APを取引部分とTax部分の2つに分けるか、月中はBIレートで計算し月末にTaxレートで計算した正しい金額にまとめて洗替するかのどれかになる。
    • PPHはAR/AP決済から入力すると税タイプマスタから2%を自動計算仕訳生成する。
  3. 個人所得税(国内)
    • 個人の所得税PPH21は日本と同じく「超えた分のみ税率が上がる」超過累進課税で、基本給(Gaji Pokok)と手当(Tunjangan)を足した金額(Gross)から各種控除(Potongan/Subsidi pajak)を差し引いた金額が課税所得。
    • 従業員の給料を決める際に、PPH21差し引き後をぴったりNet給料額にするよう所得税手当(Tunjangan PPH21)を足してGross給料を決めることをGross-up方式と呼ぶ。
    • 毎年3月に前年度の所得税申告Pelaporan SPT Tahunanをする必要があるがBukti potong pajak上でUpah Minimum Propinsi (UMP)を下回っていると銀行のKPA(Kredit Pemilikan Rumah)が組めなかったりする。
    1. 50jutaまで:5%
    2. 50jutaから250jutaまでの間:15%
    3. 250jutaから500jutaまでの間:25%
    4. 500juta以上:30%
  4. 海外での所得に対する所得税がPPH24(駐在員の日本の給料)
    • インドネシアで年間183日以上滞在する居住者はインドネシアで全世界所得に対して納税義務が発生するが(183日ルール)、日本の収入に対しては2重課税を防ぐために日本で源泉されたときの源泉徴収票でもってインドネシアで控除を受ける。
    • リタイアメントビザと呼ばれる319ビザでインドネシアに居住する場合は日本での年金収入などがあることを前提としているので、このPPH24の控除手続きが必要。
  5. 法人税
    • 法人税PPH25 bulananは課税所得に対して一律25%かかるが、年度末の当期課税所得(13月調整後の税引前利益)が翌期の3月に確定してから一括納税というのはNGで、前年度課税所得の25%の12等分を翌月15日までに前払いする。
    • 前年度課税所得は、前年度収入から前年度の前払PPH22(輸入時に売上計上時の税金を前払い)と前年度に源泉されたPPH23(国内サービス販売時にお客から回収した源泉徴収票に基づく)とPPH24(日本からの収入のうち日本で源泉された源泉徴収票に基づく)を控除したものであり、その25%を12等分を毎月の予定納付額として前払いし、年度末に確定した当期課税所得を元に算出した確定法人税額から12ヶ月分の累積額と当期のPPH22、PPH23、PPH24を控除し、差額をPPH29として納税する。
  6. 輸入税
    • 輸入時の仕訳
      • (借)Freight charge       (貸)AP Forwarder
      • (借)関税BM(15%)
      • (借)Prepaid PPH22(2.5%)
      • (借)PPN(10%)
    • 将来の販売時の法人税の前払い源泉税がPPH22であり、BM(事業者負担)→PPH22(製造業者負担)→PPN(消費者負担)になる。
    • PPH23は決済時に相手の所得税を源泉してあげるpayable負債だが、PPH22は債務発生時に所得税を前払するprepaid資産。
  7. SPT
    • 毎月のSPT(Surat Pemberitahuan)はPPN, PPH21, PPH23, PPH25, PPH4(2)の5枚あり、銀行への払い込みはまとめて一括OK。
    • PPH23が売り(Prepaid)の場合には年度末の当期課税所得に基づいて計算された法人税からの控除(お客から源泉徴収票を発行してもらう)になる。

収益の中の課税対象が所得で費用の中の控除分が損金となり、企業は短期償却してより多く損金計上したいが、税務署は長期の耐用年数を求め損金否認して課税所得を増やしたい

  1. 一言で言うと税金を減らしたい企業と増やしたい税務署の立場の違いである。
  2. 会社の儲けた金は企業会計上は利益で、税務会計上は所得であり、P/Lに計上した交際費が必ずしも経費として落とせる(損金計上する)とは限りません。費用のうち法人税を計算するときに、税制上掛かる税金を減らせるものを損金という。
  3. 企業は早々に費用計上して税金を減らしたい。一方で税務署は費用化されて利益を圧縮されると課税対象の所得が少なくなるため長い耐用年数を求める。これが会計と税務が違うということ。
  4. 現在連結会計ではIFRSに基づく財務報告が必須になる一方で、税務については引き続き各国独自の基準で財務報告を作成すべき。

ロイヤルティ・コミッション・未払配当金として移転価格、帳簿上利益なしで販売し法人税対象となる所得をゼロにする代わりに裏金を貰う、不良債権を関連会社に飛ばし、事業損失をM&A損失に付け替え

  1. 移転価格の例
    1. お友達価格で販売すると法人税対象となる課税所得が小さくなるので簿外のバックマージンをもらっているんじゃないかと疑われる。
    2. 海外支店に格安で販売すると日本での課税所得が減り現地法人側の課税所得になってしまう。
    3. 含み損のある不良債権を簿価で連結対象外の関連会社に「飛ばし」
    4. 財テクの事業損失をペーパーカンパニー買収のM&A損失に「付け替え」
  2. ロイヤリティ・コミッション
    • 日本本社がインドネシア現地法人からの投資回収のための勘定科目は、製造費用科目の場合はProduction Royalty、販管費科目の場合はコミッション(Sales Commission)、配当は未払配当金(dividend payable)として負債科目にクラス分けされるが、税務署に移転価格と判断され否認されがちである。
    • うまく日本本社に対する正当なロイヤルティとして損金計上を認められたとしても、移転価格税制に基づきロイヤルティ金額を再計算された上で、PPH26という海外サービスに対する源泉税20%を徴収される。
    • 本来配当という形での投資回収が望ましいが、数年間連続して営業利益が出ていない限り配当に計上するのは難しいため、Sales計上時に品目に応じて該当するレートでRoyaltyを費用計上する。

【重要】VAT(付加価値税)は販売のない末端消費者がINを控除できないという意味で実質消費税と同じ

VATはサプライチェーンの中の事業者が負担する税であり、消費者が負担する消費税とは性質が異なるものだが、購入時のIN(OUTから控除できる額)と販売時のOUT(税務署支払)という関係で、販売がなく控除する機会のないサプライチェーンの末端にある消費者が実質負担している。

  1. 工場
    • 取引先から材料仕入
      • Dr. 仕入 20 / Cr. AP 22
      • Dr. Prepaid PPN 2⇒控除できるIN
    • 卸へ販売
      • Dr. AR 33 / Cr. Sales 30
      • / Cr. PPN payable 3⇒税務署へOUT
  2. 卸業者
    • 工場から仕入
      • Dr. 仕入 30 / Cr. AP 33
      • Dr. Prepaid PPN 3⇒控除できるIN
    • 小売へ販売
      • Dr. AR 44 / Cr. Sales 40
      • / Cr. PPN payable 4⇒税務署へOUT
  3. 小売店
    • 卸から仕入
      • Dr. 仕入 40 / Cr. AP 44
      • Dr. Prepaid PPN 4⇒控除できるIN
    • 消費者へ販売
      • Dr. AR 55 / Cr. Sales 50
      • / Cr. PPN payable 5⇒税務署へOUT
  4. 消費者
    • 小売店から購入
      • Dr. 仕入 50 / Cr. AP 55
      • Dr. Prepaid PPN 5⇒売りがないので控除できないIN

WHT計上はインドネシアでは発生時に計上、タイでは決済時に計上される。

所得税は売ったほうに支払い義務があるが、税金のとりっぱぐれや納税手続きの簡素化のために、買ったほうがWHT(源泉徴収税)として支払う。

サービス購入者がサービス提供者に対して2%減額して支払う変わりに、サービス購入者は2%納税の義務を負う(Payable)。

  1. 債務発生時に源泉所得税を計上(インドネシアで多く採用)
    • (発生時)
      • Dr. Service 100    Cr. AP 98
      •            Cr. WHT23 payable 2
    • (決済時)
      • Dr. AP 98    Cr. Bank 98
  2. 債務決済時に源泉所得税を計上(タイで多く採用)
    • (発生時)
      • Dr. Service 100    Cr. AP 100
    • (決済時)
      • Dr. AP 100    Cr. Bank 98
      •          Cr. WHT23 payable 2

年間売上4.8Miliyar以下のUMKM中小個人事業主に課せられる外形標準課税

  1. 年間売上4.8Miliyar以下のUMKM中小個人事業主(Usaha Mikro, Kecil, dan Menengah)の課税所得に対してかかる税金として、経営成績である利益に対してかかる法人所得税(PPh25 bulanan)ではなく、事業主に対して一律公平にかかる事業税のような 外形標準課税(Pro forma perpajakan standar)が1%かかり、税法上はPKP課税事業主(Pengusaha Kena Pajak=Taxable Entrepreneur)ではないため、税務申告もあくまで自主申告(Voluntary Registration)になります。
  2. UMKMは売り時にPPN10%は上乗せしませんし、買ったときに10%上乗せされませんので、例えばPKP課税事業主の会社がUMKMに対して売上を計上する際には、相手がFaktur Pajakを処理できないためNo-taxation不課税(Tax exemption 非課税ではない)となりPPNは計上できません。
  3. UMKMと似た言葉に最低賃金UMK(Upah Minimum Kabupaten)またはUMP(Upah Minimum Provinsi)があり、2017年のジャカルタの最低Upah(工賃)は3.35juta。

在外インドネシア公館に対して、1年間何回でも入国できるが一回の滞在期間が最長60日の212マルチビザ、または6ヶ月または1年の312ビザ(VITAS)の発給依頼書のTelexを打電。

  1. EPO(Exit Permit Only)で出国(今の会社を辞める)
    1. Sponsor Asli
    2. Passport Asli
    3. Imta(Ijin Mempekerjakan Tenaga Asing) Asli
    4. 技能開発基金DPKK(Dana Pengembangan Keahilan Keterampilan) Asli
    5. Kitas(Kartu Izin Tinggal Terbatas) Asli
  2. 再入国の種類
    • ⇒ビザなし(30日間の延長不可の観光ビザ)
    • ⇒VOA(213ビザ)30日ビザで公共の場でのミーティングだけならOKだが、事実上は1回30日国内で延長可能な観光ビザ。
    • ⇒ソシアルブダヤと呼ばれる211ビザ(最大60日で延長不可)
      • 会社のスポンサーは必要なく、インドネシア人の身元保証人のレターでOK
    • ⇒ビジネスビザである211シングルビザ(最大60日で出国で無効になる)、212マルチプルビザ(1年間何回でも入国できるが一回の滞在期間が最長60日 )⇒183日ルール(年間183日を超える場合はNPWPを取得し納税義務)対象だが、実際は指摘されない。⇒ノートとペンのミーティングのみOKでPCを開くとNG、現場に入るとNG。⇒312同様在外大使館へのTelexが必要。
  3. 312ビザ(VITAS=Visa Ijin Tinggal Sementara)取得のため再出国(EPOと同時にTelexがあれば不要)
    • IMTAを労働局(Kementerian Ketenagakerjaan RI)から取得しておく。
    • 6ヶ月または1年もの312ビザを取得するために、法務局出入国管理局(Kementerian Hukum dan HAM RI)に、発給依頼書のTelexを、指定した在外インドネシア公館に打電してもらう。
    • 「どこの在外インドネシア公館に対して(シンガポール)どんなビザの種類を(VITAS)発給してください」という情報が記載
  4. インドネシア国内処理
    • ⇒在外大使館発行の312ビザ(Single Entry)をイミグレ発行のKITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas)一時滞在許可証に切り替え。Multiple Exit and Re-Entry Permit(MERP)取得。
    • ⇒KITASが廃止されカードの代わりにITASオンラインのスタンプがパスポートに押され、レターのファイルを貰うので印刷して携帯。

就労ビザ取得手続き

  1. 外国人雇用計画書(RPTKA)
    • スポンサーである会社(PT)は、外国人雇用計画書であるRPTKA(Rencana Penggunaan Tenaga Kerja Asing)を労働移住省(Kementerian Tenaga Kerja dan Transmigrasi)に提出し承認をもらっていることが前提
  2. 労働移住省からの推薦状(Rekomendasi TA.01)
    • 推薦状が承認されたら技能開発基金DPKK(Dana Pengembangan Keahilan Keterampilan)への1200ドル払い込み後IMTAが取得できる。
  3. 312就労ビザ(VITAS=Visa Ijin Tinggal Sementara )の在外インドネシア大使館向け発給依頼書であるVTT(Telex Visa)
    • 法務局出入国管理局(Kementerian Hukum dan HAM RI)から発行してもらう。
  4. 312就労ビザ
    • シンガポールのインドネシア大使館で312就労ビザ

通常はVTT+312、VTT+211(シングル)、VTT+212(マルチ)のセット販売。