1日の最大資源量を品目別の必要資源量で消費するという発想

本記事のポイント

一般的なスケジュールでは時間軸にタスクを割り付けていきますが、計画段階でタスクの開始順番が重要でない場合は、「1日の最大資源量を品目ごとの必要資源量で消費していく」というような発想の転換を行います。

熱処理工程の1日あたり最大セット可能な台車数を「品目ごとの必要台車数xオーダ数量」で消費していきますが、品目ごとに対応する台車数に制限がある場合には、品目ごとの副資源の最大資源量に台車数を設定します。

さらに品目ごとに台車への搭載可能数が異なる場合には、品目ごとの出力指図に搭載可能数を設定することにより、熱処理工程の1個あたり熱処理時間は搭載可能数に反比例して短くなることを表現します。

セミナーのアジェンダと週末のやりたいことリストの違い

例えばセミナーを開催する場合のアジェンダを作る際には、開始時間から終了時間までの時間軸にイベントを割り付けていくのが普通です。

  • 受付開始時刻(14:30)からはじまって主催者の挨拶10分(15:00-15:10)、1人目登壇者60分(15:10-16:10)、休憩時間10分(16:10-16:20)、2人目登壇者40分(16:20-17:00)、3人目登壇者50分(17:00-17:50)、質疑応答10分(17:50-18:00)・・・

これは参加者が聴講したい登壇者の出番に合わせて来場できるように登壇時間を明確にしたり、登壇者がその日の夕方の飛行機で帰京しなければならないので、前半の登壇に起用したりなど、「何時何分に何のイベントがあります」という、時間軸に対するタスクのアサインが重視されるからです。

一般的にスケジュールを作成する場合、システム開発導入プロジェクトで作成されるWBS(Work Breakdown Structure)のように、縦軸にタスク、横軸に時間軸を設定し、いつからいつまでにタスクを完了させるということを明確にします。

一方で溜まっている残作業を週末にまとめて終わらせたいという「やりたいことリスト」を思い描く際の考え方は、週末に活動可能な時間の中でどれだけ作業を積み上げられるかが重要であって、どのタスクから先に実行するかは土曜日になってから考えれば十分であり、計画段階での重要な問題ではありません。

  • 土曜日の夕方には嫁の妹夫婦が遊びに来るので、作業時間は朝から夕方5時まで実質8時間ある。案件1の残作業(2時間)、ブログ更新(2時間)、睡眠不足解消のための昼寝(2時間)、洗車(1時間)、買い物と印刷屋での用事(2時間)、時間足りなさそうなので(キャパオーバーしそうなので)洗車は明日にしよう・・・

最大資源量を必要資源量で消費していくという考え方

このように「週末やりたいことリスト」を思い描く際には、無意識のうちに「時間軸にタスクを割り付ける」という一般的なスケジュールの思考方法から「活動可能な時間をタスクごとの必要時間で消費する」という発想の転換が出来ているわけです。

これをもっと抽象化すると、1日8時間という「最大資源量」を、案件1を完遂するための「必要資源量」2時間、ブログ更新のための「必要資源量」2時間、昼寝するための「必要資源量」2時間、洗車屋に行って帰ってくるための「必要資源量」1時間、諸々の用事を済ますための「必要資源量」2時間で消費していく、という考えになります。

別の例として、トンネル炉による熱処理工程にて、1日あたりベルトコンベアにセット可能な台車数が1000台、これを「オーダ数x資源必要量1台」で消費していきます。

  • 1日あたりベルトコンベアにセット可能な台車数1000台⇒主資源(トンネル炉)の最大資源量
  • オーダ数x必要資源量1台⇒品目ごとの必要資源量
      1. 割付け資源量フラグが「通常」
        作業ごとに製造BOMの必要資源量に指定した数だけ資源量を消費します。
      2. 割付け資源量フラグが「製造数量に比例させる」
        作業の製造数量に製造BOMの必要資源量に指定した数値を掛け算した資源量を消費します
  • トンネル炉の熱処理時間⇒固定リードタイム1日

トンネル炉にて熱処理をほどこす品目の大きさは様々であり、対応する台車の在庫数に制限がある場合は、台車の最大資源量に在庫数を設定し、トンネル炉(主資源)の熱処理時間と同じく、台車通過時間を固定リードタイム1日で設定します。

  • 品目ごとの対応する台車の在庫数⇒副資源(台車)の最大資源量
  • 台車通過時間⇒固定リードタイム1日

また小さい品目ほど台車に搭載する数が多くなりますので、品目ごとの出力指図に搭載可能数を設定することにより、熱処理工程では1個のオーダに対して搭載可能数分の出力が得られる、つまりトンネル炉の1個あたり熱処理時間は搭載可能数に反比例して短くなります。