インドネシア税法

海外のデジタルサービス企業に対する付加価値税【VAT徴収役(Pemungut PPN)として強制徴収事業者(WAPU)に指定】

日本の消費税とインドネシアの付加価値税PPN

日本の消費税は消費時の付加価値の移転に伴う税という意味合いで、消費者側が負担し店側に徴収と納税義務のある税であり、インドネシアの付加価値税はサプライチェーン上での付加価値の移転に伴う税という意味合いで、サプライチェーン上の企業に徴収と納税義務がありますが、最終消費者が10%を負担するという点では同じです。

駄菓子屋さんも卸問屋さんからお菓子を仕入れるときに消費税10%を支払っていますので、子供達に消費税分を入れて売らないと利益が減ってしまうのですが、消費税分自己負担してでも売上をキープしたいと考える駄菓子屋さんはいまだに消費税を付けないし、消費税が付いている駄菓子屋さんでも、年間売上高が1,000万円未満なら納税せずに売上げとして計上(自分でもらう)しても良い事になっているので、本来税務署に納めるべき消費税分を懐に入れても法律上問題はないわけです。

  • 消費税納付額=課税売上高×8%-課税仕入高×8%

インドネシアでは税務伝票Faktur Pajak(Tax Invoice)を発行、集計して納税額を計算して、付加価値税PPN(Pajak Pertambahan Nilai )を納める企業を課税事業者PKP(Pengusaha Kena Pajak)といい、年間売上高が48億ルピア以上の企業はPKP登録が義務付けられています。

  • 付加価値税納付額=課税売上高×10%-課税仕入高×10%

弊社が会計と税務処理を委託しているローカルコンサルタント会社は、PKP登録をしなくて済むように複数の会社に売上を分散させて、年間売上高を48億ルピア以下に抑えているのですが、これはコンサルタント業という職種柄、仕入れがほとんど発生せず、課税仕入高10%分を控除できないためです。

本来なら弊社のようなIT企業も仕入がほとんど発生しないので、PKP登録しないほうが付加価値税を納税しなくて済むので良さそうなものですが、顧客である日系製造業様は、課税売上高にかかる10%からより多く相殺するために、PKP企業としか取引をしない方針になっているため、必然的に弊社もPKP登録が必要になります。

税務署の立場からすれば、年間48億ルピアの売上がない大多数の企業の付加価値税の手続きまではとても手が回らないというところかと思います。

また付加価値税を課税されない物品やサービスとして、鉱物資源(原油、天然ガス、石炭、鉱石等)、基本必需品(米、籾、トウモロコシ、サグ、大豆、塩、精肉、卵、畜産乳、果物、野菜)、ホテル、レストラン等で提供される飲食物、医療、金融、教育などのサービスなどがあります。

海外からインドネシア国内に物やサービスを販売する企業が付加価値税を払わないことの問題

来月10月1日から、海外のデジタルサービス会社28社(Facebook、Twitter、ZOOM、Shopeeなど)が強制徴収事業者WAPU(Wajib Pungut)に指定され、付加価値税の納税義務が発生し、あわせて海外からオンラインマーケットプレイスを通じて、インドネシアに物やサービスを販売する事業者の付加価値税も、オンラインマーケットプレイス側がVAT徴収役(pemungut PPN)として国税に直接納税することになりました。

Shopeeを通して商品を販売する海外事業主に対して、Shopeeが付加価値税10%の徴収者(pemungut PPN)となり、Shopeeが国税DJPに納税する。現在まで28の海外デジタルサービス会社(Amazon, Facebookなど)が課税事業者WAPU(Wajib Pungut)に指定されている。

VAT徴収役(Pemungut PPN)に指定されているのは、政府機関や国有企業BUMN(Badan Usaha Milik Negara)などであり、例えば弊社のような課税事業者PKPが政府機関に対して売上を上げる際のInvoiceには、付加価値税を乗せず政府機関側が国税に直接納税します。

今回強制徴収事業者WAPU(Wajib Pungut)に指定された海外のデジタルサービス巨大企業28社が、インドネシア国内にモノやサービスを販売する際の問題点の1つは、インドネシア税法で付加価値税の納税を免除される48億ルピアという制限に比べて、売上額があまりにも巨額であること、2つ目は国外にあるため仕入時の付加価値税も負担していないことです。

実際Tokopedia、Bukalapak、Zaloraのような、インドネシア国内のオンラインマーケットプライスでの買い物の際に、付加価値税10%が課せられないのは、加盟店のすべてがインドネシア国内に居住しており、海外から直接輸入を行うことなく、インドネシア国内のサプライチェーン上での取引を行うからです。

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