最近のイミグレ・警察・税務署・通関などインドネシアの代表的な公的機関の印象

インドネシア時事問題

最近のイミグレ・警察・税務署・通関などインドネシアの代表的な公的機関の印象【民主化と世代交代が公的サービスの質を向上させる】


イミグレは火のないところに煙を立てない

インドネシアに住んでいれば仕事上でも日常生活上でも、行政機関、要はお役所と一定の付き合いをせざるを得ないのですが、まず最初にもれなくお世話になるのはイミグレーション(Kantor Imigrasi)ではないでしょうか。

インドネシアに入国する際には必ず入国審査を行いますし、就労ビザ(Index C312)や家族帯同ビザ(Index C317)を取得するためには、写真撮影と指紋押捺のために地域管轄のイミグレーションオフィスに出向きます。

南ジャカルタ在住ならクニンガンを少し南下したJl.Warung Buncit、中央ジャカルタならクマヨランのJl.Merpatiなどで、ジャカルタのようにibukota propinsi(州都)にあるものはkelas1(クラス1)、ブカシのようにKabupaten(県)にあるものはkelas2(クラス2)に分類されます。

職場やアパート、ゴルフ場にイミグレが突然やってきて日本人の駐在員や出張者のビザの不備を狙い撃ちする場合のほとんどは、内部のインドネシア社員による密告と言われており、指摘される不備のパターンはおおよそ決まっています。

  • 出張者がVOA(Index C213)やビジネスビザ(Index C211シングルまたはC212マルチ)で現場に入って指導や作業を行っているところを狙い撃ち。
  • 次期出張者または他社からの転職組が引継ぎ期間にITAS(Index C312)が下りる前にVOAまたはビジネスビザで現場に入って指導や作業を行っているところを狙い撃ち。
  • ジャカルタからチカランに引っ越した後、ITAS登録住所がジャカルタのままになっていることを指摘される。
  • 社内コンペ開催中のゴルフ場でITASレターを保有していたとしてもパスポートの未携帯を指摘される。
  • 30日間ビザなしで入国したにもかかわらず、ホテルからYシャツスラックス革靴姿でビジネス鞄を持って出かけるところを発見される。

要はイミグレは難癖つけているのではなく、少しビザの費用をケチったりパスポート携帯の手間を惜しんだりする隙を的確に狙ってくるわけであり、ある意味正義はイミグレ側にあるわけですから、在住外国人としては費用や手間を惜しまず疑われるような隙を作らないくらいしか予防策はないわけです。

自分の場合、インドネシア国内でイミグレに摘発された経験はありませんが、入出国時のイミグレカウンターで不備を追求されて何度も別室に連れて行かれました。

  • オーバーステイ12日、当時は罰金360万ルピアで無事出国。
  • ソシアルブダヤ(Index 211B)で3回目の入国時に就労を疑われたが嫁に助けられ無事入国。
  • 所属会社が変更になることでEPO(Exit Permit Only)したものの、VTT(ビザ発給許可証)がなかなか発行されず、1ヶ月おきにシンガポールに出国し、再入国時に帰りのチケットがないことを追求され、裏金30万ルピアを要求されるも拒否したところ、その場でエアアジアカウンターに連れて行かれ帰りのチケットを買わされた。

インドネシアのイミグレと聞いて連想する言葉が「裏金」というくらい、外国人の間での評判は芳しくありませんでしたが、実際のところイミグレが火のないところに煙を立てることはなく、不正を誘発するなんらかの原因を作ってきたのは外国人自身であるわけです。

近年イミグレ担当者の対応は明らかにフレンドリーに変わってきており、今でもめぐりあわせが悪いと、入国時に横柄な態度で「Youは何しにインドネシアへ?」と聞かれてカチンと来ることはありますが、インドネシアで仕事をさせてもらっている立場であることを忘れず、外国人として公明正大にインドネシアでの手続を行う必要があります。

外国人でも一人で免許更新手続ができるSamsat(交通警察)

9月にSTNK(車両証明書)の住所変更と車両税の支払いのためにジャカルタ中央警察署に行ってきましたが、警察職員の対応がフレンドリーなのはもちろん、それ以上にパッツンパッツンの制服を着た綺麗な女性警官のお姉さん達が、峰不二子ばりに機銃を持って警備しているのが印象的でした。

ジャカルタ警視庁(Kepolisian Daerah Metropolitan Jakarta Raya=Polda Metro Jaya)はTVニュースでの広報担当に、インドネシアの警察を象徴する強く美しい女性警官を配置しイメージ向上に力を入れていますので、一般人と接触する機会の多い交通警察には、特に「選りすぐりの精鋭」が集まっています。

またこのギャップに萌える人間の本性を利用して、デモ隊の警備を担当するイカツイ男性警官を後ろ盾にして、綺麗な女性警官を最前線に配置することで、男臭いデモ隊を内面から鎮圧するという非常に情緒的な戦略を採用しています。

インドネシアで車を運転していれば遅かれ早かれ一度はrazia(取り締まり)にかかる機会があると思いますが、自分もバリ島在住時には毎月のようにサヌールのバイパス沿いやデンパサールの曲がり角の死角で引っかかりました。

渋滞の酷いジャカルタでは車を停止させると益々渋滞するので、場所をとらずにまとめてSIM(免許証)やSTNKをチェックできるバイクの取り締まりが主流です。

参考までにどういう状況で取り締まりに引っかかるのかを挙げておきます。

  • バリ島Bypass SanurやDenpasar Renonで切れた免許を更新せず捕まる。
  • バリ島Kutaで進入禁止の標識を見落とす。
  • Benhilから3in1の時間帯と判っていながらSuridmanに侵入しKaret入り口で検挙される。
  • Tol Tangerang入り口に入る直前のゼブラゾーンを踏んだと指摘される。
  • Jl. Hartono RayaでGanjil Genapと判っていながら侵入し検挙される。
  • Rawamangunからの左折する直前に左に寄っていなかったと指摘される。
  • Mangga Duaへの右折禁止の標識を見落とす。
  • Rasuna SaidのUターン禁止の標識を見落とす。

因果関係から言えば警官の不正はこちらの非から生まれるわけですから、結果として発生した負の側面に注目するよりも、Samsat(交通警察)の職員の対応が飛躍的にフレンドリーになったというようなインドネシア警察の努力に注目してあげたほうが、幸せなインドネシアライフが送れると思います。

税務署も世代交代が進み若手によるサービスの質が向上

インドネシアの税務署といえば、何をするにも難癖つけられてお金せびられそうで怖いみたいなイメージが先行していますが、20年前に比べて税務署は明らかにクリーンで親切になっており、斜に構えすぎて逆に税務署職員に不遜な態度と思われるほうがよっぽど失礼になります。

日系企業を相手とするビジネスであればVAT課税事業者PKP(Pengusaha Kena Pajak)資格の取得は必須ですが、西ブカシ税務署の若い担当者はOnlinepajakシステムからのFaktur Pajakの発行の仕方から納税の仕方までわからないことは懇切丁寧説明してくれました。全体的に税務署職員が若いのが印象的で、「裏金」の負のイメージを持つ先輩からの世代交代がうまく進んでいるように感じます。

インドネシアの税体系、特に所得税体系は複雑だと言われますが、1つ1つの細則を見ていくと非常に合理的な仕組みであることがわかります。

付加価値税PPN

個人所得税PPH21

会社設立後1年間は、社員の年間所得総額が54jutaに満たないため基本PPH21はかかりませんが、フリーランスの個人を外注として雇う場合には自社社員と同じく累進制でPPN21が課税されます。

分離課税PPH4(2)

年間売上が4.8Miliyarに満たないので、売上に対して0.5%のFinal Taxがかかる。

オフィスの賃料、セミナー会場レンタル費用などに対して10%のFinal Taxがかかりますが、貸すほうに納税に対する意識が薄い場合があるので、借りる時にPPH4(2)込みなのかそうでないのか確認し、込みでない場合は10%自己負担で源泉徴収として納税する必要があります。

国内サービス源泉所得税PPH23

国内サービス業の場合、2%のPPH23がかかるが、弊社のようなサービス業の場合、客側による源泉税なのでこちらで納税することはありません。

自由貿易協定が活用されることで通関業務が円滑に進む

輸出入に関わる仕事をしていれば、いかに関税を押さえて税関(Bea Cukai)を通すかは商品の原価に直結する重要な問題です。

インドネシアの輸入関税は4種類に分かれており、最必需品:0~10% 、必需品:10~40%、一般品:50~70%、ぜいたく品:最高:200%で、多くは5%~20%の範囲に入りますが、原産地証明(Form-AまたはCertificate Of Origin)や運送証明書に不備があると寄航先で加工されていると疑われ港に止められることもあります。

身近なところでは日本からインドネシアに送った衣類や本などの所有物に法外に高い評価額を設定された上で20%の関税を請求されたり、逆に日本からの持ち込み限度額を超えた焼酎パックをポーターに持たせてうまく通関をすり抜けたりと、関税をたくさんかけたい通関と安く持ち込みたい外国人の攻防は今も昔も変わりません。

関税は主に国内産業の保護という目的がありますが、近年の自由貿易協定の流れの中で、地域内関税は縮小・撤廃の方向で進んでいますので、将来的には焼酎の日本とインドネシアの価格差は輸送コスト程度に縮まるものと考えられます。

日本とインドネシアの二国間関係で言えば、現在のところ日本の貿易赤字という良好な関係にありますが、今後は自由貿易協定・経済連携協定(FTA/EPA)、さらには広域FTA(東アジア地域包括的経済連携)RCEPの枠組の中で、関税の撤廃の流れが進んでいくものと思われます。





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