インドネシアのビジネス

インドネシアのクラウド型業務自動化プラットフォーム市場【フロントオフィス業務のGotoとバックオフィス業務のMekari】

2021/08/01


インドネシアのSaaS業界はフロントオフィス業務を中心としてGotoグループが市場を拡大していますが、今後バックオフィス業務プラットフォームとの統合がある場合、クラウド会計jurnalを擁するMekariグループが有力な候補と言えます。

Gojekに買収されたクラウドPOSシステムプラットフォームMoka

2020年4月にインドネシア最大の配車・決済サービスのGojekが、中小店舗向けのPOS(Point Of Sales)プラットフォームMokaを買収し、レストラン・カフェなど飲食業の販売・支払いというフロント業務自動化サービスに進出しました。

POSは商品の販売・支払いが行われるその場で、商品に関する情報を単品単位で収集・記録し、商品売り上げ情報を把握し、それに基づいて売り上げや在庫をリアルタイムで管理するシステムで、身近な例ではコンビニのPOSレジが挙げられます。

Mokaの管理画面からGostoreの設定ページへリンクしている。

そしてMokaの管理画面からGostoreというツールを使いmygostore.comのサブドメインとしてスマホ用オンラインショップが簡単に作成でき、そこからMokaの在庫管理と売上管理が利用できるだけでなく、FacebookやInstagramからショップへ誘導しやすい仕組みが構築できます。

去年、情報通信省(Kemkominfo=Kementerian Komunikasi dan Informatika Republik Indonesia)がGojekと協力して零細事業主の商材をオンライン上に載せることでEC市場を拡大するという話があったものの、6,400万件とも言われる零細事業主すべてをオンラインマーケットプレイス上に載せるわけにもいかず、現実的かつ具体的なスキームが不明でしたが、その答えがもしかするとGostoreなのかもしれません。

GojekはGostoreというサブドメイン区切りのWEBショップ自動生成ツールを提供し、事業主が店頭にある商品をアップし、SNS上での販促は事業主自身の努力に依存するという話であれば筋が通ります。

オンラインでの観葉植物販売ビジネスの可能性【インドネシア人の生活の都市型化に伴い潜在的需要は高い】

コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたインドネシア人の間で観葉植物栽培がブームになっています。インドネシア政府は地方のインフラ整備と情報リテラシー教育による潜在的EC登録事業者の掘り起こしを行っており、地方の栽培業者がECを利用した販路拡大を行っています。

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2021年5月にGojekは最大のオンラインマーケットプレースTokopediaと事業統合してGotoグループが誕生しとたことで、インドネシアのEC市場はGotoの一人勝ち状態と言っても過言ではないと思いますが、インドネシアの生活習慣に密着したサービス開発力とシステム開発力だけでなく、市場拡大のための営業力の強さが彼らの凄さです。

去年Gojekに買収されたクラウドPOSスタートアップMOKAのお試しアカウントを作ったら電話の営業圧力が凄かった。「デモやるけどいつ時間ある?」「今は結構です」の押し問答を5回繰り返し、最後は「あなたの友達でお店やっている人紹介してくれる?」と保険営業みたいだった。

バックオフィス業務のプラットフォームを展開するMekariグループ

Add-Onから外部アプリへのリンクが簡単に追加できる。

会計(Jurnal)、人事給与計算(Talenta)、税務(KlikJajak)など、中小企業のバックオフィス業務用クラウドソリューションの事業展開していた企業同士が吸収合併を繰り返してMekariグループとなり、現在のUI/UXとしては、ベースとなるプラットフォームjurnalからAdd-Onという形で各種機能を追加して連携させます。

現在のjurnalは会計のみならず、販購買管理機能と在庫管理機能と統合されていますので、既にERPプラットフォームと言えますが、上述のPOSシステムMokaとも簡単にAdd-Onという形で接続できます。

クラウド会計スタートアップNo1のjurnalからPOSレジアプリNo1のMOKAに簡単に接続できたので、スマホからの仕入と売上の登録がjurnalに自動仕訳される。ちなみにjurnalの親会社mekariにはマネーフォワードが28%出資しておりジャパンマネーが意外に存在感ある。

勘定科目ごとに銀行口座へと紐付けできる。

インドネシアの中小企業向け会計プラットフォームと言えばAccurateやZahirという老舗ローカルシステムが大きなシェアを占めていましたが、後発のjurnalが一気にシェアを広げるきっかけとなったニュースが、銀行口座との自動連係機能だったように記憶しています。

Cash Link機能を使うことで、PaypalやWiseで引き出し先の銀行口座へのリンクを作るのと同じ感覚で、現預金勘定(Cash Bank)ごとに、簡単に銀行口座にリンクできそうです(14日間お試しライセンスなので実際にリンクまでは試していない)。

銀行口座の動きがjurnal上に自動仕訳され、会計上の現預金の動きと口座の動きを照合する作業がなくなるということは、理論的には期中の会計業務がなくなり、ヒューマンエラーも排除されることで、期末の決算整理もほぼ自動化され、スタッフレベルの会計担当者が不要になります。

2021年8月現在、インドネシアのSaaS業界はGotoグループを中心とした再編成の波が続いており、B2C、D2Cと中心としたGotoグループが本格的にB2Bへ進出する場合には、これまでの東南アジア最大のデカコーン企業体にまで成長した経緯からしても、Mekariは有力なM&A先となるはずです。

GostoreはGojekが買収済のPOSアプリMokaと連動。販売(トコペ,Gostore)、決済(Gopay)、物流(Gosend)とフロント業務はGoto寡占、一方でバックオフィス業務はmekariの会計(jurnal)、税務(KlikPajak)、人事給与(Talenta)。もしGotoがmekariを買収したら業務フロー全体がGotoグループで完結することになる。

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