生産管理システム

システムと組織図の中の倉庫と部門 【生産管理と原価管理から見た場合には材料倉庫と製造工程が生産場所で製品倉庫が販売場所】

2016/06/07

システムと組織図の中の倉庫と部門

生産管理をシステムの機能面から見た場合、「購買管理+製造管理+販売管理」という主要機能に分解されますが、在庫移動が発生する場所という観点から見た場合、その場所で保管されるモノが生産に関わるか販売に関わるかによって「生産管理(購買と製造)+販売管理」と分類できます。

インドネシアの生産管理システムまとめ
インドネシアの生産管理システムまとめ

生産管理業務は工場ごとに異なり、システムの開発導入も一品一様にならざるを得ず、ITサービス会社としては工数が嵩むと士気が下がりがちです。結局のところシステム導入の成否は、顧客の利益を優先しシステム導入効果を感じて欲しいという熱意であり、ある意味精神論に帰結します。

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生産管理と販売管理という切り方

生産管理の受払実績によって、製品が当月何個いくらの費用をかけて出来上がったかという製造原価を算出でき、販売管理の受払実績によって、月初製品在庫と当月製品出来高の中から、実際に売れて出荷した分の費用である売上原価が算出できます。

  • 製品総平均単価=(月初製品在庫+当月製品製造原価)/(月初製品数量+当月製造数量)
  • 売上原価=製品総平均単価x出荷数量

売上原価を算出するために販売管理の出荷実績が必要であり、売上総利益を計算するためには販売管理の売上実績が必要になります。

  • 売上-売上原価=売上総利益

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在庫管理と原価管理という2つの視点

在庫と原価という2つの側面から見た場合には、工場は大きく3つの場所に大別され、それらの場所(倉庫)を管轄する部門は一般的には異なります。

  1. 材料倉庫(RM warehouse):購買部門が入荷実績を管理
  2. 製造工程(Plant):製造部門が投入実績と製造実績を管理
  3. 製品倉庫(Finished good warehouse):物流部門(営業部門)が出荷実績を管理

つまり製造原価を算出するためには、購買部門と製造部門が持っている以下の情報が必要になります。

  1. 材料倉庫の月初在庫
  2. 材料倉庫の入荷実績
  3. 製造工程の月初在庫
  4. 製造工程の投入実績
  5. 製造工程の製造実績

また売上原価を計算するためには、物流部門(営業部門)が持っている以下の情報が必要になります。

  1. 製品倉庫の月初在庫
  2. 製品倉庫の入庫実績
  3. 製品倉庫の出荷実績

そして製造原価も売上原価も両方とも計算するためには、購買部門と製造部門と物流部門(営業部門)が持つすべての情報が必要になります。

すべての受払データと在庫データは部門情報を保持している

業務システムのすべての受払データは発生部門を保持しており、受払の結果として倉庫に入る在庫データも、場所としての倉庫を管理する部門情報を保持しています。

物理的な組織内では、各部門が持っているExcel形式のデータをメールで送ってもらい取りまとめてからマージすることになりますが、その際には各部門のデータの対象期間やフォーマットが統一されている必要があります。

同じように生産管理システム上で管理される実績データも部門によってまとめられていますので、マージして売上総利益を計算するためには別々の部門コードを共通の部門コードに変換する必要があります。

生産管理システムの受払いに関わる部門(購買・製造・販売)は、在庫が置かれる場所を管理する組織図上の主体にあたりますが、会計システムや原価管理システムでは目的に応じてラインや製品グループなどが集計単位となります。

システム上では帳票の切り口や権限切り分けを目的として実在しない統括部門を設定したり、特定の部門に負担させることができない費用を計上するための架空の共通部門を設定することになります。

在庫移動の指図と実績

インドネシアの工場の材料倉庫を見ると、積み上げられた材料が品目別に区分されて、入出庫の履歴を手書きしたストックカードがバインダーに閉じられて掛けてありますが、この手書きの履歴は実際に材料を払い出す、もしくは受け入れるそのタイミングで記入されます。

つまりこのストックカードは実績に基づく品目別の受払い履歴なんですが、実際には倉庫部門担当者が材料に手をかけて動かす前に、製造部門担当者から「払い出してよ」という依頼がきているはずであり、製造部門担当者が材料払出を依頼したのは生産管理部担当者から「製造してよ」という指図があったからです。

あたりまえですが工場の製造現場で生産を開始する際には材料倉庫で材料をピッキングして出庫して現場に移動する必要があり、これらの現場の物理的な動きは生産管理システム上で以下のように対応します。

  1. 生産開始⇒製造指図+出庫指図
  2. 材料倉庫で材料をピッキング⇒ピッキングリスト
  3. 出庫して現場に移動⇒出庫実績

払出入力の省略

人員に余裕があれば現場の動きをそっくりそのままシステムでトレースするようなシステム運用が可能でしょうが、インドネシアでもここ数年人件費が高騰し、いかに間接部門の人件費を下げるかが重要課題であり、余剰人員などないのが普通ですし、そもそもそこまで細かくシステムに入力しても、データが活用されなければ無意味です。

よって製造指図時に払出が発生する引当をやめて、製造実績入力時に出来高に見合う標準投入数量をBOMから計算して自動で引き落としたり(逆ばらし=Back flush)、材料倉庫を工程倉庫と定義して製造現場と連続性を持たせることで払出そのものを発生させないなど、システムの運用負荷を下げるようにします。

ただし標準数量はあくまで理論値にすぎず、在庫の正確性を維持しようとするならば、定期的に実在庫との差異を在庫調整する必要があります。

指図を発行して実績を入れる意味

「指図を発行して実績を入れる」という行為の目的は、何らかの理由で指図情報入力と実績情報入力の管理(担当者とかタイミングとか)を分けたいということであり、そこまでして管理する必要がありそうな在庫移動は以下の4つくらいではないでしょうか?

  1. 製造指図で引当てられた材料を、材料倉庫から製造現場への払出⇒払出出庫指図
  2. 外注先へのPOに基づき引当てられた材料・仕掛品を、倉庫から外注先へ払出⇒外注先出庫指図
  3. 倉庫間での在庫移動⇒移送指図
  4. 廃棄⇒廃棄指図

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