新型コロナウィルス感染拡大を受けて一時帰国した外国人がインドネシア国外滞在中に一時滞在許可(ITAS/KITAS)の有効期限が切れた場合の救済措置として、再入国が許可されることを発表していましたが、ビザ更新業務は人数制限付きで再開したため、救済措置が終了されました。 日本人のインドネシアについてのイメージはバラエティ番組で活躍するデヴィ・スカルノ元大統領夫人の知名度に依存する程度のものから、東南アジア最大の人口を抱える潜在的経済発展が見込める国という認識に変遷しています。 続きを見る
インドネシアの政治・経済・社会
日本への一時帰国中にビザの有効期限が切れた場合の救済措置の終了
4月6日にインドネシア法務人権省入国管理総局(Direktorat Jenderal ImigrasiKementerian Hukum dan HAM RI)は、インドネシア国内での新型コロナウィルス感染拡大を受けて一時帰国した外国人が、インドネシア国外滞在中に一時滞在許可(ITAS/KITAS)/定住許可(ITAP/KITAP)の有効期限が切れた場合の救済措置として、有効期限が切れていてもインドネシア再入国が許可されることを発表していました。
この救済措置を利用して、日本で有効期限が切れた後にインドネシアに入国し、インドネシア国内の入国管理局のビザ業務再開を待っていた日本人駐在員も少なくないと思いますが、先日7月13日より既にビザ更新業務は人数制限付きで再開されているようです。
ビザ更新業務再開に伴って救済措置が終了の見込みとなり、同日13日から60日以内であればITAS/ITAPの有効期限が切れていてもインドネシアに再入国し、国内で延長手続きをすることができますが、60日以内に再入国しなかった場合は新規にビザを取得し直す必要があるということで、SNS上では「新型コロナウィルスの感染拡大が続くなかインドネシアに強制的に戻すとは何事か」「入国管理局のビザ更新業務はちゃんと機能しているのか」などという不満・不安の声が見られます。
企業としては駐在員の渡航基準を緩めてでもインドネシアに戻す動きが出てくると考えられます。
新型コロナウィルス感染に関する用語と分類の再定義
インドネシアの新型コロナウィルス新規感染者数は毎日1000人を超えるペースですが、これまでの蓄積された医療現場での経験上、OTG(無症状者)・ODP(観察対象者)・PDP(監視対象患者)という呼称と分類が現状にそぐわなくなったので、昨日7月14日の保険大臣決定にて呼称と分類基準を変更したということかと思います。
1. Kasus suspek←PDP(監視対象患者)
2. Kasus probable
3. Kasus konfirmasi←OTG(無症状感染者)
4. Kontak erat←ODP(観察対象者)
5. Pelaku perjalanan
6. Discarded
7. Selesai isolasi
8. Kematian
nasional.kompas.com/read/2020/07/1…
これまでは以下のように区分されていました。
【4月9日に公表された保険大臣決定HK.01.07/Menkes/247/2020】
- 無症状者OTG(Orang Tanpa Gejala)
- 無症候性であるがCOVID-19の確認症例者と密接に接触している人
- 観察対象者ODP(Orang Dalam Pemantauan)
- 発熱(> =摂氏38度)または風邪/病気/喉/咳の症状がある。
- 海外渡航の履歴がある、または地域の感染を報告する国/地域に住んでいる、またはCOVID-19確認症例者との接触歴がある
- 監視対象患者PDP(Pasien Dalam Pengawasan)
- 発熱(> =摂氏38度)咳/息切れ/喉の痛み/鼻水/軽度から重度の肺炎を伴う。
- 地域での感染が報告されている国または地域での旅行または生活の履歴があるか、COVID-19確認症例者との接触歴がある。
- 病院で治療が必要な重症急性/急性呼吸器感染症(ISPA)の患者
そして昨日の保険大臣決定での再編成では、人(Orang)や患者(Pasien)という人間ではなく、ケース(Kasus)で区分けされていますが、病状や行動を元に区分けを細分化するにあたって、人間の呼称で分けるには限界があり、ケースのほうがより詳細に正確に定義できるからだと思います。
【7月14日の保険大臣決定HK.01.07/Menkes/413/2020】
- 疑わしいケース(Kasus Suspek)←これまでのPDP(監視対象患者)が該当。
- 急性呼吸器感染症(ARI)を患っている人と、症状が発症する前の過去14日間に、感染が報告されている国またはインドネシア国内地域で、旅行または生活をしたことがある人。
- 急性呼吸器感染症(ARI)の症状または兆候の1つを持ち、症状の発症前の過去14日間に「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」との接触歴がある人。
- 病院での治療が必要で、説得力のある臨床所見に基づく他の原因がない重度の急性呼吸器感染症(ARI)/肺炎の患者。
- 可能性のあるケース(Kasus Probable)
「疑わしいケース(Kasus Suspek)」で重度の急性呼吸器感染症(ARI)/死亡があり、Covid-19の説得力のある臨床所見があり、リアルタイムPCR検査結果がない場合。 - 確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi) ←これまでのOTG(無症状者)が該当。
リアルタイムPCR検査でCovid-19ウイルスが陽性であった人です。 確認ケースは2つに分かれます。- 症状を伴う症例
- 無症候性の確認症例
- 濃厚接触(Kontak Erat)←これまでのODP(観察対象者)が該当。
「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」と接触の履歴がある人です。問題の接触履歴には次のものが含まれます。- 「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」と半径1メートル以内、または15分以上対面または密着。
- 「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」と直接的な身体接触(握手、手を握るなど)。
- 「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」と標準化された防御器具APD(Alat Pelindung Diri )を使用せずに看病する人。
- 接触を示すその他の状況は、地域の疫学調査チームが決定した地域のリスク評価に基づいています。
- 海外または国内の移動者(Pelaku Perjalanan)
過去14日間に国内(国内)または海外から移動してきた人です。 - 破棄(Discarded)
- 「疑わしいケース(Kasus Suspek)」で、リアルタイムPCR検査で24時間を超える間隔で2日間連続で2回陰性が出た人。
- 「濃厚接触(Kontak Erat)」で14日間の検疫期間を完了した人。
- 隔離完了(Selesai Isolasi)
隔離終了後、以下のケースに該当する人。- 無症状の「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」で、リアルタイムPCRの追跡調査を受けなかった場合で、診断の確認後10日間の独立した隔離を行った場合。
- 症状のある「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」で、発症日から10日間のリアルタイムPCRの追跡調査を受けなかった場合で、さらに少なくとも3日後に発熱や呼吸器疾患の症状が見られなくなった場合。
- 症状のある「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」で、リアルタイムPCRの経過観察の結果が1回陰性であり、さらに少なくとも3日後に発熱や呼吸器疾患の症状が見られなくなった場合。
- 死亡(Kematian)
「可能性のあるケース(Kasus Probable)」または「確認が必要なケース(Kasus Konfirmasi)」で、死亡原因がCovid-19である場合。