生産管理システム

かんばん方式では生産計画が必要ないと言われる理由【トヨタ組立工場側での平準化された投入計画に基づく】

2020/06/19

インドネシアの新車と中古車市場のコロナ禍による影響

必要な品目を前工程から引き取り足りない分だけ生産するように現場で自律的に動くプル型のかんばん方式は、プッシュ型で作成されるMRPによる生産計画と相対するものと言われますが、トヨタの最終組み立て生産ラインでは日時単位のスケジュールが計算されています。

インドネシアの生産管理システムまとめ
インドネシアの生産管理システムまとめ

生産管理業務は工場ごとに異なり、システムの開発導入も一品一様にならざるを得ず、ITサービス会社としては工数が嵩むと士気が下がりがちです。結局のところシステム導入の成否は、顧客の利益を優先しシステム導入効果を感じて欲しいという熱意であり、ある意味精神論に帰結します。

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2通りのかんばん方式

引取かんばんと仕掛かんばんを分ける場合

引取かんばんは移動指示、仕掛かんばんは生産指示というようにかんばん自体を明確に分けます。

客先からメールで出荷指示の意味合いで送られてくるe-かんばんを、出荷エリアのBOXに挿してある引取かんばんと差し替えて、BOXと一緒に客先に出荷し(この場合1BOX)、出荷伝票とe-かんばんで現品チェックされます。差し替えられた引取かんばんはかんばんポストに滞留します。

出荷エリアのかんばんポストに残された引取かんばんは、所定の枚数溜まると(この場合2枚)組立品置き場に戻されてBOXに挿してある仕掛かんばんと差し替えられ、仕掛かんばんはかんばんポストに戻され、2BOXを出荷エリアに引き取ります。

組立品エリアのかんばんポストに残された仕掛かんばんは、所定の枚数溜まると(この場合4枚)組立エリアに戻されて組立作業を開始します。

前工程の成形工程のようにタクトタイムが短く、まとめて連続生産される工程では信号かんばんを使って、MIN在庫を切ったタイミングで成形作業が開始されます

引取かんばんと仕掛かんばんをまとめて工程内かんばんとする場合

引取かんばんも仕掛かんばんも同じ工程内で回る工程内かんばんとして扱います。

基本的な流れは同じですが、出荷エリアに残された工程内かんばんは、かんばんポストで所定の枚数溜まると(この場合2枚)組立品置き場のかんばんポストに戻され、2BOXを出荷エリアに引き取ります。

組立品エリアのかんばんポストに残された工程内かんばんは、所定の枚数溜まると(この場合4枚)組立エリアに戻されて組立作業を開始します。

かんばん枚数とは(引取かんばん+仕掛かんばん)の合計枚数、または工程内かんばんの枚数ということになり、以下のように計算されます。

  • 日当たり必要BOX数 x(かんばんL/T+加工L/T+安全在庫)=1 x(2 + 4 + 0)= 6枚

トヨタ側では平準化したラインへの投入計画が必要

必要な品目を前工程から必要な数量だけ引き取り、足りなくなった分だけ生産するように現場で自律的に動く「プル型」のかんばん方式は、管理組織側から「プッシュ型」で作成されるMRPによる生産計画と相対するものと言われますが、系列の頂点にあるトヨタの最終組み立て工場の製造ラインでは、「何をどの順序で流すか」という日時単位のスケジューリングが綿密に計算されています。

このトヨタ組立工場の投入順序スケジュールを成立させるために、毎日5回も6回も分納するためのe-かんばん(引取かんばん)という出荷指示が来るわけですが、理論的には下請け工場側で生産計画を作成する必要はないとはいえ、必要なものを必要なだけ必要なタイミングで提供することを要求されるからには、毎日の指示では同じ品種が同じくらいの数量でになるよう平準化されていないと、人員の手配やラインの組み換えなどの生産準備が追い付きません。

どの工程においても、常に必要な時に必要なものを必要なだけ造れる体制を要求されるかんばん方式では、生産量のバラツキと品物の種類のバラツキをなくす必要があり、今日100個、明日1個という感じの生産では生産体制をキープするのに無駄が多くてコスト高になってしまうので、トヨタ組立工場側では仮に同一車種の注文が多数あったとしても、自社ラインと下請け工場側の生産能力を超えないように混流ラインにわざわざ車種をばらして投入するスケジュールを立てます。

つまり下請け工場側が生産計画を作る必要がないのは、トヨタ組立工場側にて平準化のための綿密な生産計画を作成しているからと言えます。

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