在庫管理システム導入の目的 【現状在庫一覧、入出庫履歴管理、入出庫処理という3つの基本機能】

在庫管理の位置づけ

事業を行う上で在庫管理が重要であることはいまさら強調するまでもないが、その在庫管理業務の効率化や在庫データの有効活用のために在庫管理システムが導入される。

その上でこれから在庫になろうとしている商品や材料の入荷業務、日々の生産ラインでの製造実績収集、そして顧客への出荷業務までをシステム化することにより在庫管理システムを中心とした統合業務システム(ERP)が形成される。この際データ入力の簡素化のために利用されるのがバーコードリーダやハンディターミナル、POP端末、iPad等のIT機器である。

在庫管理は業務フローの中核にあたり、販売・購買・生産のすべての業務と密接に繋がっているため、システム化がうまく行なわれれば、社内業務データの正確性と業務効率の向上に大きく貢献する。

在庫管理システムの主要機能と原価管理との関係

業務フローには数量と金額の2つの流れがあるが、数量の流れを管理するのが在庫管理システムである。具体的には①現状在庫一覧②受払履歴管理(ストックカード)③受払実績入力の3つが主要機能になる。

数量の管理といっても販売業の場合、購入品の入出庫管理と原価(単価)の管理がセットで要求されることもあり、通常は移動平均法でリアルタイムに原価をアップデート管理するのか、ロット管理を行い先入先出法(最初に入庫したロットから自動引き落とし出庫)で原価を管理するのかのどちらかである。

ただ在庫管理に原価管理の話が関係する場合、購入品の原価は購入価格だけでなく、送料や通関費用などの付随費用(仕入諸係)をどう考慮するかが問題となる。金額が小さければ販管費扱いされることもあるが、輸入品等では付随費用の占める比率が高くなり、これをシステム上在庫管理対象になるときにどう品目配賦するかという難しい問題に直面する。

また製造業の場合は、購入品である材料の原価は同じように管理できるとはいえ、製造工程に投入された仕掛品や製品の原価管理は簡単にはいかない。材料原価は移動平均でリアルタイムに計算できたとしても、加工費(労務費や経費)が確定するのは月末なので、月中にこれらをリアルタイムに原価に反映させるためには標準加工費を使わざるを得ない。そして月末の実際加工費との差異を売上原価と月末在庫に対して割振るという処理が発生する。原価の話はどうしても長くなるのでまた次の機会に譲ることとする。

製造業の在庫管理システム

販売業では商品を仕入れてマージンを乗せて販売するが、製造業では材料を仕入れて製造工程に投入し仕掛品を経て製品となる。材料・仕掛品・製品という3つの品目種別の受払いが在庫管理システムの実績入力機能から行なわれる場合、入庫(投入実績)も出庫(生産実績)もマニュアル入力なのか、生産実績が上がれば自動的に投入実績が上がるのか、そのためには部品構成表(Bill Of Material通称BOM)が必要になったり、そのBOMもどのレベルまで設定するか、などなど製造業の在庫管理システム導入には事前の要件定義が十分なされる必要がある。

製造業で在庫管理システムをはじめて導入する場合は、受払実績入力は材料と製品のみとし、仕掛品は月末の棚卸数量からシステムに反映させ、段階的に工程の仕掛品在庫の管理に展開していくほうが現場の負担は少ないだろう。

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