IoT化により業務の本質を理解するために時間を費やす必要はなくなるのか?【3次元での実績が2次元のシステム上に自動転記される時代】


現場の勘は落ちるのは早い

昨日、いつも僕が仕事で使わせてもらっている参考書「インドネシア会社経営 コンサルタントの現場と実践」の著者である、インドネシアの会計コンサルの方のお話を伺う機会があったのですが、あらためて思ったのは、自分はインドネシアで管理者側の立場で仕事をしていても、やはり現場作業から付かず離れずで、業務の本質の理解を体でキープしておかないとヤバイなあ、ということ。

「言葉が軽い」という言葉がありますが、これは経験の裏付けのない二次情報を脚色してしゃべっていたり、偉い人がこう話していたから間違いないと前提で話をしていたりするわけで、言葉に重みをもたせようとするならば、現場での体感による裏づけが必要です。これは間違いない。

インドネシアで日本人が仕事をする場合は、インドネシア人は現場作業のスペシャリストとして育成する一方で、日本人は管理能力以外に、現場経験に基づく裏づけが必要といういことであり、これがインドネシアで日本人が仕事をする付加価値になります。

ただ残念なことに現場経験による勘って、現場から離れると落ちるのはあっという間なんですよね・・・。だから現場復帰に一定期間のリハビリが必要なわけです。

僕も半分管理者、半分現場作業者の立場で仕事をしていますが、当然ながら100%現場作業者であるインドネシア人に技術面では遅れをとります。

ただそれを言い訳にせずに、いざというときに伝家の宝刀を抜けるように刀が錆びないようにメンテしておく必要がある、よく考えてみるとこのブログはじめた最初の目的はこれだったような気がします。

IoT化により業務を理解しなくても業務は回るのか?

システム会計が主流になっても、会計の基本はやはり中小企業でやる仕訳帳と総勘定元帳の動きであり、期中の取引を一個ずつ仕訳して、棚卸しを行なって売上原価を確定し、収益と費用を売上原価勘定(仕入勘定でもいいですが)に振替えて、損益計算書と貸借対照表を作成することです。

このベーシックな流れを理解していないと、例えばインドネシアでよく聞く問題、前月棚卸が過剰計上であったことにより(月初在庫+当月購入分ー月末過剰在庫=売上原価)が過少となり(売上ー売上原価=利益)が大幅黒字となり、今月になって正確な棚卸を行ったことで(月初過剰在庫+当月購入分ー月末在庫=売上原価)が過大となり大幅赤字になって社長が驚く、といった問題の解析が出来ないかもしれません。

その一方で、業務はシステム化され、今後人間がやる必要がない作業は完全自動化されるのは間違いでしょう。

10年ほど前まで言われていたASP(Application Service Provider)やSaaS(Software as a service)が、クラウドとして現在主流になりつつあるのと同じように、10年くらい前に言われていたユビキタスがIoT(Internet Of Things)として今後世の中の主流になっていくのかもしれません。

IoTはモノとインターネットの接続ですが、これは現実世界での人間の経済活動と、情報システムの接続であり、3次元社会と2次元社会の接続とも言えます。

国際会計基準(IFRS)の流れが進み、全世界で時価評価会計で統一されれば、会計業務はこれ以上発展の余地がない完全に枯れた業務になり、IoT化が進むことにより現実の3次元の世界が、帳簿という2次元の世界への転記が完全自動化すると思います。

このようにIoT化により会計業務が完全自動化され、会計業務の理解のために時間と労力を費やす必要はなくなったとき、次に人間が時間と労力を費やすのは何なのか?

その時代まで生きていられるかどうかは判りませんが、こういう未来のことを思い巡らせると何かワクワクする一方で、こういう時代になって生き残れるために今やるべきことは何なのか、という危機感も感じます。