インドネシア語

英語に比べてインドネシア語が楽な理由 【時と条件を表す副詞節内のルールと冠詞が英語を難しくしている元凶】

2017/08/25

発音の面での英語の難しさは単語が繋がって表記とは異なる読み方になることですが、文法的な難しさは時と条件を表す副詞節内のルールであったり、冠詞付いて数多くの決まり文句が出来上がっている点ではないかと考えます。

インドネシア語まとめ
インドネシア語

インドネシア語は英語のように単語が繋がることで表記と発音が異なる難しさがなく、書いてあるとおりにローマ字読みすれば一定レベルまでは理解し合えるという点で、他民族他宗教国家を一つにまとめるための公用語にインドネシアを選定したことは先人の英断だったと思います。

続きを見る

「言語学習は慣れが重要」と言われる理由

日常生活ではほぼ日本語とインドネシア語オンリーなので、たまに客先でやむをえず英語で説明しなければいけない状況に置かれるときに、だいたい言葉に詰まって意味不明な英語を喋ってしまう、インドネシア長期滞在者ならこんな悩みを抱えている人は少なくないと思います。

日本語も英語もインドネシア語も単語の組み合わせで文章が構成されますので、単語量が多いほど言語能力は高くなるのは異論ないはずです。

  • 単語量 ≒ 言語能力

ところが自分の場合、インドネシアに20年以上住んでいるにも関わらず、単語量はまだまだ英語のほうが多いです。

  • 日本語 >英語>インドネシア語

それにも関わらず言語能力は間違いなくインドネシア語のほうが高いと言えます。

  • 日本語>インドネシア語>英語

インドネシアに長く住んでいるとは言えども、中学生の頃から学校の授業で無理やり暗記させられてきた甲斐あって、単語の語彙数は英語のほうが多い、しかしインドネシア語のほうがスラッと言葉が出てくるし文章も書くことができる。

言語能力をSpeakingとWritingに分ける場合もありますが、単語のスペルを正確に暗記していなくとも、会話の流れや前後の文脈からだいたい通じますので、この場合単語を正確なスペルで書けるかどうかは無視するとして、単語量では「英語>インドネシア語」であるにもかかわらず、言語能力では「インドネシア語>英語」となってしまうのは何故でしょうか?

その一つの理由として考えられるのは、ある事柄を適切に表現するための単語を知らなくとも、他の言い回しでなんとか表現する能力が英語よりもインドネシア語のほうが高く、これは日常生活でインドネシア語に浸る時間が長いことで培われた「言い回し能力(言い換え能力)」のおかげだと思います。

「言語学習は慣れが重要」と言われるの所以の一つが、「慣れる=言い回し能力が高まる」からだと思います。

インドネシア語が「単語を並べるだけで意味が通じる」と言われる理由

自分はWhenとかIfとかで副詞節を作るのが非常に苦手なんですが、1番目の「副詞節内では未来形も現在形で表すルール」に至っては未だに納得できていませんw。

  1. 副詞節内では未来も現在形で表し、主節で未来形にする。
    After I go to bed, I will have a nice dream tonight.(寝た後、今夜はいい夢見るだろう。)
  2. 副詞節の主語が主節の主語と同じ場合、主語+be動詞は省略できる
    When I am considering about something, I often touch my nose without knowing.(何か熟考するとき、しばしば知らずに鼻を触っている。)
    When considering about something, I often touch my nose without knowing.
  3. 副詞節の主語と動詞は動名詞で置き換えられる。
    Before I go to bed, I stretch every day.(寝る前に毎日ストレッチしています。)
    Before going to bed, I stretch every day.
  4. 主節と主語が違っても慣用的に主語が省略できる。
    If it is possible I would like to cancel booking.(可能であれば予約をキャンセルしたい。)
    If possible I would like to cancel booking.

これらの時を表す副詞節を作るWhenとかAfterとかBeforeは接続詞であり、副詞節内の時制は条件付で時制が変化するため、英語は頭を使いながら書く話す言語だと勝手に思っています。

逆に言うと「時を表す副詞節内の時制は無視、主語も省略」してしまえば、インドネシア語を話すのと同じ感覚で文法的には怪しい英語を話せるわけです。

Sebelum tidur, saya lakukan stretch setiap hari.(寝る前に毎日ストレッチしています。)

そして日常会話の英語では、上記文法ルール意外にも平気で主語は省略されるため、自分みたいに文法ルールを意識しながら真面目に英語を話そうとする人間よりも、相手に意味が伝わることを意識しながら自由に英語を話そうとする人間のほうが上達は早いといわれる理由がこれです。

この言語的特徴に加えて、インドネシア語は単語の独立性が強く、順番を間違ったとしてもその場の状況から相手の意図を把握しやすいという特徴を持っているため、相手に察してもらうことに慣れているインドネシア人は、真面目に全部自分で説明しようとする日本人よりも肩の力を抜いて英語を話せるのではないかと推測します。

インドネシア語は時と条件を表す副詞節について、特に意識することもなく話すことができ、単語の独立性が強いことで順番を入れ替えても文脈から意味は汲んでもらえる、という点において「インドネシア語は単語を並べるだけで意味が通じる」と言われる大きな要因となっています。

決まり文句の種類を増やしルールを増やす元凶である冠詞

インドネシア語が英語よりも勉強しやすい理由は3つあると思う。
1.時制がないこと
2.単語を後ろに繋げていく関係詞のルールがゆるいこと
3.冠詞と定冠詞がないこと
英語の場合、時と条件を表す副詞節内での時制のルールとかいまだに理解出来てないし。

上述の副詞句と異なり、定冠詞(the)や不定冠詞(a/an)を使った前置詞句は「決まり文句」であり、定冠詞が入る前置詞句に不定冠詞を使ったら、英語の文法的に間違いになります。

英語の前置詞句を構成するのは前置詞・定冠詞・不定冠詞・名詞・接続詞・形容詞の6種類の単語(たぶん)ですが、インドネシア語には定冠詞(the)と不定冠詞(a/an)がないので、前置詞句を構成する単語の種類は4つに絞られることで、順列組み合わせから考えても3語以上から成る前置詞句のバリエーションが圧倒的に少なくなります。

そして何よりも定冠詞か不定冠詞のどちらを付けるのが正しいかで悩まなくて済むというのは非常に楽です。