インドネシアで就労ビザを取得するまでの流れ

2016/07/03

マーライオン

インドネシアの就労ビザ取得までの流れは、前職のビザを終了させるためのEPOの手続き後に、新しい会社で働くためのビザ発給依頼書(VTT)を入国管理局で発行してもらい、在外公館でC312ビザ取得し、再度入国後に国内の入国管理局にてITASを取得します。

インドネシアの入国ビザ

インドネシアのビザ取得と会社設立

イミグレーションや労働移住省の担当者は基本的に「法の遵守」に対する外国人との認識の齟齬を突いてきますので、多少面倒でもビザ取得手続きを一つずつ適切に処理し、滞在時の行動様式を常に見直すくらいのほうが安全です。

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インドネシアの就労ビザVITAS(Index C312)取得手続きの複雑さ

インドネシアで就労ビザの手続きを経験するたびに、毎回いろんな疑問が湧いてくるのですが、これらの疑問に明確に回答できるようになればビザ手続き代行ビジネスができるかもしれません。

  1. 就労ビザは海外インドネシア公館で取得する理由
  2. そのビザで1回のみしか入国できない理由(急な用事で出国したら無効になる)。
  3. インドネシア国内でしか複数回入国(出国)できるようにアップグレードできない理由。
  4. インドネシア国内で就労ビザをもって一時滞在許可書KITASを取得しないといけない理由。

Index C312は就労ビザであり、取得に必要な書類は労働移住省KEMNAKER(Kementerian Tenaga Kerja dan Transmigrasi)に申請します。

  1. 外国人雇用計画RPTK (Rencana Penggunaan Tenaga Kerja)を申請し承認をもらう。⇒オンラインで確認可能。
  2. 労働移住省からの推薦状Recommendation TA.01(IMTA12ヶ月を発行することに対する承認)を発行してもらう。⇒オンラインで確認可能。

一方KITASは一時滞在許可書(Kartu Ijin Tinggal Sementara)なので入国管理局(イミグレーション)に申請します。

外国人雇用許可書IMTAと外国人労働者雇用補償金DKPTKA

在外インドネシア公館が発行する就労ビザ取得の条件だった労働移住省からの推薦状Recommendation TA.01は、本来の意味は労働移住省から外国人雇用許可書IMTA(Ijin Mempekerjakan Tenaga Asing)を発行してもらうことですが、 IMTA発行の条件として外国人労働者雇用補償金DKPTKA(Dana Kompensasi Penggunaan Tenaga Kerja Asing)1200ドル/年をBank BNIの労働移住省の口座に送金する必要があります。

RPTKAとTA.01でIMTAを申請

実際にはDKPTKAの支払い履歴とIMTAリストの照合チェックが甘いせいか未払いも多く、表面上KITASとIMTAは取得済みだがDKPTKAの支払いと、このあと必要になる税務署に対する納税者番号NPWPの申請まで到達していない外国人も一定数いるようです。

毎年支払いの時期が来るたびに廃止されることを願って止まない技能開発基金(DPKK)1200ドルですが、今は外国人労働者利用補償金基金(DKPTKA)と名前が変わっていて、労働者の技術開発促進というより、外国人を雇うことに対する(現地雇用を奪うことへの)補償という名目に変わったのだろうか?

KITAS延長手続きが失敗しEPOで出国、翌日VOAで再入国

昔からインドネシアでのイミグレ(入国管理局)関連の手続きがスムーズにいかず、今年もレバラン休みに伴いイミグレオフィスが早々に休館するにあたってKITAS延長手続きが間に合わなくなり、やむを得ずEPO(Exit Permit Only)してシンガポールに出国しました。

EPOの手続きを行うとパスポートに「Return of Imigration document」と記載されたスタンプを押され、文字通りイミグレから発行してもらった一時滞在許可証(Kartu Ijin Tinggal Sementara)を返却したことの証明になり、今回の自分のスタンプの日付は6月20日ですから「within 7 days(7日以内)」である6月26日まで(withinはその日を含む)に国外に出国しなければなりません。

出国時の空港イミグレーションで今回は何故か

  • KITASを見せなさいYO

と言われましたが

  • EPOしたので返却しました。

と答えてOKでした。

シンガポールのチャンギ空港到着後、事前にホテルを予約していなかったためイミグレーションカードの滞在住所に「Orchard」とだけ書いて提出したところ、カウンタのおばちゃんに

  • Orchardは広いでしょ、ホテル名がないとダメ

と却下されてしまい、慌てて空港内のスタバに戻ってスマホからAgodaでOrchardの格安ホテルを予約し入国できました。

シンガポールで一日ぶらぶらした翌朝にジャカルタ行きの便に乗り、今度は30日間有効のVOA(Visa On Arrival)ビザを49万ルピア(35ドル)で購入し、インドネシアに再入国したのですが、予想どおり

  • 帰りのeチケットを見せなさいYO

と指摘され、この場で罰金払うか空港内のエアアジアオフィスでシンガポール行きの最安チケット買うかどっちかしかないなあと覚悟したところ、運良くイミグレ担当者が女性だったからか、まだラマダン期間中だったからか判りませんが

  • 次回はちゃんと帰りのチケットを準備しなさいYO

と無表情でポンっとスタンプを押してくれました。

観光客が帰りのチケットの提示を求められることはないと思いますが、過去にパスポートにEPOのスタンプがある場合には、ただの観光客でないと疑われますので、かと言ってどうしようもないので、運を天に任せてとりあえずはチケットはないけれど「Sightseeing」とか「Meeting」と訴えるしかないでしょう。

VOAとビジネスビザが認める「ミーティング」とは?

インドネシア滞在時のビザのステータスは以下のように分かれます。

  1. ビザなし(30日間滞在、延長NG)
    観光
  2. VOA(30日間滞在、1回限り30日間延長OK)
    観光と展示会などでのミーティング。
  3. B211ソシアルブダヤ(最長60日間滞在、延長NG)
    ウブドゥで絵の勉強するような人が取るビザで、会社のスポンサーは必要なく、インドネシア人(うちの嫁さん)の身元保証人のレターでOKだが、何回もこれで入国すると別室で「仕事しているだろう」と尋問される。
  4. ビジネスビザ
    • B211シングル(最長60日間連続滞在OK、1回出国したら無効になる)
    • B212マルチプル(最長60日間連続滞在OK、1年間有効で何度でも出国OK)
      客先でのノートとペンを使ったビジネスミーティングで、PCを開くと作業とみなされる恐れあり。
  5. C312就労ビザ(6ヶ月または1年、延長可能)
    作業、指導

このVOAビザでも一応はミーティングができることになっていますが、展示会やホテル会議室でのビジネス色の薄いミーティングくらいまでならセーフというようなものであり、実際にそんな目的でインドネシアに来る人は少なく、一般的には客先を訪問するビジネスミーティングであることはイミグレ担当者も分かっているはずですから、本来ならシングルビジネスビザまたはマルチビジネスビザを取得するほうが安全かもしれません。

シングルまたはマルチのビジネスビザはVKU (Visa Kunjungan Usaha)と呼ばれ、VOAのようにインドネシアの空港到着時に取れるものではなく、インドネシアの会社からのスポンサーレターとビザ発給依頼のTelex(VTT)をもってインドネシア国外の大使館(日本やシンガポール)に申請しなければならないものですが、このビザを持ってしても出来ることは客先のオフィスの会議室でノートとペンを使ったミーティングくらいで、建前上PC開いたらアウト、現場に入ったらアウトで、工場のような「作業」や「指導」に直結する場所でのミーティングになると、KITASがないとイミグレ担当者は認めてくれない危険性大です。

ビジネスビザも帰りのチケットを持っていることが必須なので、パスポートにEPOの形跡のある人はチケットの提示を求められ、持っていなければ待ってましたとばかりに言い放たれます。

  • お前は仕事をしているはずだ、罰金払うかチケット買うか決めろ。

要は仕事(作業や指導)をする人は在外インドネシア大使館で発行されたC312就労ビザを元に、インドネシア国内のイミグレで発行されたKITASが必須です。

VOAの延長

KITAS取得に必要なVTTの発給が間に合わず、結局インドネシア国内でVOAの延長手続きが必要になりました。

インドネシアへの入国はビザ免除⇒VOA⇒シングルビザB211⇒マルチビジネスビザB212⇒就労ビザC312の順に戦力アップしていきますが、中でも30日間滞在可能で、公的な場所(定義はあいまい)でのビジネスミーティングが許可されるVOAを、更に30日間延長するには以下の書類が必要です。

  1. パスポート
  2. 帰りのチケット
  3. VOAシール(スタンプ)
  4. 所在地証明書(domisili)
  5. スポンサーレター

スポンサーレターは、スポンサーである嫁さんがVOAでインドネシアに滞在する外国人である僕の身元を保証します、という申請書をビザ代行手続きエージェントに委任する形になりますので、下のような3枚綴りのフォームになります。

スポンサーレター

  1. Permohonan Perpanjangan Visa Kunjungan (On Arrival):カバーレター
  2. SURAT PERNYATAAN JAMINAN:保証人である嫁さんが僕に対して責任をもつのでVOAを延長してくださいという内容)
  3. SURAT KUASA:嫁さんからエージェントへの委任状(自分にイミグレに出向く場合は必要なし)

IMTA申請からKITAS取得手続きまで

そしてようやく先月末の新規の就労ビザ(C312)取得のためシンガポールに1泊2日してきました。

毎回入国時にイミグレでもめるのですが、今回は旧KITASのEPO(Exit Permit Only)のタイミングに合わせてC312ビザ(VITAS)発給許可証であるTelexを取得できたし、新会社の労働許可書であるIMTAのコピーも持ってきたので、入国時にドヤ顔で「働きます」と言えます。

インドネシア

インドネシア国内でのパスポート更新【入国管理局への届け出が必要】

就労可能なビザC312ビザのみ(6ヶ月と12ヶ月の2種類)で、入国時はSingle Entryなので期間内の出入国するにはMERP (Multiple Exit/Re-entry Permit)を別途取得する必要があります。

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ただ前回は入国時に自分の会社名を言えないという痛恨のミスを犯してしまい、いろいろ突っ込まれましたのでそこだけは要注意。

最終ゴールはKITASの取得なんですが、今回の手続きの流れがインドネシアで就業する場合のド標準だと思いますので、今後の参考のために粛々とメモしておきます。

5月23日 IMTA取得手続き

インドネシアの会社で働くための就労許可であるIMTA(Izin Mempekerjakan Tenaga Kerja Asing)を取得するための必要書類です。

  1. Sponsor(会社からの推薦状)
  2. Surat Kuasa(エージェントへの委任状)
  3. CV(英文履歴書)
  4. Asuransi(保険)⇒三井住友海上の海外旅行者保険
  5. Surat keterangan domisili(所在地証明書)⇒アパートのマネージメントオフィスに依頼。
  6. Kontrak Kerja(会社との就労契約書)
  7. Refferensi Letter(申請書)

6月7日 IMTA申請同意書

労働局(Kementerian Ketenagakerjaan RI)からIMTAの申請受付同意書(Tanda Terima persetujuan IMTA 12 Bulan)取得後、正式IMTA発行のためにDPKK(Dana Pengembangan Keahilan Keterampilan)への1200ドル払い込みが必要になります。
IMTA申請同意書

6月15日 IMTA取得

これがあれば、C312ビザ取得のための発給申請書のTelexを打電してもらえます。
IMTA取得

6月23日 EPO手続き 7日以内に国外へ

現在保持しているKITASとIMTAを返却し、パスポートにEPO(Exit Permit Only)を押してもらったら、7日以内に国外に出国する必要があります。

  1. パスポート
  2. KITAS
  3. 旧IMTA

6月24日 Telex打電申請

EPO取得後に、C312ビザ(VITAS=VISA TINGGAL TERBATAS)発給許可のTelex(VTT)を申請者の指定した在外インドネシア公館に打電してもらいますが、Telexの中身には

  1. どこの在外インドネシア公館に対して(シンガポール)
  2. どんなビザの種類を(VITAS)

発給してください、という情報が記載されており、今回のエージェントの場合、通常なら5日かかるTelex打電手続きを、2日で完了させる特急コースで1.5jutaの費用がかかっています。

6月28日 Telexのコピー取得&出国

法務局出入国管理局(Kementerian Hukum dan HAM RI)からのTelexのコピー取得して、その日の夕方にシンガポールに出国しました。
Telexのコピー取得&出国

6月29日 シンガポールで手続き

朝8時にホテルで待ち合わせて、夕方4時にホテルにパスポートを持ってきてもらいました。

  1. パスポート
  2. 証明写真(背景赤)4cmx6cm
  3. 手続き代行費用280シンガポールドル

6月30日 KITAS期限切れ

この後シンガポールのインドネシア大使館発行のC312ビザ(VITAS=Visa Tinggal terbatas)を取得後インドネシアに再入国しますが、C312にはSINGLE ENTRYと記載されているとおり1回の入国しか認められていません。

よって7日以内にKITASとMERP(Multiple Exit and Re-Entry Permit)の申請をし、取得後にようやく国外に出国することができますが、その前に急な用事で出国せざるをえない状況になったらせっかく取得したC312が無効になります。

7月22日 KITASからITAS ONLINEによる電子化

インドネシア再入国時に自分が持っているのは、シンガポールのインドネシア大使館で発行してもらったC312ビザであり、インドネシア語ではVITAS=VISA TINGGAL TERBATAS、英語ではLimited Stay Visa(期限付き滞在許可証)に分類されます。

そしてレバラン休み明けの7月11日に、いつものエージェントにパスポートを預けてKITAS取得の手続きに入り、昨日7月22日に今回はじめてカード型のKITASを取得したのですが、戻ってきたパスポートにいつも押してある「LIMITED STAY & RE-ENTRY」のスタンプが見当たらず、代わりに「ITAS ONLINE」という丸いシンプルなスタンプが押してあります、何これ?

2016年2月からKITASの申請前にITAS ONLINEからVITAS(Visa Tinggal Terbatas=312ビザのこと)取得済みの報告を行なう必要があるようです。

  1. 7月11日 エージェントにパスポートを預ける。
  2. 7月15日 イミグレーションで指紋押捺。
  3. その後エージェントがWEBからITAS ONLINEでVITAS取得済みであることを報告。
    パスポートに押してあるイミグレからの「ITAS ONLINE」というスタンプは、おそらくエージェントがWEBサイトからITAS ONLINEで申請を行った後、イミグレでKITAS申請に行う際に、ITAS ONLINE登録済みであるという、イミグレによる確認印だと思います。
  4. 7月21日 Limited Stay PermitとMultiple Exit and Re-Entry Permit(MERP)取得

つまりKITASの代わりに「ITAS ONLINEで登録した証拠としての印刷物」を持ち歩くということになり、ELECTRONIC LIMITED STAY PERMITという新しい概念で外国人の期限付き滞在許可を管理することになります。

このMERPは、いつもパスポートにスタンプでもらえるのですが、現在はオンラインで発行されるようで、エージェントから「出国するときはこれを印刷してもって行け」と言わています。
KITASからITAS ONLINEによる電子化

先日のイミグレでの指紋押捺と写真撮影の担当者は、非常にフレンドリーで気さくなお姉さんでして、マンゴー食べながらベタベタの手でカメラを扱っていたのはさておき、昔の無愛想で横柄なイミグレのイメージからすると、随分時代が変わったものだと感じました。