インドネシアのオンラインVAT報告システムe-Faktur 【外貨規制による国内取引のルピア建て義務とオフショア債務のデリバティブによるヘッジ義務】

本記事の概要

e-Faktur導入の目的はFaktur pajakの乱用、報告の遅延、架空申請等の問題の改善することであり、インドネシア国税総局(Direktorat Jenderal Pajak=DJP)が提供するe-Faktur用アプリのe-SPT機能を通してオンラインでDJPのサーバー上にアクセスし、SPT(Surat Pemberitahuan)をアップロードします。

国内取引のルピアベース義務化と付加価値税申請のためのe-Faktur利用義務化


既に各所で触れられているとおり、7月からインドネシアの国内取引については基本ルピアベースで行うことが義務付けられますが、これは外貨規制の一環として行われる2つの新制度の1つに該当します。

  1. 国内取引のルピア建て義務
  2. オフショア債務(海外借入)のデリバティブ(為替先物・通貨スワップ・オプション取引)によるリスクヘッジ義務

外貨取引を禁止するということは、市中の通貨をルピアに一本化することで、通貨の流通高を正確にコントロールし、為替レートの変動を抑え、金利政策をしやすくする目的がありますし、また海外借入よりもよりコストのかかるデリバティブによるリスクヘッジ義務を課すということは、中央銀行の管理外で海外から気安く外貨を借りてくれるなと言われているのと同じです。

これまでドル取引が多いということでドルベースで会計処理を行っていた会社は、ドルベースにする意義が小さくなりますので、ルピアベースに変更する方針になると思います。

但し期中で変更すると業務へのインパクトが大きいので、来期からの変更を目指すところが多いかと思います。それでもお客さんや取引先の事情を考慮して、7月からは見積もりやPOは基本ルピアで作成する会社が多いと思います。

ただ会計担当者や税務コンサルにとっては、もう一つ別の課題、7月からのe-Faktur利用義務化というのがありまして、実はこっちのほうがじわじわきます。

昨年2014年7月から45のe-Fakturプロジェクト参加企業がパイロットケースとしてe-Fakturの利用を開始しており、ついに来月2015年7月からジャワ島とバリ島のすべての納税義務のある企業(Pengusaha Kena Pajak=PKP)にe-Fakturの利用が義務付けられ、そして2016年1月からインドネシアすべてのPKPがe-Fakturの利用を開始することになります。

インドネシア国税総局(Direktorat Jenderal Pajak=DJP)が提供するe-Faktur用アプリのe-SPT機能を通してオンラインでDJPのサーバー上にアクセスし、SPT(Surat Pemberitahuan)をアップロードします。

そもそもこのe-Faktur導入の背景としてFaktur pajakの乱用、報告の遅延、架空申請等の問題の改善したいという目的があり、これによってDJP側とPKP側の双方に事務効率の軽減が図られることになります。

e-Fakturで付加価値税の処理が楽になる。


具体的にはFaktur pajakはQRコードの電子署名(digital signature)方式になり、権限者の直筆サイン(tanda tangan basah)は必要なくなります。会社の登記上の権限者が遠方に居る場合は、Faktur pajak処理のオペレーションが軽減されます。

またこれまで手間だった税務署からPKPへの通し番号(nomor seri faktur pajak)の付与がシステムで行われ、PPNのINとOUT(Pajak Keluaran – Pajak Masukan)の管理が正確かつ容易になります。

ここまで聞くといいことずくめのようですが、実際のオペレーションの現場では、情報不足と錯綜により不安感が日に日に増しているという状況ではないでしょうか。

まずe-Fakturアプリケーションには、PPNに関係する売り買いのInvoiceに付随するデータが必要ですから、事前にシステム上にマスタをセットし、毎月トランザクションを入力またはインポートする必要があります。

  1. マスタ(顧客・取引先・価格)のインポート
  2. 売り買い取引の入力(インポート)

6月現在、e-Fakturの適用目前を控えた今でさえ、マスタはある程度インポートできることが明確なのですが、取引についてはインポート機能はあるものの、パッケージソフトからの出力フォーマットをe-Fakturに合わせるためのインターフェイスが必要になります。

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