発生費用としての仕損費が製造原価に与える影響 【営業の責任外である仕損費は製品他勘定振替で売上原価から控除し製造原価に含ませる】

本記事の概要

廃棄(Disposal)によって計上される仕損(Spoilage)を製造原価に追加すれば、その分売上原価も上がり売上総利益が下がりますが、仕損は営業の責任ではないので製品他勘定振替勘定にて売上原価からは控除することで、売上総利益は変化させません。

総平均法による製造原価算出プロセス

生産管理システムでの製造実績が「良品10個 不良品2個」と計上される場合、仕掛品または製品の出来高は12個であり、不良品2個分についても直接材料費や加工費が既に発生しています。

仕損は廃棄時に廃棄実績を上げることにより確定し、在庫数量が引き落とされますが、廃棄までの間は仕掛品であれば当月製造原価の直接材料費部分、製品であれば当月製造原価の仕掛品部分に含まれており、自動的に売上原価に含まれることになります。

  1. 材料総平均単価 =(材料月初金額+当月購入金額)/(月初数量+購入数量)
  2. 材料発生費用=材料総平均単価x使用数量
  3. 仕掛品製造原価=材料発生費用+自工程加工費
  4. 仕掛品総平均単価=(月初在庫+仕掛品製造原価 )/(月初数+当月生産数)
  5. 製品製造原価:(仕掛品総平均単価x使用数量)+自工程加工費

P/L上で仕損費分の間接控除の表記の仕方

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ERPシステムは継続的に在庫勘定を増減させ、払出した分を費用計上するものと、月中は仕入勘定で処理し月初在庫を月末在庫に仕入勘定を通して振替えることで費用計上するものがあります。

出庫実績で仕損計上されているものを原価・会計に反映する場合、どちらのシステムでもP/L上の表記の仕方は、他勘定振替を用いて間接的に原価から控除するのが一般的です。

製造原価内で直接材料費計上されていたものを仕損費に振替

直接材料費計上されていたものを、製造原価内で仕損費に振替るだけなので製造原価も売上原価も変化なしで、売上総利益に変化はありません。

  • (借)仕損費 10 (貸)仕掛 10
  • 製造原価(COGM)80=月初仕掛100+(当月製造費用40-仕掛10+仕損費10)-月末仕掛60

または

  • (借)仕損費 10 (貸)仕掛他勘定振替 10
  • 製造原価(COGM)80=月初仕掛100+(当月製造費用40+仕損費10)-(仕掛他勘定振替10+月末仕掛60)
  • 売上原価(COGS)170=月初製品200+COGM80-月末製品110
  • 営業の責任COGS-COGM=90

製造原価に仕損費を計上して売上原価から控除

廃棄によって計上される仕損を製造原価に追加すれば、その分売上原価も上がり売上総利益が下がりますが、仕損は営業の責任ではないので売上原価からは控除することで、売上総利益に変化はありません。

  • (借)仕損費 10 (貸)仕掛 10
  • 製造原価(COGM)90=月初仕掛100+(当月製造費用40+仕損費10)-月末仕掛60
  • 売上原価(COGS)170=月初製品200+(COGM90-仕掛10)-月末製品110

または

  • (借)仕損費 10 (貸)製品他勘定 10
  • 製造原価(COGM)90=月初仕掛100+(当月製造費用40+仕損費10)-月末仕掛60
  • 売上原価(COGS)170=月初製品200+COGM90-(製品他勘定振替10+月末製品110)
  • 営業の責任=COGS-COGM=80

製造原価内で直接材料費計上されていたものを特別損失に振替

直接材料費として製造原価に含まれていた分を控除し、売上原価も下がることで売上総利益と営業利益が増えますが、その分を特別損失計上することで、当期純利益が下がり帳尻が合います。

  • (借)特別損失 10 (貸)仕掛 10
  • 製造原価(COGM)70=月初仕掛100+(当月製造費用40-仕掛10)-月末仕掛60

または

  • (借)特別損失 10 (貸)仕掛他勘定振替 10
  • 製造原価(COGM)70=月初仕掛100+当月製造費用40-(仕掛他勘定振替10+月末仕掛60)
  • 売上原価(COGS)160=月初製品200+COGM70-月末製品110
  • 営業の責任=COGM―COGM=90

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