システム置き換えの理由とコスパの問題

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システム置き換えの理由とコスパの問題 【問題解決志向と戦略的活用志向】


既存システムの不都合を解消するための問題解決志向

インドネシアの日系企業が業務システムの置き換えを行なうときの理由として、現行システムの不都合を解消したいという問題解決指向と、システムの活用範囲をもっと広げて業務に役立てようという戦略的活用指向の2つの軸があります。

  • 日本の本社主導で海外拠点一括置き換えが行なわれるので仕方なくやるべー

もちろんこんな後ろ向きな感じの話もありますが、システム導入が行なわれる際には何らかの大義名分が必要です。

単なる現行システムのリフレッシュだけが目的の、新たな付加価値を何も生み出さない投資が行なわれるほど余裕のある会社はありません。

  • これまでインドネシアローカル産の安い業務システムを使ってきましたが、会社の拡大とともにいろいろ不都合が発生してくるので、大きなビジネスに対応できるきっちりとしたパッケージソフトに置き換えたい。

これはシステム導入を検討しているお客さんから、お問い合わせいただくときのよくあるシステム検討の理由ですが、その「不都合」というのは何なのかという話です。

システムの老朽化

今でこそインドネシアの注目度が高まり、IT投資の予算額も大きくとられるようになりました。

以前はインドネシア現地法人を立ち上げたものの、IT予算への理解が得られず、Excelによるマニュアル運用からはじまって、インドネシアの現地ベンダーが開発した怪しいローカルシステムを導入したり、たまたま社内にいたITオタクの社員が開発したシステムを使うなどして、今日まで耐え忍んできました、みたいな例は枚挙にいとまがありません。

  1. データベースにAccessを使っているので同時接続の負荷に限界がきている。
  2. 開発元が倒産、または開発者が失踪してサポートが受けられない。
  3. 最新版のWindows(またはExcel)に対応していない。

いずれもシステムの老朽化により、今後物理的な支障をきたすことが予想される理由であり、この場合は速やかに新しいシステムへの置き換えを検討しないと、ある日突然Xデーがやってくるリスクが高くなります。

もちろん業務の規模によってはExcelによるマニュアル処理に戻すことも検討されるべきです。

システムの機能的制約

現行システムの仕様に基づく機能的限界によって生じている不都合ですが、これは現状のままでも運用は回るが改善できれば管理の効率が上がると思われるケースであり、現行システムにある長所を捨ててでも置き換えによるメリットが大きいという判断を下す必要があります。

  1. スタンドアロン型で複数人同時作業ができない。
  2. 販購買データと債権債務情報、在庫情報がリンクしないので2重入力が発生して運用負荷が大きい。

裏を返せば現行システムにある長所として、スタンドアロン型だからこそセキュリティが確保される、モジュール間がリンクしていないからこそ部門ごとで責任を持たせてデータ入力をさせることができる、とも言えるわけです。

また日本側の情報システム部が「不都合である」と感じている問題が、現場でシステムを運用するインドネシア人スタッフにとっては「不都合でない」ケースも多々あり、システム置き換えによって現場に負荷をかけることを納得してもらうには相当のエネルギーが必要になります。

そして「不都合」を改善する方法は必ずしも新システムへの置き換えである必要はなく、外部にサブシステムをくっつけて機能追加するという方法を取ることにより、今まで蓄積してきた運用への慣れとか、標準業務フローに関する理解とかをリセットせずに済む可能性もあります。

システムをもっと活用しようという戦略的活用志向

現行システムよりも高機能かつ価格も高いシステムに置き換える場合には、システムを業務の中核と考えて、単なる管理ツールとしてだけではなく、事業計画を作成する上で重要なKPI(Key Performance Indicators 組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準)を提供できるくらいの目標は立てると思います。

  • 管理システムとしてだけでなく、販売予測から生産計画・調達計画を作成し、事業計画など経営に役立てたい。

ただし高機能なシステムをフル活用するためには、運用する現場に高いレベルの意識と技量が必要になり、それが追いつかない場合は、システムに実装されている機能の一部しか使用されなくなります。

  • 低機能な安いシステムでも十分だったじゃん

その結果十分な投資効果が得られないことになりかねません。

コスパの問題

システム投資は、短期的にコスパ無視して費用をかけることがあっても、最終的にはBalik modal(元手回収)するだけの効果を得るために行なうものであり、投資効果の大小にかかわらずライセンス料金の10%~20%という年間保守メンテナンスコストが毎年ランニングコストとしてかかります。

インドネシアではPCなどのハードウェアやパッケージソフトのような無形固定資産は4年で償却(カテゴリー1)するケースが多いと思われますが、その金額に見合った効果があったかどうかを知るための指標を、数値データとして本社に報告することになると思いますが、それ以前にシステムを運用する現場スタッフの反応はどうかという問題のほうが重要です。

システム投資は高額になればなるほど多機能になり、多機能になるほど運用の難易度が上がりコスパは落ちますが、効果の絶対値は高まります。

  • やっぱ高いシステムは違うねー

ン千万円クラスの高額なシステムを導入する場合は、運用開始後に現場から最低でもこれくらいの評価は出したいところです。



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