インドネシアでもできる生産スケジューラによる標準原価計算

2018/09/18

溶接ロボット

生産スケジューラーAsprovaに原価費目別に単価や賃率、配賦率が設定できれば、予定生産数量や予定工数を計算することができますので、販売予測に基づいて来期の予算を製品別、製品グループ別、機械別、顧客別に計算することができます。

自動車組み立て工程

インドネシアの生産スケジューラ

インドネシアの日系製造業においても生産管理システムが導入される事例が増えましたが、機械や設備の負荷を考慮した実現可能な生産計画作成という生産管理の主要課題については、Excelを使ったマニュアル作業で行われているのが現状で、今後生産スケジューラのニーズは高まるものと思われます。

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生産スケジューラーAsprovaで出来る標準原価計算とは

生産スケジューラーAsprovaとは、以下の情報を元に生産スケジュールと購買スケジュールを自動生成するシステムです。

  1. オーダ(内示・受注オーダ)
  2. マスタ(部品構成・品目工程・作業能率)
  3. カレンダーとシフトパターン

Asprovaのオーダテーブルに内示や受注オーダをインポートし、リスケジュール(所要量展開と設備への作業割付け)を実行することにより生成される基準生産計画(製品生産予定数)を元に展開計算することで以下が算出されます。

  1. 予定生産数量(予定投入数量)
  2. 予定購入数量
  3. 予定直接作業時間

標準原価計算では以下ように1個あたりの標準原価を原価費目別に原料単価や賃率、配賦率を元に計算します。

  • 直接材料費の標準単価:単価x必要数量
  • 直接労務費の賃率:賃率x工数
  • 製造経費の配賦率:配賦率x工数(作業時間按分の場合) または 配賦率(生産数量按分の場合)

Asprovaの品目テーブルには、品目の内訳である原価費目別に原料単価、賃率、配賦率を設定するのですが、Asprovaには固定費予算から賃率や配賦率を自動計算する機能はないため、Asprovaの外で、Excelを用いて計算した結果を品目テーブルに設定します。

賃率・配賦率をExcelで計算し品目テーブルに設定

原価計算の流れ
Asprovaの品目テーブルに設定する賃率や配賦率を、固定費予算(直接労務費・間接労務費・減価償却費など)から計算する方法は以下のとおりです。

  1. 勘定科目別に固定費予算を集計。
  2. コストセンター(製品グループ・直接部門・製造ラインなど)に紐付けできない間接固定費をコストセンターに按分するための一次配賦比率を、予定直接作業時間または予定生産数量を集計して計算。
  3. 一次配賦比率に基づいて間接固定費をコストセンターに一次配賦し原価費目に紐付ける。
  4. 直接固定費と間接固定費が原価費目に紐付けられたので、予定直接作業時間または予定生産数量で割って賃率・配賦率を計算。
  5. 賃率・配賦率を品目テーブルに設定し、標準原価に基づく予算を計算。

原価費目別に単価や賃率、配賦率が設定できれば、Asprova側で予定生産数量や予定工数を計算することができますので、販売予測に基づいて来期の予算を製品別、製品グループ別、機械別、顧客別に計算することができます。