インドネシア時事問題

新型コロナウィルス感染拡大がASEANとインドの製造業へ及ぼす影響【7月6日JETROウェビナーより】


インドネシアの新型コロナウィルス感染拡大が製造業へ及ぼす影響が、ベトナム、タイ、インドと比較してどの程度なのかという興味深い話ですが、各国とも二輪四輪産業が受ける影響は大きい一方で、新しい生活様式に対応したライフスタイルの変化がもたらすNew Normal特需にも期待を寄せており、サプライチェーンの停滞から他国から自国への輸入切り替え、米中貿易摩擦の激化による中国からの生産移管、生活習慣のオンライン化によるIT関連機器の生産と輸出の拡大、家で過ごす時間が増えたことによる節電志向のエアコンや、清潔志向の高まりから空気清浄機の売り上げ増などが挙げられます。

ベトナム - 日系企業数1,848社うち868社が製造業(2019年7月時点)

7月5日までの累計感染者数がわずか355名(回復者340名)、死者は未だに0名で、4月17日以降の新規感染は、海外からの帰国者のみで市中感染者数は0人というのは、3月22日に外国人の入国を停止し、4月1日から社会隔離措置を実施したベトナム政府の感染防止措置の初動の早さ、徹底した水際対策、情報開示、感染者が出た場合には徹底した追跡、検査、隔離、治療を行った成果です。

2020年1月~5月の新車販売台数は前年同期比34.5%減の8万3千台で、自動車生産台数は41.6%減の7万4千台と落ち込む一方で、スマホ、サーバー用の製品やパソコンやスマートフォン用の部品など、WFHで需要が増加した結果、第1四半期(1~3月)の電子・電機の生産の伸びは前年同期比14.3%成⾧しましたが、GDP成長率は第1四半期(1~3月)で3.82%増(推計値)にとどまり、リーマンショック以来、過去10年で最低の水準となりました。

タイ - 日系企業数5,444社うち2,346社が製造業(2017年5月時点)

7月5日までの累計感染者数は3,190名(回復者3,071名)、死亡者数は58名で、3月26日に非常事態宣言が発令され、外国人の入国は原則停止、夜間外出禁止措置等を実施した結果、6月の感染者数はほぼ1 桁台で推移したことを受けて、6月15日に夜間外出禁止が解除されました。

2020年5月のタイの新車販売台数は、前年同月比54%減の4万418台で、4月の自動車生産台数は前年同月比83.6%減の2万4,711台と落ち込み、コンピューター部品・HDD・電気制御盤などの電子・電機の生産はベトナムと同様に堅調ですが、2020年第1四半期のタイGDPはマイナス1.8%で6年ぶりのマイナス成長になりました。

インドネシア - 日系企業数1,489社うち871社が製造業(2019年11月時点)

7月5日までの累計感染者数は64,958名(回復者29,919名)、死亡者数は3,241名で、1日当たりの新規感染者数は1000名~1500名で右肩上がり中で、4月2日に外国人の入国は原則停止(KITAS保有者を除く)され、4月10日から大規模社会制限(PSBB)継続中だが6月から段階的解除されています。

4月の新車販売台数は9割減、生産台数は8割減、2020年の年間自動車出荷台数目標が108万台から60万台まで引き下げられるという厳しい状況ですが、Making Indonesia 4.0に合わせて生産管理・運営管理におけるデジタル技術の導入、自動化・省人化のための設備・システムの導入への投資を継続していくという企業もあります。

インド - 日系企業数1,441社うち720社が製造業(2018年10月時点)

7月5日までの累計感染者数は697,000名(回復者424,000名)、死亡者数は19,693名で、7月1日からのロックダウン緩和に伴って急激な感染者増が続いており、日系企業駐在員の8割が日本に一時帰国しています。

2020年4月の新車販売実績ゼロ、現状の自動車産業の稼働率はコロナ前の10%程度という惨状ですが、もともとコロナ禍前から自動車産業は不調が続いており、2019年度の乗用車販売は前年度比17.9%減の277万台であったところに、金融機関貸し渋り、自賠責保険料引き上げ、2020年4月の新環境規制(BS6)を見込んだ買い控え、コロナ禍によるロックダウンが重なりました。

ロックダウンの影響を受け、2020年4月~5月の失業率は23%台に上昇し、実質GDP成⾧率予測は-4.3%ですが、他国同様に電子機器市場は好調で、年平均成長率26.7%を記録しており、電子機器の約90%を輸入に依存するという輸入依存からの脱却を急いでいます。





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